【上天草市複合型スポーツ&ヘルスツーリズム事業】脳トレや“ヘルSEA”メニュー 特典多数の「よくばり健診」実施
2019年2月25日(月) 配信
〝楽しく遊びながら健康づくり”をコンセプトに、特定健診の受診率向上を目的とした「よくばり健診」は、市立上天草総合病院の樋口定信名誉院長も出席するなか、身体計測や血液、尿、心電図検査、内科診察などを行った。
健康福祉部健康づくり推進課は「上天草市の特定健診受診率は26―27%程度で、熊本県内ではワースト2位。参加者には、自身の健康状態を知り、健康を維持してもらえるきっかけとなれば」と話す。このため、健診(料金1千円)には、さまざまな特典を付け、市民の健康増進に取り組む狙いだ。
入浴医療の第一人者である国際医療福祉大学大学院教授の前田眞治氏の健康講話もその一つだ。前田氏は「上天草温泉のとっておきの入浴法」をテーマに、市内各所の温泉成分を分かりやすく分析した。
会場となったスパ・タラソ天草の天然温泉などの泉質「ナトリウム―塩化物・炭酸水素塩泉」の特徴を、「入浴後早く温まり、出浴後の保湿効果も長い」と紹介した。「温泉に温まり、血のめぐりが良くなれば、ケガの治癒を促進し、疲労回復にもつながる」と科学的なメカニズムを、図解を交えて説明。「上天草の温泉は、目的をもって正しく使うと、健康増進にも大きく貢献する」と太鼓判を押した。
昼食には、スパ・タラソ天草の山田一也料理長が独自に考案した9品目の健康食を振る舞った。地元食材を使い、645㌔㌍に抑えた献立だ。
同市と民間活力開発機構が「生活習慣病の方でも地元食材を使用した健康食を楽しめるように」と、昨年度は料理研究家の渡辺あきこ氏が監修し、開発した「ヘルSEAメニュー」の市民への普及に取り組んだ。今年度は観光客にもヘルSEAメニューを広めようと、市内の飲食店へ展開することとした。
健康づくり推進課は、「天草産の鮮魚や熊本産の新鮮野菜をふんだんに使われ、とても健康にいいメニュー。市民の方だけでなく、観光で訪れた方々にも味わってもらいたい」と紹介した。
参加者らは「見た目も綺麗で、楽しみながらいただけました」との声も多かった。
昼食後は、身体の運動と脳トレを組み合わせたライフキネティックを体験した。トレーニングにより、ストレスの軽減や、集中力の高まり、認知機能の向上などに効果があるとされている。
例えば、両手に持ったボールを真上に投げ、腕を交差させて受け取る運動は、やってみると思い通りにはいかない。参加者は、年齢や体力レベルに関わらず、誰でもリズミカルに楽しめるプログラムに汗をかいた。
その後、温泉と海水を温めた「元気海プール」でタラソテラピーを体験。リラックス効果の高い33―36度の不感温度の中で、無理なく体を動かした。
同市は昨年10月21日には2回目の「ONSEN・ガストロノミーウォーキングin上天草温泉」を実施。歩くことで地域特有の「食」「自然」「文化・歴史」を一度に体験できる“新しいスタイル”のツーリズムにも積極的に取り組んでいる。
健康づくり推進課はゴール付近に血管年齢や、血圧測定をチェックするテントブースを設置。市民や、市・県外からの参加者の健康意識を高める活動も積極的に行っている。市内に滞在中に人間ドックを受けられるプログラムも用意している。