KKdayとVpon、高付加価値セミナー開く 自治体などに誘客促す
2021年11月29日(月) 配信
オプショナルツアー予約サイトを運営するKKday Japan(陳明明社長、東京都新宿区)と、訪日外国人観光客に特化した広告やデータ提供事業を展開するVpon Japan(篠原好孝社長、東京都新宿区)は11月25日(木)、「地域観光の高付加価値化セミナー」を開いた。東アジアの海外旅行再開後に向けて、主な参加者である自治体やDMOに専門的な視点から、高所得者への誘客を促した。
はじめに、Vpon Japanシニアマネージャーの鮎澤貴氏が、「ちょっと変わったニッチ需要の捉え方を考える」について講演した。
各自治体やDMOなどが提供するオプショナルツアーの収益化が難しいなか、観光庁の調査を引用したうえで、「アクティビティの採算ラインは1万円以上」とし、富裕層の集客を提案した。
鮎澤氏は自身が国内旅行メインターゲットと定める30~40代の2人世帯以上について、レジャー費の年間平均額が9万円前後であることを示し、「アクティビティは年収900万円以上の世帯が対象でないと利益を得られない」として、具体的にガイドツアーやナイトライフ、施設見学などが利用客の獲得に有効だと説いた。
これを踏まえ、同社は高所得者がスマートフォンにダウンロードしているアプリのジャンルをベースに、利用者の嗜好に合わせて広告を流しているという。
続いて、KKday Japan日本統括責任者の深井洋平氏が「事例から紐解く、今からできる高付加価値化」と題して、講義を行った。
同社における台湾人からの日本商材へのアクセス数が2020年12月から上昇していることを伝えた深井氏は、「台湾人は海外旅行再開に向けて、情報収集を始めている。今から発信しないと遅れる」と強調した。
台湾国内の人気商品については、「体験」に関わるものが増加傾向にある。コロナ禍前の19年には上位20位中2つだけがランクインした体験が21年に、上位半分を占めたことも報告した。
台湾で成功した高付加価値化の事例では、コロナ禍でヨガとマッサージを新たに始めた城市キャンプ場の単価と予約数が増えたことから、「アイデアの質より、実行力が大切だ。やりきれば差別化できる」とアドバイスした。
さらに、台湾で外国人利用が中心だった高級ホテル圓山大飯店(台北)が防空壕の見学を始めたことで、国内客の集客に成功したことも説明し、「台湾人はこれまで、観光資源として扱われなかった施設に訪れている」と語った。