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「津田令子のにっぽん風土記(80)」「癒しの場所・仙台に思いを馳せる」~ 宮城県仙台市編 ~

2021年12月18日(土) 配信

東北大学青葉山キャンパス
NPO法人ふるさとオンリーワンのまち賛助会員 堀川寿美恵さん

 このほどNPO法人ふるさとオンリーワンのまちの賛助会員になられた東京都在住の堀川寿美恵さんの前職は、京都大学大学院医学研究科東京大学サイト臨床試験コーディネーターという聞き慣れない職業だ。

 
 鬱病の治療方針研究に伴う治験を患者さんに寄り添いつつ、データを積み重ねていくという知識と根気のいる仕事だ。気分転換を兼ね仕事の合間をぬって、かつて暮らした仙台へ足繫く通い、懐かしい風景と再び触れ合うことで心癒されてきたという。

 
 生まれは、北海道札幌市。小学3年から6年生までは金沢に住まい、その後、東京に。さらに22歳から再び札幌に移り就職、そして結婚。40歳のときにご主人の転勤による7年間の仙台での生活を経て東京に戻られた。

 
 これまでたくさんの街と関わってこられた堀川さんが最も印象に残っているのは、「仙台ですね」と即答する。

 
 仙台に移り住んだ当初は友人もいないため、新たな街に馴染めないでいたが「家から車ですぐの青葉区川内元支倉にある宮城県立宮城県美術館と瑞鳳殿、そして東北大学の構内にもなっている青葉山に自分の居場所を見つけたんです」と当時を振り返る。「四季折々の景色があまりに美しく、虜になってしまった。ただその場所にいるだけで心が満たされ、気持ちが解けていくのが分かるのです。仙台には、そんな懐の大きさというか、人の心をわしづかみにしてしまう不思議な魅力があるのだと思います」と堀川さん。

 
 仙台での生活が1年半ほど過ぎたころには、友人もたくさんできて宮城県の素晴らしい場所を教えてもらったという。

 
 「友人たちと、松島、塩竈、石巻、気仙沼、そして、山形にも頻繁に足を運び仕事の合間に美味しいものを求めての小さな旅に出たものです。お寿司が食べたいときは、塩釜。牡蠣が食べたいなら奥松島。お蕎麦が食べたくなると、山形。紅葉を見たいなら山形までの山道ドライブと山寺。そして、仙台市内なら、瑞鳳殿、松島の瑞巌寺という風にね」。自ら運転し、街を満喫していったという。

 
 「先月も、1人でボーっとしたくなって、最も好きな癒しの場所宮城県美術館へ行って来ました」。お気に入りの静寂な館内でいつものように2時間過ごして来られた。「この美術館で過ごす時間は私にとって心落ち着く大好きな秘密の時間」と、充足感に包まれた表情が印象に残る。

 

 

津田 令子 氏

 社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。

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