JTBトラベル&ホテルカレッジ 学生が5県を研究し、「観光による課題解決」発表
2022年2月14日(月) 配信
JTBトラベル&ホテルカレッジ(山村晋一校長、東京都豊島区)は1月28日、観光メディア論(講師:竹内敏彦氏)の授業内で、各県の「観光政策の現状と観光による課題解決」発表会を実施した。
授業はメディアの特性や、消費者行動論を学んだあと、任意の都道府県観光促進担当者を訪ね、課題を抽出し、独自の視点で解決策を提案するというもの。
今年の研究対象は愛媛、和歌山、山口、長崎、新潟の5県。学生たちは5つのグループに分かれて研究成果を発表した。講評は、日本国際観光学会の島川崇会長と、旅行新聞の増田剛編集長が担当した。
愛媛県の研究発表では、みかんの花言葉が「花嫁の喜び」であることから、「みかんウェディング」を提案。特産である「みかん」を生かし、「人生の出発地となることで再訪が期待される」点を強調した。みかんの花を使っての髪飾りや、みかん染めのウェディングドレスを身に纏い、みかん農園で式を挙げるという企画も考案。しまなみ海道を新郎新婦がドライブする“写真映え”を意識したアイデアも披露した。
日帰り客が多い和歌山県は、サイクリングロードを生かした「電動キックボード紀伊半島周遊イベント」と地元企業とのコラボレーションなどを発案した。
山口県は、「日本酒女子のテーマパーク」をテーマに、オリジナルの日本酒づくりなどのアイデアを盛り込んだ。
長崎県は、「キリスト教カトリックに触れる旅」と、あえて宗教色を出し、潜伏キリシタン関連遺産をガイド同行で巡るツアーなどを提案した。
新潟県は、世界遺産登録が待ち望まれる佐渡島を目的地として、県内を周遊する「鬼滅の刃聖地巡礼の旅」を創造した。鬼滅隊本部としての北方文化博物館、無限列車としてSLばんえつ物語に乗車、登場人物「錆兎」をイメージした狐の嫁入り屋敷での狐の面作り体験、そして鬼が滅んでいない島「佐渡島」へと導くツアーを企画した。
発表後、学生から送られた提案を受けて、愛媛県東京事務所観光物産振興課の竹村亜子副課長は、「学生の皆さんから、愛媛県の強みと新たなエッセンスを盛り込んだユニークなご提案をいただき、大変興味深く感じている」と高く評価。
また、学生の発表を聴いた島川氏は、「企画は誰からも押し付けられるものでなく、自身の感性で創るもの。これからも皆さんの感性で世の中を創造していってもらいたい」と総評した。