KNT-CTHD、売上高1.7倍の1049億円 約150億円の赤字縮小へ(第3四半期決算)
2022年2月14日(月)配信
KNT-CTホールディングス(米田昭正社長、東京都新宿区)が2月9日(水)、2022年3月期第3四半期(21年4月1日―12月31日)の連結決算を発表した。これによると、売上高は前年同期比71.4%増の1049億4400万円と大幅に増加し、当期純損失が150億円超を縮小して58億500万円(前年同期は216億1500万円の損失)だった。営業損失は77億5800万円(同261億9400万円の損失)、経常損失は44億7200万円(同174億8600万円の損失)と、ともに前年同期から赤字額を圧縮した。
昨年10月の緊急事態宣言解除後の需要回復は限定的なものの、オンラインツアーや近隣地域への旅行、徹底的な感染症対策に取り組んだ修学旅行など、コロナ禍でも需要のある旅行販売に注力。県民割・隣県割を活用したツアーの催行などにも取り組み、加えて東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、大会関係者バス輸送の主幹業務を受託し、競技場輸送を支えた。
このほか従来の観光施設の運営業務に加え、PCR検査や新型コロナウイルスワクチン接種の受付業務を地方自治体から受注するなど、旅行業以外の収入確保に努めた。グループ会社のクラブツーリズムではKDDIと業務提携を行い、昨年10月にサブスクリプションサービス「クラブツーリズム・パス」を始めた。
一方、費用面では事業構造改革を推進した。近畿日本ツーリストの個人旅行店舗と団体旅行支店を91カ所、同社ほか3社の本社事務所を閉鎖・縮小するなど、人件費や事務所賃借料などの費用削減に努めた。
また、営業外収益として、資金の貸付に伴う利息収入3800万円、雇用調整助成金など助成金収入6億8600万円などを計上。特別損失には、事業構造改革に伴い廃止または移転した店舗・事務所の原状回復費用などに3600万円、ソフトウェアなどの減損損失に1億3900万円などを計上した。
22年3月期の連結業績予想は、昨年11月10日に公表した予想数値を据え置き、売上高は1500億円、営業損失は140億円、経常損失は115億円、当期純損失は130億円を見込んでいる。