制限区域内走るバスツアーが人気 成田や羽田など国内各空港で
2022年7月11日(月)配信
成田国際空港や羽田空港などで、普段は入ることが難しい制限区域内を走るバスツアーが注目を集めている。停車しての写真撮影や滑走路ウォークなど、体験メニューもさまざま。今回は6月から羽田空港内をオープントップバスで走るコースを売り出したはとバスと、7月から富士山静岡空港内をオープントップバスで走るツアーを他社と共同で実行する日の丸自動車、2社のツアーを軸にツアーの魅力に迫る。
□実現まで半年 離陸の瞬間も間近で
はとバスは6月25日から、2階建てバスで羽田空港内を走行するツアーを始めた。空港内制限区域を約70分間走行、うち約10分間は滑走路付近に停車、その際、2階建てオープントップバスで運行の場合は、屋根(幌)を開放する。
空港内専用のナンバープレートの取得、セキュリティチェック体制の構築、はとバス運転士の制限区域内車両運転許可取得や習熟運転など、関係各所との折衝を含め、約半年をかけて実現した。
第2ターミナルから制限区域内に入り、第1、第3ターミナルと進む同コース。格納庫や洗機場など、普段はなかなか見ることができない施設や、離陸準備が行われるようすなどを、バスガイドの解説とともに楽しめる。また、停車中、屋根が開放されると飛行機が離発着する瞬間を間近に感じられる。
□7月からは富士山静岡空港でも
富士山静岡空港と大井川鐵道、日の丸自動車の3社は7月22日から、「屋根なし2階建て スカイバスで巡る!!島田市内周遊ツアー」を始める。同ツアーは静岡県島田市からの事業委託により、「富士山静岡空港を活用したマイクロツーリズム事業」の一環として行われるもの。
2階建てオープンバスで島田市内を周遊する。同空港では特別な許可が必要な滑走路横の制限区域内、場周道路約7㌔をスカイバスで走行し、航空機が離発着する瞬間を間近で見学できる。また、消防庁舎では化学消防車の見学も楽しめる。
□成田のツアーでは滑走路を歩く
成田国際空港(NAA)とグループ会社のグリーンポート・エージェンシーは5月21日、「成田空港滑走路横断スペシャルバスツアー」を行った。
日の丸自動車の2階建てオープンバスで国内最長4千㍍のA滑走路内を走行。滑走路の一部エリアでは実際にバスから降車し、滑走路を歩きながら空港の雰囲気を思う存分感じられる時間も用意した。
そのほか、午前6時の滑走路運用開始に合わせて飛来する飛行機の見学や、ランプセントラルタワーに登り空港全体を上から見学するなどさまざまな企画も用意した。
ツアーは大人、子供(7歳以上)ともに2席1人で4万円、2席2人で7万円、2席最前席1人または2人で9万円と高額ではあったが、40人の定員に対し全国から673人の応募が集まったという。
ツアーを企画・企画したグリーンポート・エージェンシーは、2021年から「成田空港スペシャルバスツアー」を行っており、今回のツアーも同シリーズの1つとして行われた。
過去には、非公開エリアを巡るバスツアーの後に日本航空(JAL)国際線ビジネスクラスの機内食を楽しめるバスツアーなどを実施し、毎回好評を博しているという。