No.439 ピンクリボンのお宿ネットワーク、第5回総会 情報発信を加速
ピンクリボンのお宿ネットワーク
第5回総会 情報発信を加速
ピンクリボンのお宿ネットワーク(会長=畠ひで子・匠のこころ吉川屋女将、事務局=旅行新聞新社)は7月26日、東京都港区の東京會舘で2016年度通常総会を開いた。同ネットワークは、今後も会員宿泊施設や企業団体、医療機関と一丸となって、情報発信に尽力していく。10月には、2017年版の「ピンクリボンのお宿」冊子を発行する予定で、新規掲載旅館から特典クーポンまで、内容が一層拡充される。総会後には、加賀屋の指江香里客室部リーダーが講演を行った。
【謝 谷楓】
畠ひで子会長は「今年の3月にホームページをリニューアルし、情報発信に尽力してきた。今後も、全国の宿泊施設や医療機関、乳がん患者団体と連携して勉強会などを行っていきたい」と語り、活動の理念を広める決意を表明した。乳がん患者・経験者にとって、より快適な宿泊と入浴環境を求め、実現するために理解を広げる活動にも力を入れる構え。
来賓の橋本尚英厚生労働省健康局がん・疾病対策課主査は、「乳がんは日本人女性にとってもっとも罹患頻度の高い病気で、重要な課題の1つ。同ネットワークの活動は、がん患者・経験者に対し、生活の質の向上を促すもの。厚生労働省は、皆様の活動を心強く思っている」と激励した。
同じく来賓の針谷了日本旅館協会会長は「企業の社会的責任(CSR)が叫ばれて久しいが、ピンクリボンのお宿ネットワークの活動はそのお手本となるもの。また、インバウンドの増加が顕著ななか、日本の魅力を探しにいらっしゃる海外の方は後をたたない。これからも、皆様には、インバウンドの増加やおもてなしに貢献していただきたい」と、同ネットワークへの期待を熱く語った。
役員改選では、全会一致で、畠会長をはじめ全役員の再任を決定した。
来賓は、橋本尚英厚生労働省健康局がん・疾病対策課主査と針谷了日本旅館協会会長、大山正雄日本温泉協会会長、大堀千比呂日本政府観光局インバウンド戦略部受入対策グループマネージャー、菊池辰弥全国旅行業協会経営調査部部長。
また、首都圏を対象に個人旅行の造成に取り組むJTBガイアレックの大根田朱里氏から、「次期の商品造成に向け、会員施設の皆様と相談しながら、同ネットワークに関する商品情報のPRを行っていきたい」との説明があった。
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総会後に、加賀屋客室部の指江香里リーダーは、「女性アカデミー・気づきと行動」と題し講演を行った。主体となって勉強会を開催してきた指江リーダーと社員らが、自身らの取り組みから獲得したものとは何か。
女性アカデミーを創設
加賀屋の「女性アカデミー」は、女性の視点を大切にした勉強会で、将来の管理職候補育成を目的にしたもの。
「2012年にピンクリボンのお宿ネットワークの設立総会に参加した理由は、アレルギー体質だった子供を育てた経験と、社内に乳がん経験者がいたこと」だと語る指江リーダーは、これら経験と同ネットワークへの参加を通じて、ユニバーサルツーリズムへの関心を高めていくことになる。
加賀屋では、個別の仕切りがある大浴場の洗い場や、露天風呂付客室など、目に見えて分かりやすいハード面での取り組みが多かった。そのため、翌年の第2回総会で、乳がん経験者対象の全館貸切プランなど、できることから始めている会員施設の存在を知り、「ソフト面での取り組みの大切さに思い至った」という。
ソフト面での取り組みは社員らに対し、意識の変化や、知識の獲得を求めることになる。しかし、すぐには成果を得づらく、継続的な教育も必要不可欠。
どうすれば良いのかと途方にくれているなか、役員から「女性のための勉強会を始めてみないか」と声をかけられた。同時期に、政府が女性の活躍推進を成長戦略の1つとして掲げたことも後押しとなり、勉強会を始めることとなった。これが「女性アカデミー」創設の第一歩になったのだという。…
※ 詳細は本紙1639号または9月7日以降日経テレコン21でお読みいただけます。