21・8%増の2404万人、中国637万人、韓国509万人、欧米豪296万人(2016年訪日外客数)
日本政府観光局(JNTO、松山良一理事長)がこのほど発表した2016年12月の訪日外客推計値によると、12月の訪日外客総数は前年同月比15・6%増の205万600人となり、これまで12月として過去最高だった15年(177万3千人)を上回った。また16年の年間訪日外客数は同21・8%増の2403万9千万人となり、過去最多の訪日者数を記録。クルーズ船の寄港回数の増加やビザの緩和などが、主な増加要因となっている。
12月の市場別では、ロシアを除く19市場が年間での過去最高を記録。とくに中国は同27・6%増の637万人と、全市場で初の600万人台に達し、昨年に引き続き最大訪日旅行市場となった。また、欧米豪9市場も同17・7%増の295万6千人と300万人に迫る勢いで堅調に増加した。
16年の重点市場の動向を見ると、韓国の訪日旅行者数は509万300人で過去最高を記録し、初めて年計で500万人を突破した。外国旅行者数の増加傾向や、相次ぐLCCの新規就航にともなう座席供給量の拡大などが、訪日需要を押し上げた。
中国は637万3千人で過去最高を記録。FITとクルーズによる需要の高まりと、航空路線の拡充を背景に、年間を通して毎月40万人以上の送客が続き、すべての月で過去最高を更新した。
台湾は416万7400人で過去最高を記録し、初めて年計で400万人を超えた。すべての月で同月過去最高を記録し、台湾における外国旅行先の中でも、日本が1―10月まで連続して首位を保持した。
香港は183万9200人で過去最高を記録。年間を通して毎月10万人以上が訪日し、すべての月で同月過去最高を記録するなど好調が続いた。
そのほか東南アジア諸国は、タイが90万1400人、シンガポールが36万1800人、ベトナムが23万3800人、インドが12万3千人など。タイは年間最大の旅行シーズンであるソンクラーン(タイ正月)休暇のあった4月をはじめ、すべての月で過去最高を記録。初めて年計で90万人を超えた。
なお、出国日本人数の16年累計は、同5・6%増の1711万6200人となった。
17年が正念場、田村観光庁長官
観光庁が1月17日に開いた会見で、田村明比古長官は今後の訪日外国人旅行者数の見通しについて、「17年が正念場になる。これまでの増加は、ビザの緩和や消費免税制度の拡充などによりプラスに働いていたが、観光資源の面で言えば、現存のものを出していた状態。今後は中身(商品)の強化をしていかなければならない」と強調した。