日本航空(JAL)の大西賢会長が登壇 防災ツーリズム関連商品を説明(インバウンドマーケットEXPO2018)
2018年2月21日(水) 配信
日本航空(JAL)の大西賢会長は2月21日(水)、インバウンドマーケットEXPO2018で行われたセミナーに登壇。「インバウンドによる地域活性化と日本航空の取り組み」と題し、6月から売り出す「防災ツーリズム」関連商品を中心に説明した。
「防災ツーリズム」関連の旅行商品は、6月ごろに売り出される予定。JTBなど旅行会社数社と提携した取り組みになる。参加者は東北6県を周遊しながら、防災に関する知見を深めることが可能だ。主なターゲットは、インドネシアとフィリピン、台湾、タイの4カ国・地域。日本への関心とリピート率、災害に対する意識の高さをもとに選択した。長期滞在させる工夫など、富裕層の取り込みにも力を入れる方針だ。
「東北6県の皆様の声を集約した結果、東北ならではの新しい発想が必要との結論に至り、防災ツーリズムが生まれた。震災のメカニズムを理解・学習することで、災害時の被害軽減を目指していきたい。被災地での滞在時間を増やすなど、東北6県の各エリアでプログラムを組むことで、ローカルエリアでの消費額増加も果たしていく」(大西会長)。
6県への誘客を実現するために、「光る観光素材」と「ターゲティング」「人材」の3点にフォーカスした今回の取り組み。被災地だからこそ得ることのできた防災に関する知見=「光る観光素材」を軸に、日本や防災に関連の深い上記4カ国・地域の観光客を「ターゲット」に据えた。「人材」面では、東北大学災害科学国際研究所や、現地宿泊施設(南三陸ホテル観洋)との連携強化に注力。地域に根付いた旅行商品に仕上げた。
売り出す予定の「防災ツーリズム」関連商品では、長期滞在を実現するために、6県の各エリアを周遊するプログラムを用意している。その理由について大西会長は、「旅行消費の単価をアップするためには、長期滞在する旅行者を増やす必要がある」と強調。米国と比べ、日本は1日当たりの旅行消費額が多いにもかかわらず、1人当たりの消費額では米国に差をつけられていることに触れ、滞在日数の増加によって課題を解決するべきとの見解を示した。
なお、「インバウンドマーケットEXPO2018」(事務局= 日本能率協会 産業振興センター内)は2月23日(金)まで開催している。詳細は下記公式ホームページから確認できる。