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4割が1年以内に再訪 訪客のリピーター化顕著に 【観光庁長官会見】

2018年4月28日
編集部:平綿 裕一

2018年4月28日(土) 配信 

会見時の田村長官

 

観光庁は4月18日に会見を開き、1―3月期の訪日外国人消費動向や日本版DMOなどについて報告した。今年から消費動向に来訪時期について項目を1つ追加。これによると「前回いつ日本に来たか」に対し、全体の約4割(38・7%)が1年以内と答えた。今年に入り3月までで約762万人が訪れているなか、訪日客のリピーター化が顕著になっていることが分かった。
 
 過去1年以内の来訪回数が2回以上(今回を合わせて3回以上)では、21・4%とのデータも集まった。「まだ分析が足りていない部分もあるが、非常にヘビーリピーターが増えている。引き続き消費の拡大に取り組む」。田村明比古観光庁長官は同日の会見で、消費が多い傾向にあるリピーターに期待を示した。

 とくに台湾と香港はリピート率が高い。台湾は54・2%、香港は64・9%が1年以内に来訪している。17年消費動向の調査によると、台湾の1人当たりの旅行支出は10回以上の場合、初回と比べ約2万7千円高い。香港の場合でみると5万5千円も上昇する。

 20年の政府目標である消費額8兆円に向け、リピーター増加は大きく貢献することがうかがえる。

 リピーターは地方部への訪問率も高いが、地域がインバウド受け入れを成功させるには難しさがある。これらを踏まえ、同庁はDMOに力を入れていく。現在、日本版DMOの候補法人は128件で、日本版DMOは70件の登録がある。

 田村長官は「30年度の観光庁予算は、DMOを中心にこれまでの補助制度などを再編している。DMOを軸にした取り組みが地域で行われるようにしてほしい」と強調。

 DMOの優良事例の深掘りや横展開を進めていく。国としては財政、人材、情報などの支援を通じて取り組みの水準を引き上げていく方向だ。

 一方で、今年度中には、世界水準DMOといった、日本版DMOの1つ上のランクを設ける見通し。何らかの要件を公表し、評価する枠組みを作っていく。

 田村長官は「すでに候補法人から日本版DMOになるためには5つの要件があるが、これを『外国人旅行者の誘客拡大の観点で、高い水準で満たす』ことが必要になってくると思う」と説明した。

 なお、同日には国際MICE全体による経済波及効果について報告があった。16年の国際MICE全体による経済波及効果は約1兆590億円となった。雇用創出効果は日本全体で約9万6千人分、税収効果は約820億円と推計。主催者などの負担分も含めた外国人参加者1人当たりの総消費額は、平均33万7千円だった。

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