Ctripが三井住友カードと提携、銀聯ブランドのクレカ発行へ
2018年5月15日(火) 配信
中国のOTA(オンライン旅行会社)大手のCtripと三井住友カードはこのほど、銀聯(ユニオンペイ)ブランドのクレジットカード「Trip.comグローバルカード」を発行すると発表した。国内ユーザー向けにサービスを提供し、海外旅行や出張時の利用を見込む。Ctripでは、国内の予約サービスを充実させており、昨年にはメタサーチ大手のスカイスキャナーを傘下に収めた。今回の提携カード発行を皮切りに、決済サービスの充実にも注力する。5月15日(火)に、Ctripと三井住友カード、銀聯国際の3者が、東京都内で記者発表会を開いた。
Ctripは近年、エアチケット販売がとくに好調。2017年には、前年比250%以上の成長を遂げた。中国国内のアウトバウンド市場に牽引され、グローバル会員数は3億人、時価総額は235億㌦(2・5兆円、米国・NASDAQ)に及ぶ。14年には日本法人(シートリップジャパン)を立ち上げ、中国人観光客の受け入れだけでなく、国内ユーザー向け旅行商品の販売も行っている。17年には、日本を含むグローバル市場を対象としたTrip.comブランドを立ち上げた。
主軸である旅行業の成長が国内外で好調なことから、会員をターゲットとした今提携カードの発行を決めた。提携カードを使ってTrip.comで予約を行えば、最大10%オフの割引を受けることができ、会員限定の優待制度も充実させるという。提携する三井住友カードのワールドプレゼントポイントを貯めることもでき、同サイトで利用可能な割引コードと引き換えられる。Ctripの孫潔CEOは会見で「旅行商品だけでなく、決済サービスでも日本市場に貢献したい」と強調。日本市場の取り込みに対する意欲を示した。
銀聯(ユニオンペイ)の国内加盟店数は70万店に及び、国内外のさまざまなシーンで利用でき、徐々にシェアを拡大している。
会見で登壇した三井住友カードの久保健社長は、「同カードのターゲットは、観光やビジネスで海外を訪れるアウトバウンドユーザー。Ctripと銀聯との提携により、気軽に訪れることのできるアジア圏に強いカードとなった。Ctrip社は中国人観光客の誘致にも実績を持っているため、ゆくゆくはインバウンドの取り込みでも連携したい」と語った。
Ctripを使って、エアチケットや宿泊商品を予約手配する中国人観光客数は年間200万人。中国からのインバウンド数はまだまだ増加傾向にあることから、引き続き、買物やアクティビティといった国内消費に伴って発生する手数料増を期待できる。