海外旅行者世代交代へ~「JTB REPORT 2018 日本人海外旅行のすべて」
2018年7月26日(木) 配信
JTB(髙橋広行社長)は2017年の日本人海外旅行マーケットの実態をまとめた「JTB REPORT 2018 日本人海外旅行のすべて」を発行した。これによると、17年の海外旅行者数は1789万人。円安や、韓国ブームで過去最高を記録した12年の1849万人に次ぐ歴代2位となった。JTBは「訪日旅行の伸びでLCC(格安航空会社)を含む航空路線、座席数の増加が続いていることも、需要の追い風になったと思われる」と分析する。
□〝若者の海外旅行離れ″は過去のものに
「16年以降、需要回復局面をリードしたのは20代女性だった」。ビジネス目的の旅行者が多い40~50代男性を除けば、20代女性の旅行者が最も多い。17年も前年比9・1%増と、男女全世代のなかでトップクラスの伸び率となっている。
また、一時期、海外で頻発したテロによって海外旅行志向の弱まりがみられたが、同レポートでは「現時点の旅行市場は海外旅行に対するポジティブな姿勢を取り戻しつつあり、とくに若年層でこの傾向が顕著」という。インターネットを通じた旅行の手配や、現地情報の収集が容易になったことで、海外旅行の敷居が低くなっているのではないかとみている。
□海外旅行者の世代交代も
海外旅行は国内旅行に比べシニア層の比率が低く、50代を過ぎると徐々に旅行者数が減少していく傾向にある。「団塊世代(1944~1953年生まれ)においては、リタイヤ前後を機とする一時的な旅行者数増加の時期も終わりに近づいており、2012年に比べ旅行者数は約3割減少」と推定する。団塊世代の旅行者が減少期に差し掛かる一方、1984年生まれ以降のミレニアル世代の中でも、とりわけ10代後半から20代前半の若年層の伸びが大きいことから、「海外旅行のマーケットは世代交代が進みつつあるといえるだろう」と捉えている。
なお、「JTB REPORT 2018 日本人海外旅行のすべて」は7月27日(金)から、JTB総合研究所のホームページ(https://www.tourism.jp/)で販売する。