市場の拡大と総旅行回数の増加に挑戦 じゃらん、新コンセプト掲げる
2018年11月28日(水) 配信
リクルートライフスタイル(浅野健社長)が運営する旅行サービス「じゃらん」は今年度から、新コンセプト「360°旅行トラベルパートナー」を掲げ、市場の拡大と、総旅行回数の増加に挑戦する。
11月5日(月)には東京都内で「じゃらんフォーラム2018」を開き、宿泊施設関係者ら約700人に今後の方針を説明した。
今年11月から消費者向けに、「ポイント増加キャンペーン」を展開。対象会員を抽出し、通常より最大3%多くポイントを付与する。同社執行役員の宮本賢一郎氏は「消費者にじゃらんの会員になると、『お得に旅行ができる』との認識を拡大させる」と語った。
来年からは、「カスタマプログラム」も導入を計画している。会員のランクに応じた特典の付与を始める。同時に、旅行頻度が少ない会員に対し、予約増加につながる特典も提供する予定だ。
宿泊施設向けには、19年4月からノーショウ(無連絡キャンセル)発生時に、損害の一部を2年間無償で補てんし、ノーショウや直前キャンセルにつながる多重予約を減少させる。併せて、19年3月から、多重予約者に、予約キャンセルを促すメールを配信する。
旅行業界の将来へ 若者の顧客化に注力
同社は①需要にこたえる②需要を創る③地域を共に創る――の3本柱で、総旅行回数の増加に取り組んでいる。
17年度の「じゃらんnet」国内宿泊予約流通取扱高は8731億円で、前年度比で173億円増加した。訪日旅行向けの「グローバルエージェントサービス」も契約社数が600社以上となるなど、順調な成長を続けている。
需要創出では、19~22歳世代を対象に温泉やスキーなどの体験を無料で提供する「マジ☆部」の展開を重要視する。
「マジ☆部」は、若者の「じゃらんnet」シェアの拡大に貢献している。19歳人口における会員シェアは、開始前に比べ、7・3倍に増加。宮本氏は「継続率も高く、若者に重要視されるコンテンツに成長したと手ごたえを感じている。若者が長く国内の旅行業界を支える顧客になることが、業界の将来につながる」と語り、引き続き注力していく姿勢を示した。