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事業者からヒヤリング 人気列車 マナー問題に 地方鉄道有識者会議

2019年1月28日
編集部:平綿 裕一

2019年1月28日(月) 配信 

会のようす

観光庁は1月25日(金)、訪日外国人による地方鉄道利用促進に向けた第2回の有識者会議を開いた。JR九州などの事業者にヒヤリングを行った。同社の人気観光列車は、日本人を大きく超える外国人旅行者が乗車する。ただ車内のマナー問題も明らかとなった。次回は地方自治体からもヒヤリングをし、年度内に「インバウンド誘客促進ガイドライン(仮称)」を策定する見通し。

 博多から由布院・別府間を走る特急「ゆふいんの森」は、今年の3月に30周年を迎える。同社の最も古い観光列車であり、一番人気だ。外国人旅行者の割合は、多いときは7~8割を占める。さらに30年経つ今も乗車効率は8割を切ることがないという。海外旅行博や台湾の旅行会社とセミナーを開くなど、積極的にPRしている。

 ただ課題もある。お客に対するWebアンケートで、荷物の置き方や車内で大声で話すなど、外国人旅行者に対する意見もあった。

 荷物置き方に関しては置き場を広げ、手ぶら観光などの取り組みを進めている。車内マナーについては、従業員からの声掛けなど、地道に注意喚起をするしかないと頭を抱える。

 高速バスなどを運行するウィラーは、北海道・JR釧網本線での取り組みを紹介した。現状、観光地の鉄道や路線・観光バスなどは、それぞれ価格や支払い方法が異なるところが多い。同社では、それぞれを1つの価格と予約、支払い方法に設定した。鉄道から観光地への2次交通も整えてシームレスにつないだ。

 具体的にはJR釧網線フリーパスや知床斜里駅発着路線・定期観光バス、摩周駅発着のレストランバスをまとめた。スマートフォンで手に入る電子クーポンとし、食事やイベントで割引を受けることができるようにした。

 北海道胆振東部地震の影響で減少したものの、外国人旅行者からは全体の3分の1の予約があった。

 一方で委員からは「日本にある鉄道を1カ所で把握できない」と、一元的に発信する仕組みが必要だと指摘があった。

 国鉄の分割民営化から30年以上が経つ。JR各社は独自で情報発信の方法を確立してきたが、外国人旅行者には分かりづらい面がある。今後は解決に向け、それぞれの垣根を取り払えるように、各社の歩み寄りが必要になりそうだ。

 なお、次回は2月21日の開催を予定する。地方自治体や各地域のDMOなどから話を聞く。このため田口芳郎参事官は「次回は委員の皆様の予定も鑑みて、地方開催を考えている」と述べた。

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