茨城県で全旅連全国大会開く 外国人労働者雇用や風俗営業免許証の返納など課題共有
2019年6月13日(木) 配信
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(多田計介会長、1万5398会員)は6月5日(水)、茨城県水戸市の水戸プラザホテルで第97回「全国大会」を開き、約1千人の会員が一堂に会した。外国人労働者雇用や、風俗営業許可証の返納など、宿泊業界が抱える課題を共有し、大会宣言・決議として方向性をまとめた。
多田会長は「人手不足により、広く国際的に人材を求めなければならない環境のなか、ベトナム国からハノイ大学の学長にもお越しいただいた」と紹介。台湾からは8年連続で徐銀樹・中華民国旅館商業同業組合全国連合会栄誉理事長が出席したことも触れ、「今年は国際色豊かな大会となった。このようなつながりが我われの大きな力になる」と強調した。
第22回「人に優しい宿づくり賞」は、厚生労働大臣賞に千葉県旅館ホテル生活衛生同業組合の「宿のバリア情報の積極的な公開が、『集客拡大』に繋がっていく。」が受賞した。
次期の全国大会は、2020年6月11日に、山口県下関市生涯学習プラザで開催することが決まった。
□青年部50周年記念式典 歴代部長がずらり
全国大会終了後には、青年部50周年記念式典が行われた。鈴木治彦第24代青年部長をはじめ、永山久徳・青年部OB会会長(第18代)ら歴代部長が登壇。1969年11月27日に発足して以来、50年間の活動のあゆみを写真や映像で振り返った。次の50年に向け、「常に『温故知新』の気概を忘れずに研鑚を積み、次世代経営者の活躍の場として宿泊業界の発展に資する組織であり続ける」とする大会宣言を行った。
□前日に19年度総会 多田会長が再任
全国大会前日の4日、大洗ホテル(茨城県・大洗町)で19年度通常総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、多田会長の再任を決めた。
18年度事業では、外国人労働者の受け入れに向けて「宿泊業技能試験センター」を宿泊業4団体で設立し、初代理事長に全旅連の多田会長が就任し、今年4月14日には第1回「宿泊業技能測定試験」が全国7カ所で実施され、280人が合格したことなどを報告した。
今年度は、簡易宿所営業施設の組合加入促進や、小規模施設の活性化対策を強化する。税制改正要望では、国際観光旅客税(出国税)使途の一部を、違法民泊施設追放に掛かる費用に助成するように求めていく。
また、多田会長は、大分県の別府市旅館ホテル組合連合会(西田陽一会長)では風俗営業許可証が不要な施設は返納する動きを紹介し、「風俗営業事業者は雇用調整助成金などの助成・補助制度の対象外となっている。旅館業界の文化的な価値や地位向上のためにも行動を起こしていきたい」と語った。
さらに今年7月4日に公示、21日に投開票される参議院選挙で、自民党全国比例区で出馬する小川しんじ氏(日本衛生検査所協会)を、全旅連の組織内候補者として支援していくことを決議した。
総会後には、全旅連が昨年10月に外国人労働者受け入れについて連携協定を結んだベトナム国から、ハノイ大学のグエン・ヴァン・チャオ学長ら関係者も出席。ベトナム人を特定技能として受け入れた際、旅館側が配慮すべき点など、各都道府県理事長らと意見交換を行った。