シートリップ、JR九州と連携 訪日市場拡大で地域活性化目指す
2019年10月16日(水) 配信
旅行サイト「Trip.com」を展開する中国の大手OTA(オンライン旅行会社)のシートリップはこのほど、九州旅客鉄道(JR九州、青柳俊彦社長、福岡県福岡市)と九州への誘客に向けた基本合意書を結んだ。中国からのインバウンド市場を拡大し、地域活性化を目指す。JRとの締結は、JR東日本に続いて2件目。
両者は、ホームページなどでの相互プロモーション活動を行うほか、シートリップによるレールパスなどの旅行商品の取り扱いや宿泊、観光地、商業施設などでの宣伝活動を展開する。
シートリップは九州各地の自治体とともにプロモーションも行い、JR九州はモデルルートの提案や列車の提供などを通じて協力していく。さらにインバウンドに関する観光関連データの分析のほか、九州観光推進機構にも協力を得て、インバウンドの観点から九州への需要創造と地域活性化に努める。
シートリップは2019年4月にJR九州とレールパスの直接販売契約を結び、旅行者の利便性をはかってきた。さらなる誘客をはかるため、オンラインを通じた九州の魅力の発信を行い、中国から九州への誘客に取り組むことがインバウンドの活性化になると考えたことから、今回の締結に至った。
10月10日(水)に上海で行われた締結式でシートリップの孫波(ソン・ハ)CMO(最高マーケティング責任者)は、「九州は中国人旅行者に人気の場所。今回の協定を通じて、九州7県の魅力を積極的に発信することに加え、九州をより便利に快適に旅行を楽しんでもらうことが可能になる。距離的にも近く、中国人の身近な旅行先として根付かせ、地域の活性化にも貢献していきたい」と述べた。
JR九州の宮古洋二取締役専務執行役員は「年間3億人以上のユーザーを有するシートリップとの連携を最大限に生かし、九州の魅力をより多くの中国の人たちに知ってもらい、双方の交流に寄与することで、地域活性化に繋げていきたい」と期待を込めた。
現在、シートリップは日本におけるインバウンド拡大に貢献するのを目的に、地方自治体や企業と積極的な戦略的協定を拡大している。これまでに、大阪や北海道、横浜、大分などの地方自治体や観光局のほか、東京海上日動や第一交通など数社とも協定を交わしている。
□Ctrip(シートリップ)について
Ctripは、中国での宿泊予約や交通機関の発券、パッケージツアー、企業旅行手配の大手旅行サービスプロバイダーで、中国国内の宿泊施設と交通チケットのオンライン取引量は業界最大規模を誇る。
包括的な旅行関連情報を集約し、モバイルアプリ、インターネットWebサイト、無料通話サービスや24時間対応のカスタマーサービスからなる高度なプラットフォームを通じてサービスを提供することで、出張旅行やレジャー旅行に役立つ情報を提供しているほか、お客のバケーションパッケージやガイド付きツアーの予約のフォローも行う。
さらに、企業の出張管理サービスを通じて、企業のクライアントが出張の要件を効果的に管理できるように支援している。1999年の創業以来、大幅な成長を遂げ、中国で最も有名な旅行ブランドの1つとなっている。
□Trip.com(トリップドットコム)について
Trip.comは、3万人以上の従業員と3億人以上の登録会員を有する。2003年以来のNASDAQ上場企業(NASDAQ:CTRP)であるCtripグループの一部で、宿泊予約、交通チケット、パッケージツアーなどを提供する中国本社のOTA(オンライントラベルエージェント)『Ctrip.com International, Ltd.』が運営する中国国外向けOTAサービス。
世界中の23の市場をカバーする19カ国語対応のウェブサイトとアプリを通じて、旅行商品のワンストップ予約サービスを提供し、提携ホテルは世界200カ国120万軒、フライトは200万ルート、5千都市を網羅している。
いつでも快適な旅行を体験していただくため、24時間365日のカスタマーサービスにも対応している。