地方鉄道の魅力発信 訪日外国人旅行者向けのガイドマップ作成
2019年10月30日(水) 配信
日本民営鉄道協会(東京都千代田)は11月1日から、全国の主要ターミナル駅などで「訪日外国人用ガイドマップ」を無料配布する。地方の民営鉄道会社や周辺観光の魅力を発信し、利用を促す狙い。今回は第一弾として、協会に加盟する地方鉄道57社のうち、東日本の29社分を紹介する。来年度は西日本28社分をまとめたガイドブックを作成する見通し。
マップには、鉄道の利用案内や沿線の観光情報、地方鉄道の車両写真と路線図などを載せている。各観光情報の欄にはピクトグラム(絵文字)も載せており、温泉の有無や、海・桜などの景色が楽しめるかなどが一目で分かる。「ピクトグラムはガイドマップのため新たに作成した」(同協会広報部)という。
日本らしさを表すため、表紙のデザインは浮世絵とした。英語と中国語(簡体字)、韓国語の3カ国語に対応している。今回の東日本版は、計1万5千部を作った。
このほか、折りたためば手のひらサイズにまとまり、持ち運びしやすいよう工夫を凝らした。
地方鉄道とは、JRや小田急や阪神など、いわゆる大手民鉄16社以外の事業者を指す。大都市圏以外の地方部や山間部を走り、地域住民の生活の足となっている。ただ、地方部の人口減少やモータリゼーション(自動車化)のあおりを受け、輸送人員は減少傾向にある。
一方で、近年は訪日客が急増。2018年には初めて年間で3千万人を超えた。さらに旅慣れた訪日客は、より深い日本を楽しもうと地方部へと足を延ばしている。ガイドマップを通じて、訪日客へ地方鉄道の周知や利用促進をはかり、地方鉄道の活性化も目指していく方向だ。