JATA、定例会見で千葉県勝浦市のようす語る 19年度「総合旅行業務取扱管理者試験」 宮城・東京会場の再試験は中止
2020年2月28日(金) 配信
日本旅行業協会(JATA)は2月27日(木)、東京都内の本部で定例会見を開いた。越智良典理事・事務局長は、新型コロナウイルス肺炎による影響が拡大していることについて、千葉県勝浦市のようすや雇用調整助成金のさらなる支給要件の緩和について言及した。
また、 昨年の台風の影響で延期となっていた2019年度「総合旅行業務取扱管理者試験」の宮城・東京会場の再試験中止を2月28日(金)に決めた。
越智氏は今月23、24日に千葉県勝浦市を訪れ、中国・武漢市から政府チャーター機で帰国した邦人が一時滞在した「勝浦ホテル三日月」を視察したことを明らかにした。
その時の印象について、「感染症専門のチームが消毒作業したあと、民間の清掃専門業者が入り、さらにそのあとで従業員が清掃していた」と報告。「(従業員は)宴会場のシャンデリア1本に至るまで清掃していた。『ここまでやるか』という徹底ぶりだった」と語った。
24日朝には、日本三大朝市のひとつに数えられている勝浦朝市にも足を運び、「連休中なのもあり、にぎわっていた」と振り返った。
一方で「千葉県勝浦市もホテル三日月も風評被害があると聞く。多くの人が勝浦市を訪れ、泊まってもらうよう応援していく」との考えを示した。
旅行業界全体の状況については「旅行会社だけでなく、宿泊機関やバス会社にも影響が出ている。キャッシュフローが滞っている状態で、融資額を拡大してもらっているが、さらに増やしてもらう必要がある」と述べた。
厚生労働省が実施している雇用調整助成金の支給要件の緩和についても言及。「今は中国人旅行者の影響を受けている事業所が対象だが、全観光産業に当てはめてもらわないといけない状況にある」と危機感を示した。これらを踏まえ、「助成金の支給緩和の対象をさらに広げるよう、関係各所に訴えている」と語った。
また、3月15日(日)に実施予定だった19年度「総合旅行業務取扱管理者試験」の宮城・東京会場の再試験は、国のイベント自粛要請などから中止が決定した。再度の延長は行わない。再試験の受験者には受験手数料を返金する。