「津田令子のにっぽん風土記(60)魂に響く島・宮古島で癒される~ 宮古島編 ~
2020年4月12日(日) 配信
宮古空港に着くとまず漲水御嶽(はりみずうたき)を訪ね、「どうぞ今回の旅を、お見守りいただけますよう、よろしくお願いいたします。この旅へのお守り心より感謝いたします」と手を合わせるという剱持優子さん。島を後にするときにも再び訪れ感謝をお伝えすることを習慣としている。
御嶽(うたき)は神様が下りてくる場所といわれる。昔からの沖縄の習わしでは神様と対話できるのはユタやノロに代表する女性であったため、女性しか入ることのできない神聖な地なのだ。宮古島にはたくさんの御嶽があるが、地元の方々が大切にしている礼拝所なので勝手に入ることができない。ここ漲水御嶽だけは観光客でも入ることができるといい、年に2回の宮古島への旅には欠かせない魂に響く場所だという。
「ようこそ、日本一美しい海・至高のリゾート《宮古島》へ」というキャッチコーピーの通り「どこよりも海の色が綺麗です。とにかく透明で、エメラルドグリーンなんです」。
島を繰り返し訪ねる目的は、その美しい海に潜ること。「ホテルでシュノーケルグッズを借りてそのまま水に顔をつけただけで竜宮城に舞い込んだみたいな気分になれますよ」と話す。スキューバダイビングのようにタンクを背負うことがなく、シュノーケル・マスク・フィン(これを3点セット)を装着して、ウエットスーツやライフジャケットを着用し、浮力を確保して水面にプカプカ浮かびながら水中世界を見て楽しめる。一方、最近優子さんがはまっているのがスキンダイビング。こちらも3点セットを装着して楽しむものだが、あくまでもダイビングなので「海の中に潜る」ことを目的としている。
ライセンスや資格は要らず誰でもトライできるのも魅力。「スキンダイビングは器材に頼ることなく身体一つで自由自在に泳ぎ回れるので魚になったみたいに感じられます」。
宮古群島は大小8つの島からなる。伊良部島が一番好きだという剱持さん。伊良部大橋が2015年1月に念願の開通したことで宮古島から車で簡単にアクセスすることができる。全長3540㍍で日本最長の無料で渡ることができる橋なのだ。そこに暮らす人々も観光客にも欠かせない夢のような大橋だ。羽田空港からわずか4時間足らずで、エメラルドグリーンの海を独り占めできるという。
「仲間とスキンダイビングに行くために働いているみたいなものです」と満面の笑みを浮かべた。
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。