【韓国】国独自の「安全旅行ガイド」作成 JATAのアウトバウンド促進協議会、「B2Bウェブセミナー」から
2020年6月3日(水) 配信
日本旅行業協会(JATA)のアウトバウンド促進協議会(JOTC)が開催した「B2Bオンラインセミナー」で、 5月27日(水)に韓国観光公社が、6月3日(水)に済州観光公社が現状と今後の観光客受け入れなどについて発表した。
□韓国(韓国観光公社・伊藤さやか氏)
韓国の新型コロナウイルス感染者数の累計は1万1206人(5月25日午前0時現在)で、うち1万226人がすでに治療を終え、隔離解除となっている。伊藤氏は「MARS(中東呼吸器症候群)の経験を活かし、早い段階からの封じ込め政策が功を奏した。ロックダウンは行わず、国民の協力のもと、徹底した防疫を実践してきた」と振り返った。
国内旅行は、韓国文化体育観光部と韓国観光公社が作成した新型コロナウイルス感染対応「安全旅行ガイド」の指針を基に、4月20日(月)から再開している。同ガイドは、安全な旅行に向けて、交通や観光地、飲食店、宿泊施設などシーン別で説明。事業者、旅行者それぞれが注意すべき点なども記されている。
また、飛行機や鉄道、バスなどの公共交通機関の利用時にマスク着用が義務化された5月26日(火)、韓国文化体育観光部は国内旅行活性化のための「旅行週間特別キャンペーン」を発表。例年よりキャンペーン期間を拡大し、6月20日(土)~7月19日(日)までの1カ月間、鉄道・高速バス・宿泊など、官民が連携して実施する。交通や宿泊施設など旅行の各種割引のほか、密とならない新たな観光地の発掘、観光地の防疫強化などを行い、国内旅行の完全復活を目指す。
□済州島(済州観光公社・渡守武祐子氏)
済州島の新型コロナウイルス感染者の累計は15人で、すべて海外または韓国本土からの感染者で、島内の感染確認者は0人となっている。13人はすでに隔離が解除され、2人は治療を継続している。
島内の新型コロナウイルス感染症に関する情報は、特設サイトで最新情報を発信。日本語選択も可能だが、韓国語版では指定医療機関の一覧のほか、マスクが購入可能な店舗一覧などが確認できる。
島内では5月20日(水)から「済州型生活防疫」を実施し、新型コロナウイルス対策を行っている。具体的には、空港や港に発熱監視システムを導入し、発熱者には空港のウォークスルー選別診療所でPCR検査を実施する。また、観光地では現在、消毒液の設置やマスクの着用などを確認する防疫状況を確認する現場点検を実施。
今後は防疫管理者を指定し、別途防疫マニュアルの作成を予定している。公立博物館や美術館、図書館などの公共施設は、6月4日(木)から部分的に開放し、6月22日(月)以降は順次開放する見込み。
日本を含む外国人観光客は現在、査証なしでの入国はできない。これに伴い、日本との直行便は6月末まで運休が確定し、7月以降は未定となっている。国内観光客は5月から徐々に戻りつつあり、観光施設も通常営業している。本土から1日約3万人(前年比25%減)が入道し、日本のゴールデンウイークと同時期の大型連休中、済州島には約20万人の観光客が来島。だが、新たな感染者は確認されていないことから、コロナ対策に一定の効果があるとみられる。
済州島商品造成の際は、済州韓国公社によるサポートもある。チャーター便は1便につき700万ウォン以内の支援金(ケースにより異なる)のほか、新規商品開発に関して最新コンテンツの視察ツアーなどのサポートがある。