穴吹興産「ホテル祖谷温泉」を子会社化 グループ拡大戦略に合致
2020年6月5日(金) 配信
「アルファ」ブランドのマンション分譲で知られる、総合不動産会社「穴吹興産」(穴吹忠嗣社長、香川県高松市)は6月1日(月)、徳島県三好市の大歩危(おおぼけ)・祖谷(いや)温泉郷の旅館「和の宿ホテル祖谷温泉」を経営する祖谷渓温泉観光(植田佳宏社長)および同ホテルでケーブルカーを運営する祖谷温泉(同)の2社を子会社化すると発表した。
7月1日付で、祖谷渓温泉観光の発行済株式数の約98%、祖谷温泉の同100%を取得する。両社の社長は植田氏が引き続き担い、他役員と社員は全員残留する。
約1年前から協議を重ねており、新型コロナウイルスの影響とは関係がない。
ホテル祖谷温泉は祖谷渓谷の絶景に囲まれた環境で、ケーブルカーで降りて行く谷底の源泉かけ流し露天風呂が名物だ。近年は外国人宿泊客が増加していた。
また、植田氏は地域の宿泊施設5軒などで組織する「大歩危・祖谷いってみる会」の会長を設立当初から20年にわたり続けており、地域一体となった観光素材の磨き上げなど、世界に通用する大歩危祖谷ブランドの構築に努めてきた。
穴吹興産は現在、グループの子会社が、香川、岡山両県でホテル5施設、旅館1施設を運営。グループの旅行事業会社である穴吹トラベルは、四国八十八カ所霊場めぐりのバスツアーなどを企画販売する一方、近年はインバウンド事業を強化し、東アジアを中心にした現地営業活動、行政機関と連携したPR事業に注力してきた。
今回の株式取得について、穴吹興産はグループの今後の旅行事業拡大戦略に合致すると説明。祖谷渓温泉観光も後継者問題や株主の高齢化など課題を抱えており、将来を見据え経営の安定化が必要と判断した。