東武とJTB、「日光MaaS」21年度導入検討に着手 国内初の観光配慮型・観光MaaS
2020年10月26日(月) 配信
東武グループ(根津嘉澄社長、東京都墨田区)とJTBグループ(山北栄二郎社長、東京都品川区)はこのほど、栃木県日光地域で、国内初となる環境配慮型・観光Maas(仮称:日光MaaS)の2021年度導入に向けた具体的な検討に着手する。栃木県と連携した「環境にやさしい観光地づくり」を推進するとともに、日光地域の長期的発展に貢献する。
日光MaaS(仮称)は、同県が導入する奥日光エリアのEV(電気自動車)バスとも連携する官民連携事業。脱炭素社会の実現に向け、マイカーから公共交通への転移、地域内におけるエコモビリティの利用を促進するとともに、周遊観光の振興につなげていく。
具体的には、国内初の取り組みとなる、鉄道とEVカーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」の検索、予約、決済のワンストップ化を目指す。さらに移動だけでなく、ネイチャーアクティビティなど観光コンテンツや宿泊との連携も強化していく。
これまでに東武グループでは、日光地域において鉄道網を生かした首都圏からの誘客など、地域と連携した取り組みを進めている。また、JTBグループは全国で「EVモビリティ観光活性化事業」を展開しているほか、観光宿泊、レジャー施設にEV・PHV(プラグインハイブリッド自動車)用普通充電器の設置を進め、環境負荷低減に努めている。
今回、同県の「環境にやさしい観光地づくり」に対し、両社が賛同し、環境配慮型・観光MaaSの導入に向けた具体的な検討に着手した。
自然豊かな日光国立公園などを有する日光地域は、年間1100万人の観光客が訪れている。だが、約7割がマイカーを利用(同県調べ)していることなどから、同県では日光地域をモデル地域とした環境負荷の低減をはかっている。これまでに、2次交通の利便性向上やEV導入を促進しているほか、今年度は奥日光エリアで運行する低公害バスのEV化を予定している。