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みなかみ町体験旅行 地域の魅力を再発見 地元の旅館で修学旅行

2021年2月6日
営業部:古沢 克昌

2021年2月6日(土) 配信

旅館で「おもてなしの心」を学ぶ

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、全国の学校で修学旅行の中止や延期が相次ぐなか、群馬県・みなかみ町で行き先を近隣に変更し、子供たちが地域の歴史や風土、自然に親しむ経験を通じて、その土地の魅力を再発見する取り組みが行われた。小学校2校が宿泊先を町内の温泉旅館に変更して、地元での修学旅行を企画。町立新治小学校は猿ヶ京温泉、町立水上小学校は谷川温泉にいずれも1泊2日で実施した。同町は県内有数の温泉地を抱えるが、新型コロナの影響で大打撃を受けている。子供たちが地元に宿泊することで観光業を応援し、地域の魅力を再発見する機会にしたい考えだ。

【古沢 克昌】

 水上小学校(桑原武史校長)は昨年6月に予定していた東京・神奈川への修学旅行が中止になり、その代案として同10月に町内で実施するプランに変更した。地元で地域密着型旅行をプロデュースする一般社団法人「みなかみ町体験旅行」が学校と協議を重ねて行程を計画し、保護者からの同意を得るかたちで町内での修学旅行企画が決定した。

 10月21、22日の1泊2日で実施した修学旅行には6年生(全11人)の生徒が参加し、町内でキャニオニングやレイクカヌー、一ノ倉沢ハイキングなどを体験。宿泊は谷川温泉の高級旅館「別邸仙寿庵」(久保英弘社長)の全面的な協力を受け、館内で浴衣の着付けや入浴時のマナーを学び、地元の食材を使った大人と同じ会席料理を食べ、旅館での「おもてなしの心」について理解を深めた。

キャニオニング体験
一ノ倉沢ハイキング

 みなかみ町体験旅行の福田一樹専務理事は「新型コロナの影響で、例年通りの修学旅行を実施することが難しくなり、修学旅行の本当の意味を再考し、校外学習での学びを見直す機会になった。地元の旅館に泊まる機会は少なく、とても良い取り組みだった。地域の良さを語れる子供を作ることは、地方における未来への投資であると思う。負担が増え続ける教育現場に、地域が手を差し伸べ、地域包括型の教育への第一歩となる活動としたい」と提唱した。

 今回、子供たちが考えた修学旅行のテーマは「本当の助け合いと挑戦」。福田専務理事は「挑戦できる理由を感じ、学ぶ。本当の助け合いは1人が欠けると意味がない。絶対に誰1人欠けない。挑戦を支えてくれた人々への感謝、というものだった。高校1年生レベルに提供する高度な体験プログラムだが、水上小向けにオーダーメイドで調整した」と振り返った。

 「旅行のデスティネーションは近場であってもどんな地域でも成り立つ。我われはマイクロツーリズムよりもさらに小さな“ナノツーリズム”と銘打ってチャレンジを続けていきたい」(福田氏)と抱負を語る。

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