ロケ地巡りの醍醐味 見つけた時の感動はひとしお
2021年2月17日(水) 配信
地域に人を呼び込む手段として、また地域が交流人口を増やし、地域経済を循環させるための手段としてロケツーリズムが注目されている。
コロナ禍で家で過ごす時間が増え、メディアでの露出が大きな宣伝効果を生み出している地域もある。
今回は、ロケ地巡りの楽しみ方や、魅力などを「ロケーションジャパン」編集長・山田実希氏が語る。
□「ロケーションジャパン」編集長・山田実希氏が語る
映画「ローマの休日」を観て、イタリアのローマで真実の口に手を入れてみる。こんな名シーンを真似ることで、物語の追体験や、特別な思い出の写真が残せることがロケ地巡りの醍醐味。ときには、ガイドブックに載っていないような穴場スポットが見つかることもあります。
観ていない人にとっては「何もない場所」でも、観た人にとっては特別な場所になるので、そこで“なりきり写真”を撮ると楽しいです。
また、役者や制作者が通ったというお店で料理を味わうのも、楽しみ方の一つ。こういったお店の多くは地元の人に愛されるおいしいお店。お店の店主に、撮影時の話を聞いてみると、語り部のように当時のことを語ってくれるので、作品のファンにとって非常に貴重な時間になります。
ファンは「物語の追体験」をするためにロケ地に足を運びます。そこには、好きな役者が居た特別な場所を押さえておきたいというファン心理も働きます。アニメの場合だと、リアルに存在するものを確かめたいという探求心も。いずれにしても、ロケ地が見つかった時の感動はひとしおなので、SNS(交流サイト)などで発信している人が多いです。
私も映画、ドラマ、旅番組など、年間200タイトル以上(新旧作)のロケ地に行くことがありますが、旅行や出張の際には、必ずロケ地を調べてから行きます。驚くのは、ロケ地に選ばれた場所には、納得の風景が待っているということ。
なかでもお気に入りは、どのまちも絵になり、食べ物もおいしい北海道。映画「鉄道員」のメインロケ地、幾寅駅(北海道・南富良野町)の景色は忘れられません。グルメのなかでおすすめなのは、富山県黒部市で食べた名水カツサンド。映画「RAILWAYS」の撮影の際、スタッフやプロデューサーが絶賛された一品で、おいしさにビックリしました。
このほかにも、おもてなしや環境整備などが素晴らしいと感じるロケ地は全国にたくさんあります。神奈川県綾瀬市には、ロケ地パネルが設置されていて、誰でも何のロケが行われたのかが分かる工夫がされています。NHKの朝ドラ「あまちゃん」のロケ地、岩手県久慈市には“なりきり”用の衣装の貸し出しがあったり、〝海女絵〟のシャッターアートがあったり、世界感を楽しめる場所があちらこちらに残っています。
1月からの新ドラマや新アニメでは、アニメ「ゆるキャン△ SEASON2」のポスターに描かれている西伊豆町に注目です。
山田 実希 氏
ロケ地情報誌「ロケーションジャパン」 編集長