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3・11から10年 観光を「人」の受け皿に(観光庁・蒲生長官)

2021年2月19日
編集部:馬場遥

2021年2月19日(金) 配信

観光庁は2月17日、会見を開いた(蒲生篤実長官)

 観光庁の蒲生篤実長官は2月17日(水)に開いた会見で2月14日(日)に福島県沖で発生した地震について、「大きな被害があったなどの具体的な報告は受けていない。引き続き情報収集に努める」とした。また、3・11から10年目の所感として、「ハード面での復興は進んできたが、ソフト面を支える『人』がまだ戻ってこない。観光が彼らの受け皿になれれば」と期待を語った。今後、地元の有識者と意見交換を行う意向を示した。

 蒲生長官は、2011年の東日本大震災や、昨年からの新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、日本の中でも「とくに観光業が痛んでいる地域の一つである東北で地震が発生した」として、情報収集と対応にあたる。現在大きな被害についての報告は寄せられていないが、風評被害や各種課題について東北運輸局と連携して引き続き対応していく。

 緊急事態宣言の延長に伴い、Go Toトラベル事業の一時停止も3月7日(日)まで延長になった。国土交通省では、独自の新たな支援措置として、①感染拡大防止策の一層の強化に取り組む事業者への支援②Go Toトラベル事業の一時停止に伴う年末年始等のキャンセル料無料に関して追加で生じた事務費用への支援──の内容の精査を行っていると報告した。

 財源については、「感染拡大防止」の観点から支給する①に関しては別枠で設け、Go Toに係る事務費用としての②はGo To予算を充てる予定。

 事業再開にあたって、「全国知事会から寄せられているアイデアや意見は一つの選択肢になり得るとして、参考にさせていただいている」とした。当初は、「1月31日(日)を一つの区切りとして制度を進めてきた」と振り返り、分科会からの意見を踏まえ課題解決を目指していく意向を示した。

 ワーケーションやブレジャーに関しては、「各省庁も参加しており、内閣官房も熱心に取り組んでくれている」と期待した。

 一方で、受け手である「地域」の受入準備は順調に進んでいるものの、「送り手である『企業』が、ワーケーション・ブレジャーの捉え方に苦心している。簡易版のリーフレットを基に、詳細版パンフレットを作成しているので、しっかり広報していきたい」と課題を語った。

 蒲生長官は、ワーケーションなどの新しい働き方について、「働き方改革は、その途中にある新しい旅のスタイルへの大きな推進力となる。企業と地域のマッチングを行い、感染拡大防止に努めながら、強靭な観光業界を目指していきたい」と力を込めた。

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