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日観振が「日本の観光再生宣言」 地域経済を支える観光産業の重要性を発信

2021年3月1日
編集部:飯塚 小牧

2021年3月1日(月) 配信

日本の観光再生宣言を手にする山西会長(中央)

 日本観光振興協会(山西健一郎会長)は3月1日、東京都内で会見を開き、「日本の観光再生宣言」を発した。新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、需要の蒸発が続くなか、観光産業が日本の経済に果たす役割の重要性を産業全体で再認識するのが狙い。また、日観振は地方自治体も会員となっていることから、地域でも周知をはかり、国民にも広く理解を求めていく。

 観光宣言では、すそ野が広い観光産業がいかに日本経済へ貢献しているか数字を挙げて示し、現在の苦境を訴えた。一方、「命と経済活動の対立となってはいけない」とし、今後も国民の不安を払拭するために「これまで以上に感染防止対策に力を入れる覚悟だ」と強調した。そのうえで、緊急事態宣言が解除され、感染状況が一定程度収まったのちは、「可能な県内からでもGo Toトラベルの再開を期待する」とした。

 また、①今を乗り越えるために~観光の灯を消さない~②観光の再生とレジリエンスを高めるために~観光産業の生産性向上~③地域社会の発展に貢献するために~観光のプレゼンス向上~――の3項目を挙げ、新しい時代に即した観光のあり方やデジタル化の推進など、具体的な取り組みを盛り込んだ。

 宣言を発した山西会長は「地域経済を支える基幹産業の観光は、厳しい状況が続いている。だからこそ、観光産業が地域と一丸となり危機を乗り越えて、持続可能な地域社会を実現していくことが大変重要だ。自らの役割を改めて自覚するとともに、広く発信し、多くの人のご支持を得たい」と意義を語った。

 髙橋広行(JTB会長)副会長は「これ以上問題が長期化すると、観光を支えるインフラが失われてしまう。市場の需要が回復したときに、観光が成り立たなくなる」と危機感を露わにした。ただGo To再開については「やみくもに再開すべきではない」と述べ、有益性や感染への影響について、科学的データに基づいた分析の必要性を強調した。そのうえで、感染防止と経済のバランスを両立させる難題に立ち向かうことを表明した。

 また、日本旅館協会の浜野浩二会長(日観振副会長団体)は、宿泊施設のみならず、「取引先の数万社も厳しい状況だ」とし、需要回復に向けて、感染防止対策のさらなる徹底や、客室内完結型商品の開発、旅館・ホテルが進めるデジタル化の例などを紹介した。

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