ANTA、経営と雇用の維持を 二階会長が再任、北氏(石川県)副会長に
2021年7月7日(水) 配信
全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長、5448会員)は6月29日(火)、東京都内で2021年度定時総会を開いた。任期満了に伴う役員改選では、二階会長の再任を決めた。副会長には新たに北敏一氏(石川県)が就任し、駒井輝男氏(東京都)と近藤幸二氏(岡山県)は続投する。専務理事には国土交通省運輸安全委員会事務局の元審議官・菅井雅昭氏が就いた。二階会長は「経営と雇用の維持などが困難に陥らないように、(国会議員としても)会員のさまざまな要望を受ける」方針だ。
【木下 裕斗】
今年度は22年3月9日(水)に、「国内観光活性化フォーラムinやまなし」を山梨県甲府市で開催する。同県の観光資源を全国に発信することで、国内旅行のさらなる振興をはかり、地元自治体などとの連携も強める。併せて、20年の第15回国内観光活性化フォーラムで採択された熊本県送客キャンペーンを行う。
安全・安心な旅行を催行するため、感染防止対策の周知も徹底する。さらに、貸切バスの安心・安全の確保と重大事故支援制度付き全旅協旅行災害補償制度の利用を促す。国際観光交流については、国の観光ビジョン実現プログラムに協力し、近隣諸国とASEANから訪日需要の回復を狙う。
昨年度に引き続き、政府などにさまざまな経営支援を要望していく。
二階会長は「(旅行業が)業界の先頭に立って難局を乗り越えてほしい」とこれまで以上の邁進を鼓舞し、「観光業界がコロナ禍で疲弊した日本経済を元気にしたい」と意気込んだ。
北新副会長は就任のあいさつで、「皆様と協力して本部運営に努めたい。『ANTAに入って良かった』と思われる活動を展開する」と意気込みを述べた。
新たに着任した菅井専務理事は観光庁で審議官などを務めた自身の経歴を紹介。「皆様の指導・協力で協会の発展に尽くす」と話した。
来賓の蒲生篤実観光庁長官(当時)は、経営と雇用の維持に対する支援として、雇用調整助成金の延長や県民割の制度を創設したことを伝えた。そのうえで、「国が用意した制度を活用してほしい」と呼び掛けた。
Go Toトラベルキャンペーンの再開時期は、「感染状況が落ち着いた然るべきとき」との考えを示した。
このほか、「地旅の推進など地域に根差した会員の企画力で、新しい生活様式に沿った魅力ある着地型観光の消費拡大に努めてほしい」と語った。
事業計画の審議では一部会員が会費を通常通り、請求することに対して、免除を要望する事前質問を提出した。
有野一馬専務理事(当時)は会費を全旅協旅行災害補償制度の見舞金などに充てていることに触れ、「万が一の際、補償を支払えなくなる」と会費の徴収に理解を求め、承認された。
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新役員は次の各氏。
【会長】二階俊博【副会長】駒井輝男▽近藤幸二▽北敏一【専務理事】菅井雅昭【常任理事】大久光昭▽佐藤達雄▽長山克己▽西岡宏之▽野地敏行▽花岡正雄▽藤田雅也▽松嶋洋▽村山吉三郎▽吉村実【理事】坂入満▽菅沼稔▽積田朋子▽玄東實▽三浦雅生▽三橋滋子▽山口剛▽山口嘉幸【監事】髙橋幸司▽吉田正博▽酒井和夫