「津田令子のにっぽん風土記(75)」生まれ育った嬬恋への想い~群馬県・嬬恋村編 ~
2021年7月18日(日) 配信
「生まれ育った地・嬬恋への想いは他のどの場所よりも強いです。その想いもあって嬬恋村へUターン就職をしました」と熱く語る加部貴裕さん。今年の人事異動で観光商工課のメンバーに加わり、主に「愛妻の村」づくり事業などを担当している。エネルギッシュでパワフルな加部さんに、ふるさと・嬬恋への想いを伺った。
「村の1年は、四季の変遷を大いに満喫することができます。毎年、異なる風景を与えてくれるのです。自然だけでなく、人々の些細な会話でも地域の歴史や人々の暮らしを垣間見ることができます」。
嬬恋村の夏の魅力を「平均標高が1000㍍の場所に位置していて大変涼しく過ごすことができる」と話す。多くの別荘族でにぎわう隣町の軽井沢よりもさらに湿度が低く、古くから著名人が嬬恋村に憧れ別荘を持ち、夏を過ごしていた。そういえば学生時代、真夏に家族と数日間滞在したときには霧も少なく、さわやかな夏休みを満喫したことを思い出す。
「7~9月のキャベツ収穫時期には360度広がるキャベツ畑の中、ドライブが楽しめるパノラマラインが最高です。さらにパノラマラインに沿って鬼押出し園、愛妻の丘などに立ち寄ったり、雄大な浅間山などを眺めながらお楽しみいただけます」と加部さん。
夏の涼しさが自慢の村で気持ちよく過ごすには、「野外での活動がお薦めです。まず、広大な四阿山(あずまやさん)の麓、標高1300㍍のバラギ高原にあるバラギ湖に行きます。釣りやボートも楽しめます。キャンプ場もオープンしています。さらに石樋の滝へ向かい流れる滝を眺め、最後に湖畔の湯へいきバラギ湖を眺めながらのんびりとリフレッシュするというのはいかがでしょうか」と夏旅のヒントを語ってくれた。「自然の空気を感じ、鳥のさえずりを聞き、季節ごとの景色を見るように、この場所でしか味わえない嬬恋を五感で感じていただきたいです」。
キャベツ畑の中心で愛を叫ぶというイベントで一躍有名になった愛妻の丘が一番好きという加部さんは「ここから一望できる嬬恋村の景色は素晴らしい。愛妻の丘にはご夫婦はもちろんのこと、1人のお客様も珍しくはありません。この地がいかに皆様から愛されているのかよく分かります」と胸を張る。
「時間と勇気がある時こそ、自分の脚で旅行することが発見につながります。それが一生の思い出になります」と旅への想いを語る。嬬恋村の観光に新たな息吹を感じた。
津田 令子 氏
社団法人日本観光協会旅番組室長を経てフリーの旅行ジャーナリストに。全国約3000カ所を旅する経験から、旅の楽しさを伝えるトラベルキャスターとしてテレビ・ラジオなどに出演する。観光大使や市町村などのアドバイザー、カルチャースクールの講師も務める。NPO法人ふるさとオンリーワンのまち理事長。著書多数。