test

「1年が正念場、業界の声を1つに」 JATAの菊間新会長が就任会見

2021年8月6日
編集部:飯塚 小牧

2021年8月6日(金) 配信

菊間潤吾会長

 日本旅行業協会(JATA)は8月5日(木)、菊間潤吾新会長の就任会見を開いた。坂巻伸昭前会長の死去を受け、7月29日(木)の臨時理事会で決定した人事で、任期は来年開催予定の定時総会まで。菊間会長は新型コロナウイルスの影響が長期化するなか、「この1年が正念場」とし、難局を乗り越えるため「観光業界がワンボイスにならなくてはいけない。各団体と意見交換していくことが最初の仕事だ」と意気込みを語った。

 菊間会長はJATAで理事を25年、代表理事を12年務めており、2012~14年には会長に就いていた。その後は副会長を務めていたが、坂巻氏の急逝により、会長へ再就任した。「異例の再登板。漢気だけで務まるものではない」としながらも、坂巻氏の遺志を継ぎ、「会員企業の存続に向けて全力でサポートしたい」と強調。国内・地域経済の活性化と海外、訪日旅行の再開、コロナ後を見据えた新しい観光へ対応し、会員各社の足元を固めることへの協力と将来に向けた健全な旅行業の発展に尽力する。

 また、「厳しい経営環境のなか、一番必要なのは先を見通す情報。JATAが何を考え、どんな活動をしているのか、タイムリーに発信することが何よりの指標になる。会員とのコミュニケーションを密にしていく」と述べた。

 今後の取り組みについては、「各分野のロードマップを作成して、再開に向けた課題の整理や活動方針とタイミングを示すなど、具体的な準備を開始している」と言及。進めるうえでは、「ワクチンが唯一の光で、ゲームチェンジャーになる。年内の集団免疫の確保を期待したい」とし、ワクチン接種者への行動緩和などを主張していく。

 国内旅行は早期のGO TOトラベル再開に向けて、国民が納得する制度設計を国に求める。このなかで、全国一律または県内のみの設定ではなく、例えば四国など、感染が抑えられているエリアで部分運用していくアイデアも示した。

 一方で、GO TO運用中のキャンセルに関しては補償があったが、現在は緊急事態宣言が発出され、ツアーを中止せざるを得ない状況でも補償はない。「今回の緊急事態宣言で、夏休みは全滅し、秋の予約も止まっている。宣言ですべて中止になる。悔しい限り。感染防止への協力は惜しまないが、同時に支援もお願いしたい」と語気を強めた。

 国際交流は半年後の再開を目途にする。ワクチンパスポートなどの活用で、日本入国時の14日間の隔離緩和など、国際的視点で判断してもらうよう国へ要望する。「明確な数字を示さないと、他国も日本との交流再開の計画が立てられない。ユニークカントリー扱いされる」と、日本だけが国際交流から取り残されてしまうことを危惧した。

 他方、コロナ後の観光の在り方として、サステナブルツーリズムへの変革や安心安全な旅への対応などが求められるなか、「旅行会社が社会的役割を果たすことで存在意義を高めるチャンス」と捉える。「従来のビジネスモデルから脱却することが必要だ。再開までの時間は限られている。新しい理念の構築と、新しい時代の商品造成を進められるようJATAとしても支援していく」と語った。

いいね・フォローして最新記事をチェック

コメント受付中
この記事への意見や感想をどうぞ!

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

PAGE
TOP

旅行新聞ホームページ掲載の記事・写真などのコンテンツ、出版物等の著作物の無断転載を禁じます。