JTB、300億円の資金調達へ デジタル化やシステム開発などに投資
2021年8月13日(金) 配信
JTB(山北栄二郎社長)は8月10日(火)、主力取引銀行のみずほ銀行など3メガバンクと、日本政策銀行がLP出資するファンドから総額300億円を調達すると発表した。第三者割当による優先株式を発行することで事業継続の資金に充てるほか、デジタル化やシステム開発などに投資し、既存ビジネスモデルの変革を進める。
発行する新株式数は、A種優先株式が235万株、B種優先株式が65万株の合計300万株で、発行価額は1株1万円となる。A種優先株式の割当先と額は、みずほ銀行と三菱UFJ銀行がそれぞれ85億円、三井住友銀行(投資専門子会社SMBCキャピタル・パートナーズが運営するSMBCCP投資事業有限責任組合1号)が65億円となる。
B種優先株式は、日本政策投資銀行が今年3月に設立したDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に65億円を割り当てる。払込期日は、いずれも9月30日(木)の予定。
調達資金は、①旅行体験と購買体験におけるお客の実感価値向上を実現するデジタル投資②地域における魅力的な観光コンテンツの開発投資③地域と観光事業者を対象としたデジタルプラットフォームの開発投資④企業・法人を対象としたミーティング&イベント支援ツールおよびHRテックツールの開発投資――に充当する。
今回の優先株式発行により、同社では新型コロナウイルス感染症拡大により悪化した財務基盤を強化する。また、アフターコロナを見据えた「旅の新たな体験価値」の創造に取り組み、既存ビジネスモデルの変革を進めるとともに、地域や企業の課題解決を実現し、人流に依存しないビジネスモデルの確立を目指す。