大手旅行会社7社が2024年10月の営業概況を発表
2024年12月25日(水) 配信
□海外旅行が伸び全体増 JTB
JTBグループ7社の10月の総取扱額は、前年同月比3・3%増の1304億9600万円となった。国内旅行は同2・7%減の859億6500万円、海外旅行は同23・1%増の318億1700万円、外国人旅行は同5・2%増の127億1400万円。海外旅行が大幅に伸長し、全体で増加となった。
国内の団体合計は7・3%減となり、このうち一般は5・9%減、教育は9・2%減となった。企画商品は10・0%減、このうちエース・My STYLEは10・3%減だった。
海外の団体合計は83・1%増と大幅増となり、このうち一般は107・9%増、教育は56・6%増。企画商品は10・3%増となり、FIT(観光性・業務性)は10・4%増となった。
□外国人旅行が大幅増へ KNT-CT
KNT―CTホールディングスの10月の総取扱額は、前年同月比11・5%増の344億 2172万円と前年を上回った。国内旅行は同2・4%増の233億1064万円、海外旅行は同39・4%増の81億6990万円、外国人旅行は同53・7%増の20億9381万円となった。
国内団体は、企業系コンベンションや声優のファンクラブツアーなど趣味・目的ツアーの取り扱いが増え、一般団体は同3・5%増。学生団体は研修や移動教室などの取り扱いが増えたが、修学旅行の取り扱いが減り、団体合計は同0・6%減の99億6943万円。
海外団体は企業の視察・研修旅行の取り扱いが増加し、団体合計では同21・4%増の26億2450万円だった。
□海外増も全体は低調に 日本旅行
日本旅行の10月の総取扱額は、前年同月比3・9%減の378億3375万円と、前年から減少した。国内旅行は同3・3%減の219億6049万円、海外旅行は同50・1%増の93億9395万円、外国人旅行は同35・9%減の50億9076万円となった。
国内旅行は、企画商品が同10・2%減、自社商品の「赤い風船」は12・1%減、他社企画は200・0%増だった。団体旅行は13・1%減、JR券・航空券・一般宿泊などの個人旅行は14・5%増となった。
海外旅行は、企画商品が38・1%減、「マッハ・ベストツアー」などの自社商品は0・5%増、団体旅行は102・0%増、企画商品以外の個人旅行が34・6%増と前年を上回った。
□欧州などコロナ前超え HIS
エイチ・アイ・エス(HIS)の10月の総取扱額は前年同月比10・4%増の309億4387万円だった。
国内旅行は同1・5%減の52億7934万円、海外旅行は同11・1%増の239億6851万円、外国人旅行は同54・4%増の16億9602万円。
国内は航空券とホテルを組み合わせたダイナミックパッケージが同60・6%増と大幅に伸びた。
海外は欧州と中近東、アフリカの航空券と添乗員ツアーが同42・0%増と大幅に伸長。19年同月比5・9%増と初めてコロナ禍前を超えた。
外国人は北米とコロンビア、スペインからの団体が好調。個人は富士・箱根と広島・宮島へのバスツアーのWebでの取扱額が、前年同月比59・1%増となった。
□韓国が19年比2・7倍 阪急交通社
阪急交通社の10月の総取扱額は、前年同月比33・6%増の323億2502万円を計上した。国内旅行は同18・2%増の189億6479万円、海外旅行は同62・3%増の123億4682万円、外国人旅行は同85・3%増の10億1341万円だった。
海外旅行では、テレビ通販で台湾やトルコを中心に募集告知を行い、LCCを利用したアジアの旅行商品の需要喚起を行った。この結果、韓国、タイ、インドネシア、香港、トルコが伸長した。とくに韓国の予約は、19年同月比2・7倍だった。
□全部門が前年を上回る 東武トップツアーズ
東武トップツアーズの10月の総取扱額は、前年同月比4・0%増の148億9726万円となった。国内旅行は同8・3%増の105億8237万円、海外旅行は同19・0%増の29億8039万円、外国人旅行は同5・3%増の6億3175万円。全部門が前年を上回る結果となった。
国内旅行は団体全体が12・4%増となり、一般団体が26・8%増、教育団体が2・9%増。個人旅行は企画商品が21・6%減で、企画以外は7・5%減だった。
海外旅行は団体全体が51・9%増となり、一般団体が32・7%増、教育団体が99・0%増。個人旅行は企画商品が88・1%減の大幅減で、企画以外は2・4%減だった。
□国内と海外が好調維持 名鉄観光サービス
名鉄観光サービスの10月の総取扱額は、前年同月比6・7%増の96億1216万円だった。国内旅行は同6・8%増の78億862万円、海外旅行は同40・7%増の13億7131万円、外国人旅行は同14・1%減の2億4578万円となった。
国内は、団体が組織団体や教育スポーツ関連の大会があり、修学旅行などの教育関連と一般法人が好調。個人は宿泊予約が好調に推移した。
海外は、団体が官公庁や一般法人の視察や研修などが主力となり、個人ではヨーロッパ方面の取り扱いがやや勢いは落ちたものの好調を維持。クルーズ商品も好調だ。
外国人は、海外の旅行会社からのツアー取扱数が春に次いで多かった。