「万博+観光」推進 NFTアート活用し、地域の魅力発信へ(JNTO)

2024年10月24日(木) 配信 

出口まきゆ理事

 日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は10月23日(水)に開いた会見で、大阪・関西万博の取り組みについて説明した。「万博+観光」を推進するデジタルプロモーションを本格化させる。

 広告などのコンテンツを入口に、JNTOの万博特設ページから「万博+観光」商品予約サイトに遷移させる。

 このほか、外国人ライターによる取材記事や取材現場のショート動画を拡充する。

 また、万博テーマに関連した地域観光をテーマに、各8地域の動画を制作する。既に公開している北海道、中国・四国、九州、沖縄のほか、11月上旬までに、東北、北陸・中部、関東、関西など、各地域のテーマを設定し、外国人目線のストーリーで訴求する動画を公開する予定。

 万博テーマに関連した地域観光について、10地域各2枚のNFTを制作。日本の自然・食・文化の魅力を、「水墨画」としてデジタルアート化した。NFTアートはデジタルアートサイトで取得でき、EXPO2025デジタルウォレットでコレクションすることもできる。

 11月下旬に、北海道・美瑛の「青い池」、関東「富士山」、北陸「鶴賀真鯛一本釣り」、四国「四国遍路」などを公開する予定。

 インバウンドの最新動向も報告した。2024年は、1~9月の累計で2688万人となり、前年の年間累計である2507万人を既に上回る結果となった。

 24年9月までのエリア別の外客数推移をみると、東アジア3市場、東南アジア6市場、欧州5市場、米州・豪州が19年同月を上回る水準で推移している。

 中国は、19年水準には届いていないものの、23年を上回っており回復基調にある。

 24年7~9月期の訪日旅行消費額は、19年同期比64・8%増の1兆9480億円。24年1~9月期の累計は5兆8582億円となり、23年年間消費額を超えた。

 訪日客数も消費額も好調な一方で、都道府県別外国人のべ宿泊者数は、3大都市圏に集中している。

 出口まきゆ理事は、「今後も地方誘客に注力する。米・英・デンマークなどの主要なトラベルアワードで日本が第1位を受賞するなど、海外において高い評価を得ている」と説明した。

清流の国、日本最深部で歓待する美術を 岐阜県下呂市で「南飛騨 Art Discovery」開催 11月24日(日)まで

2024年10月24日(木) 配信

 

 岐阜県は、2024年10月19日(土)から11月24日(日)まで、自然、歴史、文化などの様々な地域資源を掘り起こし、芸術の力によって地域の新しい価値を見出すアートプロジェクト「南飛騨 Art Discovery 」を、下呂市内の南飛騨健康増進センター一帯で開催している。現在開催中の「清流の国ぎふ」文化祭の事業の1つとして取り組む。

 会場内にある施設や森の散策路では、21組のアーティストによる地域の特徴を生かしたアート作品の展示や、パフォーマンスイベントを実施する。会期中の毎週末は、岐阜の匠・健康・福祉・食をテーマとした体験型マルシェやワークショップ、セミナーも開く。

 総合ディレクターを務める北川フラム氏は、木工や和紙など、自然を生かした匠が生まれ、関ケ原の戦いなど時代の変わり目になった地・岐阜を「日本最深部」と表現。県南の美濃と県北の飛騨の結束点にある下呂市で開かれる「日本列島と岐阜の特徴が凝縮された芸術祭にご期待ください」と来場を呼び 掛ける。

 アート作品の鑑賞パスポート(入場券)は一般1300円、高校生500円、中学生以下無料。パスポートの提示で、下呂市内観光施設やパフォーマンスイベント料割引など各種優待が受けられる。

 

今月の目玉は国内特定航空券のマイル減額 ANAにキュン!

2024年10月24日(木) 配信

毎月29日に販売

 ANA X(神田真也社長、東京都中央区)はこのほど、毎月29日に開催している「ANAにキュン!」の10月のキャンペーン内容を発表した。29日はANA(全日本空輸)感謝の日と位置づけ、月替わりでさまざまな割引クーポンなどを用意する。今月の目玉企画は「国内線特典航空券 冬旅減額マイルキャンペーン」。12月搭乗分の一部路線が対象となる。

 冬旅減額マイルキャンペーンは、北海道と九州、沖縄発着の一部路線で12月1日(日)~25日(水)に搭乗するものが対象となる。

 ANAトラベラーズの国内ダイナミックパッケージは冬旅に使える5種類のクーポンを用意し、最大で2万円割引のクーポンもあるという。このほか、ANAにキュン!専用プランを販売する。海外ダイナミックパッケージは最大25万円の割引クーポンが登場。ハワイオプショナルツアーはマイル付与が3倍になる。

 ANAトラベラーズホテルでは、冬旅行に最適な北海道・信越エリアの特別宿泊プランを設定。スキーやスノーボードが楽しめる。

 ANAにキュン!は10月29日(火)の午前零時~午後11:59まで。今月は12企画を用意する。詳細は当日の発表となる。

山口県宇部市で「UBEビエンナーレ」開催 世界28カ国からの応募経て、野外彫刻15点など展示

2024年10月23日(水) 配信

第30回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)会場風景

 第30回UBEビエンナーレ(現代日本彫刻展)が2024年10月27日(日)から12月22日(日)まで、山口県宇部市のときわ公園内UBEビエンナーレ彫刻の丘で開催される。入場は無料。世界28カ国から183点の応募作品があり、その中から第1次審査で選ばれた野外彫刻15点と入選模型30点が展示される。

 同市は石炭産業を中心とした産業都市だったが、その発展とともに大気汚染や環境問題に悩まされた。街の美化と心の豊かさを求める市民運動をきっかけに、1961年から2年ごとに野外彫刻コンクールを開催し、今年で第30回の節目を迎える。27日のオープニングでは美術史家・水沢勉氏と俳優・山本美月さんとのトークショーやダンスパフォーマンス、絵画コンクール、写真コンテストなど、多彩なイベントが開かれる。

 また、同展は今年3月、「最も長く続いている野外彫刻展」としてギネス世界記録にも認定された。「ギネス世界記録™町おこしニッポン認定記念特別展『彫刻世界 かたち・つくり・ひらくも』」、10月18日(金)~12月15日(日)に開かれる。会場ではビエンナーレを通じて築いてきた室内彫刻を展示する。展示監修は美術史家の水沢勉氏。会場はときわ湖水ホール内のアートギャラリー。毎週日曜日は、午前11時からギャラーリートークも開かれる。

ジャーナリスト 貞廣 長昭

5地域を農泊モデル地域に選出 JTB総研が農水省の農山漁村振興交付金で支援事業

2024年10月23日(水) 配信

前列がモデル地域の選出者

 JTB総合研究所(風間欣人社長、東京都品川区)は、農林水産省の2024年度農山漁村振興交付金を活用し、持続可能な農泊モデル地域創出支援事業を展開している。この取り組みとしてこのほど、農泊のモデル地域を選定し、10月22日(火)に発表会を行った。選定された農泊モデル地域は岩手県遠野市(遠野ふるさと体験協議会)など5地域。

 農泊は農山漁村地域における多様な地域資源を生かした滞在型の旅行のこと。農業体験や農家民宿だけではなく、旅館や宿坊、一棟貸しのコテージを利用するものなど多様なスタイルがある。

 同社地域交流共創部長の河野まゆ子氏は農泊について、「前身のグリーンツーリズムのときから考えると30年近い歴史がある」とし、「従来の観光地ではない地域も地域の事業者が連携して協議会を立ち上げ、一から活動を積み上げてきた」と述べた。現在は、農水省が2017年から開始した支援で農泊に取り組む地域は656地域まで増えている一方、「まだ魅力が浸透していないことと、従来の観光旅行よりも単価が低いことが課題だ」とした。

 このため、農水省は23年に「農泊実行計画」を策定。農泊をスタートアップから成長期へ移行させるため、誘客増大や消費機会拡大、高付加価値化に向け、地域の磨き上げに取り組んでいる。今回の事業では今後の農泊のモデルとなる地域を全国から応募があった18地域のなかから、「持続可能」「高付加価値」「関係人口」の3つの視点から5地域選定。5つの協賛企業とともに、地域の磨き上げを支援していく。また、事業の成果は今後とりまとめて広く発信していく予定だ。

 発表会では5つの地域が取り組みや今後の目標をプレゼンテーションしたほか、協賛企業の紹介などを行った。

 5つのモデル地域、協賛企業は以下の通り。

 【モデル地域】遠野ふるさと体験協議会(岩手県遠野市)多様な世代が「ありのままの遠野旅」を体験できる農泊▽逢瀬いなか体験交流協議会(福島県郡山市) いなかのぬくもり、再び訪れたくなるつながりと貢献の農泊▽みのぶ農泊地域連携協議会(山梨県・身延町)750年の仏教文化体験×精進(ヴィーガン)料理×本物の日本体験ができる農泊▽南丹市美山観光まちづくり協会(京都府南丹市)かやぶきの里をともに守り伝える農泊▽太田川流域農泊振興協議会(和歌山県那智勝浦町)学び、感じて、繋がる お寺から始まる 心を満たす農泊【協賛企業】レタスクラブ・レタスクラブWEB(KADOKAWA LifeDesign)▽マイナビ農業(マイナビ)▽JTB▽楽天グループ▽つぎと

世界遺産5周年古墳サミット、世界3大墳墓の魅力テーマに、大阪府堺市

2024年10月23日(水)配信

 大阪府堺市(永藤英機市長)は11月30日(土)、フェニーチェ堺・大ホールで、同市の百舌鳥(もず)および羽曳野市、藤井寺市の古市の2つからなる百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録5周年を記念した古墳サミットを開く。

 サミットは古墳の魅力の1つである墳墓の大きさにスポットを当て、全長約486㍍の日本最大の前方後円墳「仁徳天皇陵古墳」(堺市)と、クフ王のピラミッド、秦の始皇帝陵の「世界3大墳墓の魅力」をテーマとする。

 有識者による講演のほか、永藤市長と山入端創羽曳野市長、岡田一樹藤井寺市長によるトークセッションを行う。

 巨大墳墓が生まれた背景や文化、技術を掘り下げ、3大墳墓の共通点や違いを明らかにすることで、百舌鳥・古市古墳群の価値と魅力を発信する。

 午後1時から同3時30分まで。参加無料。募集人数1700人で定員に達し次第締め切る。堺市電子申請システムや電子メールで受け付ける。

【国土交通省】人事異動(10月17日付)

2024年10月23日(水) 配信

 国土交通省は10月17日付の人事異動を発令した。

辞職 岡本弘基(大臣官房付)

第28回日本国際観光学会全国大会、東海大学品川キャンパスで開く 「観光と外交」テーマに

2024年10月23日(水) 配信

崎本武志会長

 日本国際観光学会(会長=崎本武志・江戸川大学社会学部教授)は10月19日(土)、東海大学品川キャンパス(東京都港区)で第28回全国大会を開いた。

 今回のテーマは「観光と外交」。崎本会長は冒頭、「当学会は『国際』を掲げている。コロナ禍で国際化の流れが分断されたが、真の意味で国際化を進めていかなければならない」とあいさつ。「国際紛争が広がるなか、国際関係が観光に大きな影響を及ぼす状況にある」とし、「国際関係の学究を志す皆様と手を取り合って考えていかなければならない大きなテーマ」と述べた。

 パネルディスカッション「『観光と外交』~研究の視座と可能性~」では、東海大学観光学部の小澤考人教授がコーディネーターを務め、「国際観光振興とは外交政策である」という問題認識のもと、「外交としての観光」という主題を研究分野として学術的に開拓し、発展させることを提案。そのうえで、宮崎裕二氏(東洋大学観光学部)の研究「英国の国際観光振興におけるパブリックディプロマシー(PD):PD実行部隊を担うイギリス国家DMO」を紹介した。

コーディネーターの小澤考人氏

 続いて、渡邊啓貴氏(帝京大学法学部、東京外国語大学名誉教授)が「文化外交とソフトパワー戦略:フランスの事例から」、アルラジ・ヤラ氏(アブドゥルアジーズ大学卒、東海大学大学院文学研究科修了)がオンラインで「サウジアラビアの文化外交と観光」を説明。

 さらに、崔載弦氏(東海大学観光学部)は「『韓流』がもたらす観光・経済への影響と意義」について語った。

 午後からは、5つの分科会に分かれて研究発表を行った。

中部国際空港「第3回ちびっ子チャレンジカップ」、運動能力測定やかけっこ教室など(10月26、27日)

2024年10月23日(水) 配信

飛行機の真下で往復走(過去開催時)

 中部国際空港セントレア(愛知県常滑市)が10月26日(土)、27日(日)の2日間、「第3回ちびっ子チャレンジカップin中部国際空港セントレア」を実施する。幼児~小学生を対象に、子供と家族みんなで運動を楽しんでもらうことを目的に、「子育て世代応援プロジェクト実行委員会」が企画するもの。空港館内を会場にして、専門家監修によるボール投げや往復走などの運動能力測定、かけっこ教室、イベント協賛社によるブース出展などが行われる。

 運動能力測定では、スポーツプロデューサーの中川智博氏監修のもと、運動の基礎となる「跳ぶ」「走る」「投げる」「力む」の4つの動きを楽しく測定し、空港館内を回りながら体力測定に挑戦する。「跳ぶ」では立ち幅跳び、「走る」は往復走、「投げる」がボール投げ、「力む」で握力測定に挑戦できる。

 ステージイベントとして、ちびっこチャレンジカップのために作られたオリジナル体操「ちびっ子チャレンジ体操」や、走り方のコツを学べる「TOMORUNかけっこ教室」を実施する。また、イベント協賛企業によるブース出展や、協賛社提供の商品などのさまざまな景品が当たる抽選会に参加することもできる。

 当日は、愛知県内の大学・専門学校の学生が運営ボランティアとして参加。地域の企業と大学との産学連携で取り組むとしている。

 開催時間は午前10時~午後4時。場所は第1ターミナル4階イベントプラザのほか、3階特別待合室、1階センターピアガーデンと、フライト・オブ・ドリームズ1階のフライトパークで行う。

東京国立博物館で特別展「はにわ」始まる 目玉は国宝「埴輪 挂甲の武人」

2024年10月23日(水) 配信

採色復元した「埴輪 挂甲の武人」

 はにわの最高傑作とされる「埴輪 挂甲の武人(はにわ けいこうのぶじん)」(6世紀)の国宝指定50周年を記念する特別展「はにわ」が、2024年10月16日(水)から東京・上野の東京国立博物館で始まった。

 展覧会では全国から集められた120点の至宝が展示されている。時代は今から1750年前、前方後円墳など大きな古墳が作られた時代。古墳の周囲に並べられた素焼き土製品がはにわだ。

 目玉の1つは国宝「挂甲(けいこう)の武人」。群馬県上野国(現在の同県太田市飯塚町、同市世良田町、同市成塚町、伊勢崎市安堀町)の工房で作られたとみられる武人埴輪5体を集めたコーナーで展示する。米・シアトル美術館に収蔵されている1点など、それぞれ「武人」は同県太田の同じ工房で製作されたとみられる。いわば兄弟のような存在だ。解体修理にあわせて行われた調査で当初、白、赤、灰色の3色で塗り固められていたことも判明した。会場では彩色復元された実物大のレプリカも展示している。

 武人や捧げものをする女性埴輪、家型埴輪、盾型埴輪、魚、犬、牛、鹿、馬など、十数体が並べられた動物埴輪群も見ものだ。

 同展は12月8日(日)まで。25年1月から九州国立博物館でも巡回展示される。

ジャーナリスト 貞廣 長昭