過去最高の7店舗出店 多摩、銀座周辺が急増(自治体アンテナショップ)

 財団法人地域活性化センターはこのほど、自治体のPR戦略として年々増加傾向にある東京都内の「自治体アンテナショップ」の実態調査を行った。今年度は過去最高の7店が出店。市町村のショップの増加が目立つほか、出店地域は多摩地区が急増。銀座・有楽町から日本橋や新橋方面も出店が増加傾向にあることがわかった。

 調査は、東京都内の自治体が主体となって設立した常設施設(観光案内所・事務所機能のみの施設は含まない)を対象に10年10月1日現在の状況を都道府県を通じて行った。

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 09年度の自治体アンテナショップの出店数は都道府県33店、市町村10店の計43店舗だったが、10年度は都道府県が35店、市町村が14店の計49店と7店の増加となった。出店が急増した多摩地区は、これまで北海道大空町、高知県、東京都武蔵野市と全国7市町村、長野県木島平村の4店だったが、10年に入り新潟県燕市、長野県大町市、長野県富士見市の3店が出店した。

 特徴的なものとしては、新潟県燕市が緊急雇用対策事業として出店。埼玉県、長野県、徳島県はコンビニ店内に出店している。また、自治体アンテナショップ間が連携してイベントを開催するなどの動きも活発化しており、「新潟館ネスパス」(表参道)、「ふくい南青山291」を会場に2回開催し、26店が出店している。

 開設目的(複数回答)では、特産品のPR(44%)、地域情報発信(42%)などが上位を占めた。事業内容は物産販売が100%、観光案内が75・5%、イベント開催が61・7%など=表参照。

 スタッフ数は【10人未満】26店、【10人以上20人未満】11店、【20人以上30人未満】4店、【30人以上】6店となった。

 年間売上(08年度)は【3千万円未満】7店、【3千万円以上5千万円未満】3店、【5千万円以上1億円未満】8店、【1億円以上3億円未満】9店、【3億円以上5億円未満】5店、【5億円以上10億円未満】6店となっている。

 入館者数(08年度)は【10万人未満】13店、【10万人以上20万人未満】6店、【20万人以上50万人未満】8店、【50万人以上100万人未満】5店、【100万人以上】3店という状況だ。

No.271 スキー事業の動向 - キッズ、シニアの取り込みを

スキー事業の動向
キッズ、シニアの取り込みを

 スキーの競技人口は1993年度にピークの1860万人を記録してから下がり続け、2007年度に560万人の底をついた。近年は回復基調にあるものの、スノーボード人口と合わせても1000万人強だ。今後、スキー事業が発展していくためにはキッズ・ファミリー、シニア層の取り込みが必要不可欠だ。競技人口の拡大に向け、行政や地方自治体、スキーホールセラー、スキー場施設も動きだしている。スキー事業関連の動向を紹介する。

【飯塚 小牧】

 ■スキー人口の推移

 日本生産性本部・余暇創研が発表しているレジャー白書によると、スキーの競技人口の最高人数は1993年度(93―94年の冬)の1860万人(スノーボード含む)。この年をピークに、2003年まで数字を下げ続け、一時横ばいになるものの、再び下降。07年度に560万人とピークの3分の1以下まで落ち込んだ。現在は、07年度で底を打った形で若干回復基調にある。

  一方、スノーボードは97年度からスキーと分けて調査が行われるようになり、02年度には540万人の過去最高を記録。その後は、100万人以内で増加や減少を繰り返し、400万人前後で推移している。

 ここ10年、両者の競技人口の変動はほぼ同じような線を描いているが、03年度と07年度の大きな落ち込みがとくに目立つ。レジャー白書を担当する日本生産性本部総合企画部余暇創研の柳田尚也主任研究員は、07年度はスポーツ全般で減少がみられるため、「団塊の世代の影響がではじめた年ではないか」と分析する。また、07年度は北日本のスキー場で積雪が少なく度々報道されていたが、03、07年度の冬は例年に比べて暖冬だったことも要因の1つかもしれない。

 ■スキー場の施設数

 一方、スキー人口が減少しているということは、当然スキー場の経営も軒並み厳しく、経営主体が次々に変わっている例は多いが、スキー場数の減少率は人口減少に比例していない。ピーク時から05年ごろまでの国内のスキー場数は700施設以上。その後、閉鎖や休業が相次ぎ現在は500強というのが1つの目安だ。それでも依然として需要と供給のバランスは崩れているが、閉鎖後に環境保全の観点から、跡地を自然の状態に戻さなければならないため、閉鎖することもままならないという実態もある。

 

※ 詳細は本紙1411号または日経テレコン21でお読みいただけます。

道の駅で「どんぶり対決」 秋田県鳥海山麓の6施設

 秋田県と山形県との県境にそびえる鳥海山は別名「出羽富士」とも呼ばれる秀峰。そのふもとの由利(ゆり)地域(にかほ市、由利本荘市)にある6つの道の駅で、2月末まで地元食材を中心に創作したオリジナルどんぶりをメニューとして提供し、その売れ行きを競う「どんぶり対決」を実施しています。
昨年2月に第1弾を実施。今回が4回目の企画です。参加している道の駅とメニューは
・道の駅岩城「岩城アイランドパーク」 港の湯 波の華丼(1000円)
・道の駅東由利「黄桜の里」 和洋中ミニ3色丼セット(1000円)
・道の駅清水の里「鳥海郷」 きのこたっぷり中華丼(800円)
・道の駅おおうち「は~とぽ~と大内」 みそかつとろろ丼(900円)
・道の駅にしめ「はまなすの里」 にしめよくばり丼~比内地鶏の照焼丼ときまぐれ天丼~(950円)
・道の駅象潟(きさかた)「ねむの丘」 由利牛やわらか牛スジ温玉丼(800円)
です。
この企画だけに販売されているアイデアメニューをぜひお試しください。

投票いただいた皆様へのプレゼントも実施しています。

メニューの詳細やバトル(?)の中間発表はキャンペーンブログをご覧ください。
3月末までは「まごころこんこんキャンペーンin鳥海山麓」も実施しています。

キャンペーンに参加している地域内37店で使えるクーポン付の専用パンフレットを用意しています。ぜひご利用ください。
※お問い合わせ=由利地域観光振興会 電話0184-32-5588

 

新名称は「旅博」に、世界旅行博から変更(JATA)

 日本旅行業協会(JATA)は2月2日、これまで「JATA国際観光会議・世界旅行博」として開いていたイベントの新名称を発表した。新名称は「JATA国際観光フォーラム・旅博2011(JATA Tourism Forum&Travel Showcase 2011)」。

 今年からイベントの受託先が変わることから、名称を変更した。ロゴマークも近々に発表する。JATAの長谷川和芳事務局長によると、「旅博」の名称は「関空旅博」として馴染みがあるが、使用に当たっては関西国際空港の協力を得ているという。

 今年の「旅博」の主催はJATA国際観光フォーラム・旅博実行委員会。後援は従来通り国土交通省と観光庁、東京都を予定する。

 日程は9月29―10月2日の4日間。29日は全体開会式・ツーリズム大賞授賞式とJATAマーケットプレイス(商談会)、国際観光フォーラム1を開く。30日が展示会の業界日で、JATAマーケットプレイスや国際観光フォーラム2などを実施する。10月1、2日は展示会。会場は東京都江東区の東京ビッグサイト(会議棟・東4、5、6ホール)。

吉本と連携事業を展開、新喜劇で蒲島知事がPR

「くまモン」が花月前で出迎え
「くまモン」が花月前で出迎え

 熊本県は3月12日の九州新幹線全線開業に向け、吉本興業との連携事業として1月24日から30日まで「くまもとウィークINなんばグランド花月」を展開した。

 期間中は大阪市中央区のなんばグランド花月で熊本を題材にした「くまもと吉本新喜劇 熊本旅館騒動記!?」を毎日上演。熊本県キャラクター「くまモン」が毎回登場して盛り上げた。

 29日には蒲島郁夫熊本県知事と、熊本県宣伝部長のタレント・スザンヌさんも新喜劇に出演。宿を訪れた県知事役として登場した蒲島知事は、ステージから新大阪―熊本間が最短2時間59分で結ばれることなどを紹介し、熊本の魅力をアピールした。この模様は毎日放送で2月12日に放送される予定。

 また、なんばグランド花月前では熊本をアピールするのぼりが立ち、「くまモン」が出迎え、観光パンフレットなども配布した。

京都のエコな旅提唱、エコホテル・旅館フォーラム

第3回エコホテル・旅館フォーラム

 京都グリーン購入ネットワーク(京都GPN)は2月2日、京都市内で「第3回エコホテル・旅館フォーラム」を開いた。京都府立大学の宗田好史准教授が「観光をグリーンに、京都のエコホテル・旅館のめざすもの」と題した基調講演を行った。宗田准教授は「市民の8割が環境保護を意識する時代。今後はエコ化しない宿泊施設は不利。スローフードやアグリツーリズムに関心が高まり、京都らしい昔ながらの質素な暮らしがトレンドになる」と語った。

 パネルディスカッションでは国際的なエコラベル「グリーンキー」の認証を受ける旅館「吉水」の中川誼美女将、ホテル「コープイン京都」の近藤格支配人、美山自然文化村河鹿荘の高御堂厚支配人、京都GPN事務局の下村委津子さんがパネラーとして登壇。

 「お宿吉水」では客室にテレビもエアコンもなくすべてセルフサービス。掃除もクエン酸や重曹を使い、食材は無農薬や有機栽培の野菜や卵しか使わない。中川女将は「安心と安全こそがこの上ないサービス」と話した。「コープイン京都」では自動販売機の削減やLED電球の導入などに取り組み、08年の年間水光熱費2237万円が10年には1939万円と大幅削減できたと報告。

 かやぶきの里で知られる美山町では昨年4月に南丹市美山エコツーリズム推進協議会を設立。河鹿荘では残飯を堆肥にしてりんご園で活用していることなどを紹介した。

 近藤支配人は「今後はエコホテル間のネットワーク作りも大事」と語り、下村さんは「エコホテルの情報を広めるための情報発信が必要」と課題をあげた。宗田氏は「府と市が共同で昨年京都駅に開設した総合観光案内所でもエコホテルの情報提供をしてはどうか」と提案した。

 京都GPNが京都府内の460軒の宿泊施設を対象に昨年実施した環境に関するアンケート調査によると、有効回答70施設のうち比較的取り組みが進んでいる項目はゴミの削減や分別、省エネ対策などで、とくに旅館では地産地消の食材の使用やリターナブル瓶推奨などが進んでいる。今後は「食べ残しを減らす工夫」「アメニティ持参の呼びかけ」「雨水利用」などが課題という。

であい博に92万人が来場、龍馬伝効果は535億円

昨年開催の「土佐龍馬であい博」の会場
昨年開催の「土佐龍馬であい博」の会場

 日本銀行高知支店は2月1日、昨年放送のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の直接、間接効果を合計した経済波及効果の着地額を535億円と試算した。同行で昨年4月に試算した409億円を大幅に上回り、高知県県内総生産(08年度、2・2兆円)の2・4%相当となった。

 宿泊客数が19%、日帰り客数が29%のプラスと見込む。直接効果の内訳では飲食が101億円、交通65億円、宿泊52億円、土産49億円、その他75億円となった。

 大河ドラマに合わせ高知、安芸、梼原、土佐清水の県内4会場で開かれた「土佐・龍馬であい博」は、当初予想の65万人を大きく上回る92万人が来場。中心の高知会場は予想比59%増の63万人の来場者でにぎわった。

 レポートでは観光が高知経済の牽引力になるため、自然観光資源を活かした「滞在・体験型観光」の推進やオフ期の誘客、シルバー観光や外国人観光客への対応力強化などが必要と指摘する。

「こだわりの宿」が優秀賞、フード・アクション・ニッポン2010

 2月1日に発表された「フード・アクション・ニッポン アワード2010」で、農協観光の宿泊商品「地産地消・持参地消 こだわりの宿」が「コミュニケーション・啓発部門」の優秀賞を受賞した。同ツアーは「ツアー・オブ・ザ・イヤー2009」で国内旅行部門グランプリを受賞しており、2度目の快挙。

 同ツアーは2008年から売り出し、現在は全国263軒の宿泊施設が参画している。地場食材の使用度に応じて100%の「極める」と50%程度の「満喫」、地場食材2、3品の「味わう」の3コースがあり、料理研究や地元JAと協力して「地域に根差した食・農・観光」の提案をしている。ツアーは生産者が自ら生産した農畜産物を味わえる「持参地消プラン」や食事のみの「食事付き日帰りプラン」なども設定。また、提供した料理のレシピやお品書きのプレゼントもある。

 フード・アクション・ニッポン アワードは、農林水産省が日本の食料自給率アップのための国民運動として掲げる、フード・アクション・ニッポンに寄与する事業者や団体などの取り組みを表彰するもの。農協観光が受賞した部門のほか、「プロダクト部門」「製造・流通・システム部門」「研究開発・新技術部門」があり、大賞1件、部門最優秀賞を各部門1件、部門別優秀賞を各10件設けている。

湯西川温泉かまくら祭り、18回目の今年は「雪も豊富」

(右から3人目)斉藤文夫日光市長、(右から2人目)が伴弘美実行委員長
(右から3人目)斉藤文夫日光市長、
(右から2人目)が伴弘美実行委員長

 栃木県・湯西川温泉の第18回「湯西川温泉かまくら祭り」が佳境を迎えている。1月29日には平家の里前メイン会場でオープニングセレモニーが行われた。伴弘美実行委員長(湯西川館)、伴久一湯西川温泉旅館組合長(伴久ホテル)があいさつ。引き続き、来賓を代表して斉藤文夫日光市長、山越梯一日光市議会議長、高橋政則国土交通省関東地方整備局湯西川ダム工事事務所長、小松正義栃木県観光物産協会長が祝辞を述べ、テープカット。終了後、湯西川名物のけんちん汁「かまくら鍋」やつきたての餅が振る舞われた。

 かまくら祭り実行委員長の伴弘美さんは「首都圏からもっとも近い距離にあるかまくら祭り。今年は雪も豊富で、大きなかまくらやそり遊び場なども準備万端整った。会場内には手づくりの茅葺き屋根の売店ブースも初登場。今夜から日本夜景遺産にも認定されたかまくら祭りのライトアップも開始する。沢口河川敷会場と併せて美しい雪景色の夜景を堪能していただければ」と語った。

第18回「湯西川温泉かまくら祭り」

 第2節「深雪のにぎわい」は2月末まで。毎日午後5時30分から午後9時まで、会場内の巨大かまくらがライトアップされる。2月の毎週木・金曜日には平家集落会場のミニかまくらも点灯され、街全体が幻想的な雰囲気に包まれる。

 家族客に人気のかまくらバーベキューは2月末まで。料金は1人前1500円(2人前から)で、午前11時から午後3時まで1時間ごとの入替制。

 3月1日からは第3節「残雪のなごり」がスタート。沢口会場ではミニかまくらが点灯され、夜景のラストショーが楽しめる。雪どけ最後の3月21日まで開催の予定。

 問い合わせ=湯西川温泉旅館組合 電話:0288(98)0885(午後1時から4時まで)。

15市場の動向を説明、好調な韓国市場は来年も

韓国の市場説明会
韓国の市場説明会

 日本政府観光局(JNTO、間宮忠敏理事長)は2月4日、東京都港区の八芳園で「第8回JNTOインバウンド旅行振興フォーラム」を開いた。重点15地域の海外事務所長らが、各地域での訪日旅行に対するニーズなどを報告する市場説明会には、観光関係者など400人ほどが集まった。

 2010年の韓国の海外旅行市場は、景気回復の影響を受け大きく回復し、出国者数は32・7%増となった。とくに景気に左右されやすい女性の回復が顕著で、年齢別では50、60代の層が大きく増加。現在、韓国人の海外旅行先では日本が2位だが、伸び率では60・9%増でトップ。ソウル事務所の吉田隆所長は「来年も堅調な経済成長が期待できるので、海外旅行ブームは続く」と予想。

 マイナス要因としては、円高を挙げ、円安だった07年と比べると日本の物価が2倍に感じるという。また、韓国人には4泊5日以上の旅行は不人気で、2、3泊くらいの生活体験型旅行の人気が高いという。

 台湾の海外旅行市場は、10年の出国者数が940万人を超え、人口の4割以上が海外旅行に行っている計算になる。なかでも、日本は行きたい国、好きな国の1位。旅行者の7割がリピーターで、5回目以上という人が25%以上の好調ぶり。ただ、中国大陸との直行便開始による日本便の減少がマイナス要因。また、団体旅行からFITへの移行が顕著だが、大家族の台湾の場合は、家族旅行でも10―30人単位という。

 日本観光協会台湾事務所の井久保敏信所長は、(1)画一的でないプレゼン(2)セミナーや商談会は1時間(3)台湾人目線での広告などをアドバイス。「日本が売りたいものと、台湾が買いたいものはイコールではないので、台湾人の意見を取り入れるのがベスト」と話した。

 中国市場は、訪日旅行の需要が高く、日中関係の悪化が及ぼす影響は一時的であることを紹介。とくに女性人気が高く、20、30代の女性が訪日客の3割を占め、ショッピングとグルメが目的の上位にランクされた。団体旅行ではゴールデンルートに加えて北海道人気が定着。個人旅行では4、5日ぐらいの日数が人気という。