赤城山観光を発信、東京で群馬県と6市町村

 群馬県と県内の赤城山の観光振興に関係する6市町村は9月1日、東京・銀座のぐんま総合情報センター(ぐんまちゃん家)で、「赤城山」観光情報交換会を開いた。県内のほぼ中央に位置し、県民に最も親しまれている赤城山を県外でも広く知ってもらうのが狙い。

 赤城山は、黒檜山や駒ケ岳など7つの峰の総称で、標高約800メートルまでは穏やかな裾野が広がる。裾野は前橋市、桐生市、沼田市、渋川市、みどり市、昭和村と多くの市町村に伸びている。一昔前は、講談や演劇の題材として取り上げられ、上州の侠客・国定忠治のセリフ「赤城の山も今宵かぎり……」で一躍有名になったという。

 しかし、近年は観光客も激減しているため、県の企画部地域政策課では赤城山の発信に注力。東洋大学と共同で周辺施設などを含めた調査なども実施している。企画部の細野初男部長は、「赤城山は群馬の大きなブランドだが、観光客はピークの半分まで落ちて厳しい状況だ」と現状を報告。来年のデスティネーションキャンペーンを機会に「赤城を中心とした観光を売っていきたい」と意気込みを語った。

 会では周辺市町村がそれぞれの観光情報を紹介したほか、各地域の特産物を用意して、集まった報道関係者らに振る舞った。前橋市の「ぐんまフラワーパーク」は、館内で提供しているダリア料理をPR。献立はダリアのお浸しから天ぷら、デザートにもダリアのソースを使う徹底ぶりで、参加者の注目を集めた。

“戸倉上山田らしさ”を、活気ある温泉地づくり進む

 長野県・戸倉上山田温泉旅館組合連合会の武井功事業委員長(滝の湯社長)と、亀清旅館若旦那のタイラー・リンチ氏、湯元上山田ホテル取締役営業部長の武田郁夫氏の3人が9月9日、本紙を訪れた。10―12月までJRグループとタイアップした「信州デスティネーションキャンペーン」(信州DC)を直前に控え、さまざまな企画商品開発や受け入れ体制の整備状況を説明。また、アフターDCを見据えた「戸倉上山田温泉らしさ」を追求した地域づくりなどをPRした。

 果物生産高日本一である信州の特色を生かしたリンゴやブドウ、ラ・フランス、ナシなどのフルーツや松茸狩りなど豊富な味覚狩り体験プランを紹介。そのほか、ヘルシー食として人気が高い千曲川で獲れるウグイ(ハヤ)や、地元に伝わる健康食「おしぼりうどん」などの食の魅力を紹介した。

 外国人旅行者にやさしい温泉地に向けては、タイラー氏が英語版「温泉地マップ」を作成。また、信州DC期間中には1日500円から200円(保険料含む)となるレンタサイクルや、「健康で楽しい」をテーマとした「歩き」による散策コース、さらに廃墟をリニューアルして活気ある温泉街へと再生が進む取り組みも紹介した。

 武井氏は「船着き場を整備して、千曲川から船で入るような魅力的な温泉地づくりも構想中。活気やにぎわいにあふれた、戸倉上山田らしい温泉地づくりが着々と進んでおり、今後に期待してほしい」と話した。

訪日中国人の経済規模1379億円、6割がデジカメ関連品購入

 矢野経済研究所(水越孝社長、東京都中野区)は、このほどまとめた「訪日中国人の消費動向に関する調査結果2010」で、09年の訪日中国人が日本に与えた経済規模は、1379億円と推計した。日本国内に入国してから出国するまでの消費金額で、往復運賃やビザ申請代金は含まれていない。15年の同経済規模は、5599億円まで拡大すると予想する。

 同調査は、今年の5―8月に国内の中国人インバウンド事業を展開する企業や自治体、中国国内旅行会社、訪日旅行経験のある中国人消費者を対象に調査した。

 このなかで、1年以内に訪日経験がある中国人男女300人に、日本で購入した商品を聞いたところ、「デジタルカメラ・付属品」が60%と最も多かった。次いで、「化粧品」の41%、「家電製品」の35%と続く。宿泊費や飲食費よりも土産品などの物品購入に費用をかける傾向があり、デジタルカメラケースや化粧品などは知人への土産用にまとめ買いするケースも見受けられるという。

 今後、中国人の消費需要を取り込むため、時間内で効率的に買い物ができるように、小売店舗には外国人スタッフの配置やまとめ買いに対応できる在庫の充実などが求められる。一方で、日本人客とのバランスを考えた店舗作りが重要になると指摘する。

全国宣伝販促会議開く、来年7月から 15年ぶりの群馬DC

成功を祈って鏡開き(中央・大澤知事)
成功を祈って鏡開き(中央・大澤知事)

 群馬県(大澤正明知事)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は、来年の7月11日から9月30日までの「群馬デスティネーションキャンペーン」(群馬DC)に先立ち9月8日、群馬県前橋市のグリーンドーム前橋で全国宣伝販売促進会議を開いた。全国のJRグループや旅行会社、報道関係者など約800人が参加した。

 冒頭、大澤知事はテーマである「心にググっと ぐんま わくわく 体験 新発見」を紹介し、「会議と視察で群馬の新たな魅力を発見して発信してほしい」とあいさつ。県の取り組み姿勢に触れ「交通や農業など観光に関わる多くの県民が心を込めておもてなしをする。皆さんのお力添えで、ぜひ来年のDCを成功させたい」と述べた。

 JRグループからは、JR東日本の石司次男副社長が登壇。「群馬DCは、123回目のDCでとてもいい数字。15年ぶりの大型観光キャンペーンということで、各自治体が群馬の魅力を掘り起こしている。JRでは、県内の鉄道5社と連携してイベントを実施するほか、SLを大きく活用して成功させたい」と語った。

 プレゼンテーションは、県内を5エリアに分けて、それぞれのエリアごとに主な魅力を紹介。県出身のタレント・団しん也さんがコメンテーターとして登場し、発表を盛り上げた。JRグループも展開内容を発表し、集まった旅行会社関係者に商品造成や集客を呼び掛けた。また、会議場の外には各自治体や観光協会などがブースを出展。特産品の試食や体験メニュー、パンフレットなどをそろえて魅力を売り込んだ。

 会議後のレセプションは、上州牛や豚、鶏肉、野菜など群馬の素材を生かした料理が振る舞われたほか、各地域が屋台で提供したB級グルメなどを、団さんが突撃レポートする場面も。歓迎アトラクションでは、ぐんま女将の会による「草津節&フラ」も披露され、会場は華やいだ。

木造旅館の魅力を海外に、インバウンドにっぽん 英語版サイト開設

小野秀一郎氏
小野秀一郎氏

 インバウンドにっぽん(小野秀一郎代表)はこのほど、私設団体「Real Mokuzo Ryokan リアル・モクゾー・リョカン 木造の魅力を海外へ伝承する有志の宿」を設立した。英語版のサイト「The Nostalgic Authenticity of Mokuzo Ryokan」(http://ryokan-hotel-onsen.com )で、参画する木造旅館の魅力を、海外の個人旅行者に向けて情報発信していく考えだ。

 主宰する小野氏は主に欧米など英語圏からのネットFITの誘客事業に取り組んできた。「10年間で得たノウハウやネットワークを生かして、外国人旅行者が本格的な“リアルジャパン”を体験できる日本の木造旅館の魅力を積極的に紹介していきたい」と話す。

 同サイトは、料金やプランが優先的な宿泊予約サイトとは異なり、世界に向けて、日本の伝統的な木造旅館の魅力を伝承していくことを最大の目的としている。このため、宿の外観や浴場、館内の客室や料理の写真を多用して紹介する。自館の英語サイトのホームページや予約サイトにも容易に誘導できるのが特徴で、より詳しい情報や宿泊予約の際には、リンクしている各館の英語サイトに誘導する。世界各国の旅行者によるクチコミ情報なども掲載している。掲載料は標準プランで月間3千円程度に設定している。

 また、参画旅館には、ホームページの制作・運営(英語版・中国語版)や、旅館を好むユーザー層の多い海外予約サイトの紹介および登録申請代行業務なども支援する(費用別途)。
「海外のFIT旅行者にとっては、日本国内においてその木造旅館が有名か無名かなどは関係ない。これからは個々人にとっての質や満足度が追求される時代。幅広いニーズに対応するためには、価格帯のバリエーションが広い方が望ましい」として、廉価な素泊まりの宿から、登録有形文化財の宿まで幅広くそろえていく予定だ。

 「Real Mokuzo Ryokan リアル・モクゾー・リョカン 木造の魅力を海外へ伝承する有志の宿」の加入条件には、(1)旅館建造物の木造部分が100%、あるいはそれに近い割合であること(2)外国人客に宿泊体験を満喫してもらうよう尽力すること(3)自館の建物を日本文化の財産と認識し、守り続けること(4)料理内容は和食が中心であること――を挙げている。

 小野氏は「ページビューの数で競うというよりも、日本の木造旅館に興味のある人だけが集まればいい。アクセス数は着実に増やして行きたいと思うが、興味のある人にしっかりと情報を提供していきたい。今年度中に50軒程度を参画募集し、3―4年後には200―300軒を紹介できるサイトに育てていきたい」と語る。

 「日本人以上に日本の木造旅館に価値を見出す世界中の旅行者と、外国人旅行者の誘客ノウハウを持たない木造旅館との仲介役になりたい」。

 今後は英語版に加え、日本語版、中国語版も視野に入れている。さらに「木造旅館」とは別の切り口から、「秘湯の宿」や「一軒宿」というカテゴリーのサイトの立ち上げも予定している。

加賀屋で決算報告会、第22回運営委員を募集中

第21回全国旅館おかみの集い運営委員会
第21回全国旅館おかみの集い運営委員会

 全国旅館おかみの集い運営委員会(畠ひで子運営委員長)は9月6、7の両日、今期最後の運営委員会を石川県和倉温泉の加賀屋で開き、決算報告などを承認した。

 昨年、運営委員長を務めた加賀屋の小田真弓女将が本会終了後、慰労を兼ねて「北陸へお越しください」と呼びかけたが、委員会メンバーの都合がつかず実現しなかった。今期、小田女将がアドバイザーとして委員会活動を支えたことから、畠委員長が「最後の委員会を加賀屋さんで開いては」と提案し、実現。運営委員13人のうち11人が参加した。

 委員会開催のほか、加賀屋の姉妹館、あえの風や虹と海の視察なども行い、加賀屋グループのもてなしなども学んだ。

 第21回の運営委員会は今回で解散する。新たなメンバーも加えた第22回の運営委員会を10月下旬から11月上旬にかけて開く予定だ。運営委員会事務局(旅行新聞新社内)では現在、第22回の運営委員を募集している。

 運営委員参加についての問い合わせ=電話:03(3834)2718。

観光立国教育を全国へ、神戸に関係者600人集う

舩山龍二会長
舩山龍二会長

 第2回観光立国教育全国大会in兵庫が8月22日に、神戸芸術センターで開かれ、観光立国教育を進める行政や団体、観光関係者、教育関係者、全国の教員など計600人ほどが集まり、観光立国教育を全国に広げることを目的に、意見交換や交流が持たれた。また、観光立国教育賞と子ども観光動画大賞の表彰式や、パネルディスカッション、観光立国教育の模擬授業なども行われた。

 舩山龍二大会会長(日本ツーリズム産業団体連合会会長)は、主催者あいさつで「2007年に制定された観光立国推進基本法では、地域住民が観光地形成の積極的な役割を担うことが謳われている。地域固有の資源に愛着と誇りを持つよう、学校教育のなかに『観光』を盛り込む意義は大きい」と述べた。

 
 

 兵庫県の井戸敏三知事は「観光立国を実現するためには、地域住民自らが地域資源を学びアピールしていくことが大切。観光立国教育全国大会は、地域学習推進のよいアピールになる」と評価した。

模擬授業のようす
模擬授業のようす

 観光立国教育賞の表彰式では、総務大臣賞を受賞した静岡市立玉川小学校(静岡県)4年生担任の山本新一先生が表彰された。授業では、玉川をキーワードにマインドマップを作成し、他地域との比較をするなど、玉川の魅力について学び、11月には、町の住民を集め、歴史散策コースやそば打ち体験コースなど4つのコースに分かれ、子供たちがガイドをする、玉川一日体験を予定。

 続くパネルディスカッションでは「観光立国教育をすべての学校で」をテーマに4人が意見を述べた。観光庁観光資源課長の和田浩一氏は「地域を愛する心、旅をする心、旅人を受け入れる心がなければ真の意味で観光立国は実現できない」と強調した。JATA理事長の柴田耕介氏は「旅とはその地域のにおいをかぐもの」とバーチャル世界ではない旅の意義について話した。JNTO理事の寺西達也氏は、訪日前後の日本のイメージで、「日本人が親切」という項目が訪日前の28・9%から訪日後には37・8%に上がっているJNTO調査結果を紹介し、「日本人は世界から見ても礼儀正しく親切。これから外国人観光客と触れ合う機会はさらに増えるが、受け入れる寛容さを忘れないようにしたい」と語った。TOSS代表の向山洋一氏は、観光立国教育賞に触れ「先生が生き生きと教え、生徒が生き生きと学び、発信するメッセージも生きている。この教育が町づくりに繋がる」と評価した。

観光立国教育賞受賞者
観光立国教育賞受賞者

 そのほか、南あわじ市立賀集小学校(兵庫県)の眞山和加子先生、加古川市立平岡北小学校(兵庫県)の小原嘉夫先生、美方郡香美町立兎塚小学校(兵庫県)の井上好文先生、玉川大学教職大学院の谷和樹准教授、長崎市立橘小学校(長崎県)の伴一孝先生が観光立国教育の模擬授業を行い、ポイントなどを紹介した。

 観光立国教育賞受賞者は次の通り。

 『観光庁長官賞』越前市立吉野小(福井県)4年生担任の上木信弘先生『兵庫県知事賞』篠山市立大山小(兵庫県)4年生担任の橋本拓真先生『観光立国教育全国大会会長賞』土庄町立豊島小(香川県)6年生担任の齋藤徳三先生『審査員特別賞』静岡市立清水袖師小(静岡県)6年生担任の杉山裕之先生▽北谷町立北谷第二小(沖縄県)3年生担任の比嘉真弓先生
子ども観光動画大賞受賞者は次の通り。

 『観光庁長官賞』日光市立落合中(栃木県)3年生担任の岩井敏行先生『兵庫県知事賞』西播朝鮮初中級(兵庫県)4年生担任の許鍾萬先生『観光立国教育全国大会会長賞』横浜市立朝比奈小(神奈川県)6年生担任の西尾豊先生『グーグル賞』八幡浜市立喜須来小(愛媛県)2年生担任の前田英隆先生

次期部長に横山氏(土佐御苑専務)2人立候補 初の投票選挙に

次期青年部長の横山公大氏
次期青年部長の横山公大氏

 全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部(井上善博部長)は9月14日、東京都千代田区のグランドプリンスホテル赤坂で臨時総会を開き、次期・第20代(11―12年度)青年部長に、財務担当副部長の横山公大氏を選出した。横山氏は高知県高知市の土佐御苑専務取締役。36歳。

 今回、次期部長立候補受け付け期間中に、横山氏と、政策会議議長の森晃氏(長野県野沢温泉・旅館さかや専務取締役、41歳)の2氏が立候補。40年余りの歴史を持つ全旅連青年部で初めて投票による選挙となった。青年部のホームページ上にも立候補者2氏によるネット演説文や所信が掲載されていた。

 井上部長は「『次代の青年部を背負っていこう』という気概と情熱を持って立候補していただいた2人に本当に感謝している。部長選任選挙という未来を託す重大な任務を各都道府県部長にお願いしたい」と語った。

 その後、立候補届け出順に森氏、横山氏の順に15分間の演説を行った。森氏は「日本の観光はパイの争奪からパイを増やす」必要性を強調し、旅館業界の生き残りへ、有給休暇の取得促進や高速道路料金制度などへの積極的な提言と行動、インバウンド客の集客の重要性などをあげ、青年部で「生き残りに必要な力を付ける礎となる活動をしていこう」と訴えた。

青年部初の部長選挙に
青年部初の部長選挙に

 一方、横山氏は「利他精神~夢を語り、背中を魅せる」をテーマに「DREAM RYOKAN PROJECT」など10項目の活動目標を掲げ、「夢を語らなくなった旅館業界にもう一度わくわくする夢をたくさん打ち出し、実現に向けて取り組みたい」と強調した。さらに「青年部はいい経営者、いい大人になるための修行道場」とし、「今まで培ってきた最高の友人たちのネットワークで最高の2年間を演出したい」と呼び掛けた。

前原誠司国交相も参加
前原誠司国交相も参加

 都道府県の部長47人に投票権が与えられ、選挙管理委員会(伊丹一茂委員長)の定める規約に則り、選任選挙を実施。投票結果は横山氏25票、森氏21票、棄権1票となり、僅差で横山氏が次期青年部長に選ばれた。

 続いて開いた首都圏ブロック大会(波木井孝幸ブロック長)では、観光振興議員連盟会長の川内博史氏が基調講演を行った。その後「民主党議員を囲む若手旅館経営者の集い」には、前原誠司国土交通大臣をはじめ多数の民主党議員が出席した。また、午前中には青年部員らがNHK受信料の見直しと、ホテル・旅館の建物に係わる固定資産評価の見直しを求める陳情活動も行った。

No.259 第2回観光甲子園開催 - 地域を元気にする観光プラン

第2回観光甲子園開催
地域を元気にする観光プラン

 高校生が主役となって地域の観光資源を再発見・再発掘して作り上げた「地域観光プラン」を競い合うコンテスト、第2回「観光甲子園」の本選大会が8月29日、兵庫県神戸市の神戸夙川学院大学を会場に開催された。本選では予選を突破した10校の生徒が、審査委員を前にしたプレゼンテーションを行い、グランプリの文部科学大臣賞に山形県立置賜農業高校、観光庁長官賞に島根県松江市立女子高校が輝いた。「地域を元気にしたい」という高校生の思いと、グランプリを目指した熱戦を取材した。

【関西支社長・有島 誠】

高校生が主役「地域発・観光プラン」を競う、全国75校から125プランの応募

「10校が本選大会に出場」

 「観光甲子園」は全国の高校生が地域の魅力、観光資源を再発見し、地域の人たちの協力も得ながら観光プランを作り、競い合うコンテストで、観光人材育成と観光プラン実現による地域活性化に期待する。同大会組織委員会(委員長・石森秀三北海道大学観光学高等研究センター長)が主催し、同大が共催。文部科学省、観光庁など21団体が後援した。

 プラン募集は4月1日から7月9日まで行い、期間中に北海道から沖縄県まで75の高校が参加。125の観光プランが提出された。

 審査では(1)企画の視点が斬新か(2)地域の魅力が効果的に盛り込まれ活性化するプランになっているか(3)来訪者にとって魅力ある観光プランになっているか(4)費用対効果が適切か(5)企画に説得力があり論理的か――の5項目を基準に書類審査による予選を行い、結果10プランが本選出場を果たした。

出場校が入場して開会式
出場校が入場して開会式

 

※ 詳細は本紙1392号または日経テレコン21でお読みいただけます。

1000万人へラストスパート、羽田国際化で誘客アップ

 日本政府観光局(JNTO、間宮忠敏理事長)は8月31日に会見を開き、9―12月を「訪日外客1千万人達成」に向けたラストスパート期間とし、羽田空港の本格的国際化、地方都市へのチャーター便、クリスマスや年末のイベントなどでさらなる誘客増加を狙うと発表。間宮理事長は「2010年1千万人という大きな目標に1人でも近づけるように、効果的なプロモーションを行いたい」と語った。

 具体的には、10月31日以降に羽田空港への国際線定期便就航を予定しているソウル、シンガポール、バンコク、香港、ロサンゼルス、サンフランシスコ、パリなどの航空会社6社(JAL、ANA、シンガポール航空、タイ航空、キャセイパシフィック航空、ドラゴン航空)や香港などの旅行会社3社とのタイアップ事業を実施。共同広告や相互のサイトバナーリンク、旅行会社向けセミナーによる販売促進支援などで、個人旅行の集客を強化する。
また、上海―茨城、旭川、岡山や、北京―旭川、静岡、神戸、沖縄などのチャーター便を使うツアー販売促進を支援する。

 そのほか、角川マーケティング社とのタイアップによるクリスマスや年末イベントのPRを、簡体字・繁体字・韓国語の3言語のウェブサイトで展開。JNTOの調査で「外国人が訪日前に期待すること」の1位になった「日本食」の魅力発信を強化し、訪日意欲の喚起につなげていく考え。