ヒーリングサロン「おつかれさん」オープン!

 

 東京・飯田橋に、心と体のトータルヒーリングサロン「おつかれさん」が8月20日オープンした。JR飯田橋駅西口から徒歩2分。足つぼマッサージからアロマトリートメント、レイキヒーリング、パワーストーン相談や風水鑑定などが体験できる。火曜定休。

 店内ではクリスタル(水晶)、アメジストによるオリジナルのストーンサークル内で珍しいヒーリングルーム体験ができる。ダイナミックなパワーストーンの空間で全身の気の流れの改善、石の浄化などパワーチャージの場が提供される。15分間2000円より。

※問い合わせ=東京都千代田区富士見2-2-7 ストーンワンビル、電話:03-5215-0203

神輿が海に

 

 伊東市の「伊東秋まつり」が10月14・15日に行われる。室町時代から伝わる海上安全と豊漁を祈願する漁師の祭りで、神輿が海を渡る(海中渡御)名物祭りとして知られる。

 通常の神輿担ぎで発する「ワッショイ、ワッショイ」といった賑やかな声を出さず、神輿の渡御中は一切口を開くことが許されない。口には紙切をくわえる。

 伊東海岸に下りた神輿は波の中へ後ろ向きに50メートル以上も沖に入り、戻るときは浜から綱を持って海に飛び込んで迎えに出る。この海中渡御を3回から5回繰り返す。その後、町中を練りながら神社に上っていく。

 14日は夕祭(よみや)として午後12時30分に式典、同1時30分から3時30分まで神輿お下りを行う。15日の本祭は、午前9時から式典、50分から午後4時まで神輿の渡御を行う。湯川神社の海中渡御は第1回目が午前10時、2回目が同11時10分に行う。松原神社は午後12時に行う。

 問い合わせ=伊東観光協会電話:0557-37-6105。

アンテナショップ「まるごと高知」東京・銀座にオープン

いちむじんの2人、尾崎知事、紫舟さん(左から)
いちむじんの2人、尾崎知事、紫舟さん(左から)

 高知県のアンテナショップ「まるごと高知」が8月21日、東京・銀座1丁目にオープンした。首都圏における高知の「地産外商」拠点として、物産品の販売にとどまらず、文化、観光情報など高知の魅力のまるごと発信を目指す。テーマは、高知の「ヒト、モノ、コト」が首都圏の人々と出会い、ハーモニーを奏でる場――としている。

「地産外商の拠点に」

まるごと高知「とさ市(いち)」
まるごと高知「とさ市(いち)」

 地下1階では、酒・工芸品を販売。県内にある19軒のすべての蔵元・生産者から提供される約300種の日本酒を販売。1階は農産物・加工食品などの食品販売フロア「とさ市(いち)」。ここでしか手に入らない高知の食材やグッズも販売。2階の土佐料理を基本としたレストラン「TOSA DININGおきゃく」は、高知県の食材を使い和洋にとらわれない料理を楽しめる。

 オープン直前の8月19日には内覧会を開き、尾崎正直知事のほか、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の題字を手掛け、まるごと高知のロゴマークを制作した書家の紫舟さん、「龍馬伝」のBGMを担当した同県出身のクラシックギターデュオ「いちむじん」の2人も出席した。尾崎知事は「首都圏では高知県の知名度はそれほど高くないが、『まるごと高知』を、高知県の地産外商の拠点としていきたい。『龍馬伝』のブームが去った後でも、本物の高知の魅力を伝える拠点にしていこうと、2年以上もかけて出店を計画してきた。ぜひここで高知県を体感してほしい」と意気込みを語った。

 9月4―10日までは、旬の戻りかつおを楽しんでもらおうと、「まるごとかつおフェア」を開く。1階「とさ市」では、4、5日にかつおタタキの試食を予定。レストラン「TOSA DININGおきゃく」では、期間中かつおを使ったメニューを特別価格で提供する。
 

日本海望む足湯誕生、開湯110周年で整備(皆生温泉)

足湯のオープニングセレモニー
足湯のオープニングセレモニー

 開湯110周年を迎えた鳥取県米子市の皆生温泉に8月20日、温泉街2つ目の足湯「潮風の足湯」が誕生した。110周年記念事業の一環で、米子市が約1900万円をかけて温泉街の皆生海浜公園の一画に整備した。

 同日、足湯を維持管理する旅館組合(宇田川英二組合長)主催のオープニングセレモニーが行われ、宇田川組合長は「新しい足湯をきっかけににぎわいづくりに取り組み、山陰観光の宿泊拠点を目指したい」と述べた。

 日本海を望む足湯は幅50センチ、長さ4・8メートルのL字型屋根付きで、湯槽には木製のベンチを設置し、一度に15人ほどが入れる。泉質はナトリウム・カルシウム―塩化物泉で、疲労回復などの効果が期待できる。

 利用時間は午前10時から午後9時まで。無料。

カンボジア出発へ結団式、国際ボランティア学生協会

 国際ボランティア学生協会(IVUSA)は8月16日、「第3次カンボジア小学校建設活動」のため、カンボジアへ出発するにあたり、勉強会を兼ねた結団式を行った。

 勉強会では、関西の学生も含め10の班に分かれ、それぞれカンボジアの観光案内所、地雷、宗教とタブー、言語、歴史、教育、経済、環境、ライフスタイルなどについて調べた内容を発表した。

 カンボジアは、ポルポト政権後に教育機関の再建が始まったが、急激な人口増加も影響し、いまだに校舎、教員の数が足りていない状況。小学校は700校舎足りないといわれている。IVUSAでは、カンボジアの教育環境を少しでも良くしたいと、2008、09年に2地域で2校舎を建設した。3年目となる今年は、メコン川沿岸に位置するコンポンチャム州トンレーバット村に5教室1校舎を建設予定。学校建設費用は、学生たちが4月から行ってきた街頭募金で賄う。カンボジア渡航期間は8月17―29日で、日本の学生約50人と現地のカンボジア人学生約10人が活動する。

 学生時代にIVUSAで活動し、卒業後、事務局で働く事業統括担当の外木絢子さんは「募金活動では心ない言葉をかけてくる人もいるが、多くの人から温かい言葉をいただいた。学生たちには、いいことも悪いことも含めて成長の糧になるのでは。カンボジアでは、自分の目でしっかり見て、いろいろ感じてほしい」と語った。

 IVUSAは93年、「ラオスに小学校を建てたい」という大学生の夢からスタート。現在は、国際協力、地域活性化、環境保護、災害救援の4つを柱に活動。カンボジア小学校建設活動をはじめ、今年2月には、南インドの豪雨災害復興支援活動も行った。そのほか、定期的に行う新潟県長岡市栃尾地区のふるさと作り活動や、各地の祭りへの協力、多摩川(東京都)や九十九里浜(千葉県)の清掃――といった環境保護活動、各地の災害救援活動を行っている。

「中国人観光客が期待するもの」YOKOSO!JAPAN大使 孔怡氏が講演

孔怡氏

「差別化できるものが売りに」

 観光地域経営フォーラムは8月4日、東京都内で観光地域経営フォーラム「会員勉強会」を開いた。テレビ・ラジオキャスターとして活躍する孔怡(こう・い)さんが「日本の観光戦略への提言~中国人観光客が期待するもの」をテーマに講演した。YOKOSO!JAPAN大使にも任命される孔怡さんは、大阪を中心に全国各地域の観光プロモーションを手がけている。

 中国人観光客は今後、急増して、2020年には1億人になるともいわれている。世界中の行き先のなかで最初に選ばれるのは、異なる文化を持つヨーロッパ。一巡後、日本への関心も高まってくると思う。中国と日本はすごく近い国。羽田空港と虹橋空港間は2時間半、九州とは1時間半、日帰り旅行もできる。1週間以上の休みがある旧正月の期間中(日本での1月中旬から2月中旬)は、すでに大勢の中国人が日本を訪れている。

 中国人観光客は日本への旅行に何を期待するのか。いろんなことが刻々と変化しているのが今の中国。日本への旅行に期待するものも毎年のように変わっている。風景や温泉、和食を楽しみたいといった次元を超えてニーズは多様化していく傾向にある。

 中国人旅行者というと、すぐに富裕層を連想し、秋葉原や銀座で買い物という図式ができているが、鵜呑みはいけない。家族でゆっくり過ごしたい、余裕があれば少しでもいいツアーに参加したいというのが変化の1つ。

 買いたいものも変化している。例えば、炊飯器を何個も買い込んで帰る人がいるが、その理由はおいしい日本米が食べたいから。中国では、一般のお米の10倍以上の価格にも関わらず、日本米がおいしいと大変人気がある。しかし、中国で食べる日本米よりも日本に来て食べる日本米はさらにおいしい。日本には、いかにおいしくお米が炊けるかを追求した炊飯器がたくさんある。そこで炊飯器に行きつく。

 現在、在日中国人は80万人を超えて、在日朝鮮人を上回っている。その友人を訪ねて旅行している人も多い。口コミがものすごい効果を持っているのも特徴。

 デジカメや化粧品など、中国人旅行客は日本で大量に買い物をするというイメージもあるが、これは関税が日本の方が安い、偽物が氾濫する中国より日本で本物を買いたい、日本エリア限定商品がある、新作が出るのが早い――などさまざまな理由がある。今何が売れているかの表面を追うだけでは、実態はなかなか見えてこない。中国人旅行者のニーズを追うだけの一方通行もダメで、日本人が中国人観光客をどう見ているのかも大事。

 中国とひと言でいっても大変広い国で、北と南、内陸部と沿岸部では言葉だけでなく考え方も異なる。年齢によっても考え方はずいぶん違う。文化大革命を経験した45歳以上の人は、映画などで最初にインプットされたイメージを大事にしていて、その面影を探しに日本に来る。30代は先進の技術、10―20代は日本の漫画、フィギュア、コスプレといったものに興味がある。

 しかし、どのように接すればいいのか、難しく考える必要はない。普通のお客さんと同じように接すればいい。人間だから丁寧に接すれば気持は通じる。来日後、どこへ行くのか。各地域のプロモーションはしっかり行う必要がある。どこも似たようなPRをしていても区別がつかない。一番差別化できるのは何か。それがわかって初めてPRができる。

 観光客が見たいのは、興味を持っていること。観光客の立場で考えれば、県や市や町の区切りも関係ない。広域で連携を取らないと、観光客が求めているものと行政がPRしているものがずれていく。

 そしてプロモーションにはぜひプロの手を入れてほしい。アマチュアだけでやるとチェック機能がない。中国人が見ると違和感のあるものになってしまう。プロが入れば見せ方、言葉の使い方など、微妙なニュアンスの調整ができる。

 中国人は日本に対して、文化や技術などあらゆる面でレベルが高いというイメージを持っている。実際に来てみて、雑なところがあると「なぜ?」となる。期待が大きい分だけ落胆も大きい。今までの観光情報をそのまま多言語展開するプロモーションは終わりにした方がいい。

日本独自の医療観光を、大阪でセミナー開く

セミナーではメディカルツーリズムの将来性などを探った
セミナーではメディカルツーリズムの将来性などを探った

「日本医療への信頼性高い、医療通訳の人材育成が急務」

 訪日外国人のメディカルツーリズム(医療観光)をテーマにしたセミナーが7月22日、大阪市中央区の大阪産業創造館で開かれ、全国から約200人が参加した。

 基調講演では近畿経済産業局総務企画課の遠藤浩規企画係長が「メディカル・ツーリズム政策~これまでと今後~」と題して講演。経済産業省が今春実施した外国人へのモニターツアーでは日本ブランドや日本医療への期待、信頼、ホスピタリティへの満足度は非常に高いという結果が出た。遠藤氏は「医療施設での文化的・宗教面の配慮、多様な対応が求められている」と今後の課題をあげた。

 JTBヘルスツーリズム研究所の高橋伸佳所長は「メディカルツーリズム最前線~巨大ビジネスの可能性を探る~」をテーマに講演。その中で2006年の世界の医療観光者数は年間600万人に達し、受け入れ先としてアジア圏ではタイが年間140万人、マレーシアは07年で34万人、シンガポールは同57万人という実績を紹介。「韓国も09年に5万人を受け入れるなど集客を強化している」と説明。

 高橋氏は「中国人の25・5%が医療目的で海外旅行し、治療は欧米、健診はシンガポールやタイ、美容は韓国と目的別に旅行先を選択している」と述べ、日本の医療観光への対応の遅れを懸念した。

 JTBでは4月に、訪日外国人向け医療観光の専門部門として「ジャパンメディカル&ヘルスツーリズムセンター」を設立。予約手続きの代行や医療知識のある通訳の手配、病院までの交通や宿泊手配などの取り組みを始めた。

 高橋氏は「国内医療機関と患者をつなぐ仲介役の存在が重要。日本が持つ医療技術の高さや信頼性のPRに加え、24時間体制でサポートできる医療通訳などの人材育成、医療リスクや説明責任などの課題をクリアする必要がある」と指摘した。

 このあと「メディカルツーリズムと周辺ビジネスの可能性を探る」と題したパネルディスカッションも行われ、高橋氏をコーディネーターに、日本渡航医療会理事長の西山利正関西医科大学教授、有馬温泉の旅館「兵衛向陽閣」の西浦圭司営業企画課長、近畿経済局の遠藤氏がパネラーとして登壇した。

 西山氏は医療現場の立場から「高い医療知識と言語能力を持った医療通訳の人材育成が急務。日本の高度先進医療技術や、美容整形技術を観光と組み合わせれば、日本ならではの医療観光を促進できる」と語った。

 「向陽閣」の西浦氏は「香港、韓国、中国からのお客様が多く、スタッフは月4回の語学研修で英・韓・中の語学を習得し、自社ホームページは4言語に対応している。中国語の発音には苦労している」と現場の状況を報告。

 一方で「当日のキャンセル料が取れないことや時間にルーズ」などマイナス面にも触れた。
遠藤氏は「関西に海外から医療観光を誘致するにはポテンシャルの明確化が必要。2府5県にとらわれずエリアでPRする必要がある」と述べた。

 高橋氏は「医療観光は団体ではなく個人が主流になる。日本ならではの湯治やリハビリ技術がPR材料だ。まだ外国人に対応できる医療機関が少なく、決済システムの構築も課題だ。早急に日本流のメディカルツーリズムを作る必要がある」と強調した。

田んぼから未来を考える、大崎・佐渡・豊岡3市長が授業

わらび座  響による芸能も披露
わらび座 響による芸能も披露

 マガンの里・宮城県大崎市、トキの郷・新潟県佐渡市、コウノトリの郷・兵庫県豊岡市の3市が連携し8月9日、東京大学弥生講堂で、「田めになる学校」を開いた。子供たちを対象に、田んぼから未来を考えようという取り組み。3市長や東京大学の学生が先生となり授業形式で進行。子供たちは、田んぼを舞台に、さまざまな植物や動物が複雑に関係し合う生態系の仕組みを学んだ。

 大崎市内の蕪栗沼・周辺水田、化女沼は、国際的に重要な湿地を守るラムサール条約湿地に登録される。蕪栗沼周辺では、冬の田んぼに水を張る「ふゆみずたんぼ」など、水鳥と共生した農業が10年ほど前から行われている。伊藤康志市長は「水田は冬の間、水鳥のねぐらになる。シベリアから15万羽が越冬のためにやってくる」と説明。そこでとれるお米は「地域ブランド」として高値で取引され、地域に恩恵をもたらしているという。

 佐渡では農薬、化学肥料を減らした環境にやさしい米づくりに取り組む。絶滅の危機にあったトキは人工飼育を経て08年に放鳥された。髙野宏一郎市長は「日本の田んぼは、いつからかたくさんの米を作るのが目的の生産工場になってしまった。自然のなかでバランスのとれた生態系にもっていくことが大事」と話した。

 豊岡市は、絶滅が危惧されていたコウノトリを40年以上に及ぶ人工飼育を経て野生復帰に成功した。中貝宗治市長は「田んぼはいろいろな生き物を養う場。一番うれしかったのは田んぼに子供たちが戻ってきてくれたこと。知恵と行動する勇気を持ってほしい」と語った。

 市内の小・中学校では、週1回、「コウノトリ育むお米」が給食に出される。子供たちの要望を受けて実現。年間、茶碗34万杯、栽培面積7ヘクタール分が消費されるという。

スポーツ観光マイスター、“日本の観光の顔に”第2弾

溝畑長官を囲むマイスターたち
溝畑長官を囲むマイスターたち

 観光庁は8月6日、「スポーツ観光マイスター」の第2弾任命式を行った。今回は、北京オリンピックで日本ビーチバレー男子史上初の勝利をあげた朝日健太郎氏、2009年ジャパンツアー第2戦東京大会で優勝した女子プロビーチバレー選手の浦田聖子氏、世界4位でアジア記録の115メートルを持つプロフリーダイバーの篠宮龍三氏、メキシコ、ミュンヘン、モントリオールとオリンピック3大会で5個の金メダルを獲得した元体操選手の塚原光男氏の4人が選ばれた。

 溝畑宏観光庁長官は「日本には世界からみても素晴らしいスポーツ資源がたくさんある。選手の皆さんはもとより、フィールドである海・山・高原なども『美しい自然』だ。マイスターの皆さんには観光の顔となって、一緒に観光立国日本を盛り上げてほしい」と熱く語った。

 朝日選手は「海外の試合に行くと、『日本のビーチはどうなの?』と海外の選手から聞かれることが多く、日本のスポーツ環境やビーチに関する関心が高い。今までは自分のプレーだけを考えていたが、今回の任命を受け、改めて『観光』という側面に着目し、日本の活性化へとつなげていきたい」と述べた。

 「スポーツ観光マイスター」とは、世界的な知名度を生かしてスポーツを核とした観光PRをしてもらおうと、全国的・世界的に活躍するスポーツ選手を観光庁が任命する。7月に任命式を行った第1弾では、元レーシングドライバーの寺田陽次郎氏、元サッカー日本代表監督フィリップ・トルシエ氏、トライアスロン選手の小原工氏の3人が任命されている。

余暇市場70兆円割れ、「ドライブ」「自転車」参加増加

 日本生産性本部が7月30日に発表した「レジャー白書2010」によると、2009年の余暇市場は、前年比4・3%減の69兆5520億円と縮小した。景気低迷に新型インフルエンザの流行が重なり、1989年以来の70兆円割れとなった。“3D映画元年”“電子書籍元年”など技術革新による新市場開拓の活発化や、高速道路料金値下げによる「ドライブ」、また「サイクリング・サイクルスポーツ」の参加人数の増加も目立った。特別レポートでは、10年後の「2020年の余暇」も展望している。

 「旅館の売上10%減少」

 09年の余暇活動参加人口は、「ドライブ」が高速道路料金値下げの恩恵を受け、初めての首位となった。しかし、「『安・近・短』傾向が強く、支出や宿泊数の大幅な拡大にはつながらなかった」(柳田尚也主任研究員)としている。2位は「国内観光旅行」、3位は長く首位の座にあった「外食」が不況や低価格化のあおりを受け3位にランクを落とした。9位から6位に上昇した「動物園、植物園、水族館、博物館」や、(17位→13位)の「ピクニック、ハイキング、野外散歩」などの手軽な行楽系の種目が引き続き高い人気となっている。

 余暇関連産業・市場の動向をみると、「スポーツ部門」(同2・4%減)は、ランニング関連用品・スポーツ自転車が好調。石川遼選手などの活躍で、ゴルフ練習場はプラス成長となったが、ゴルフ場の売上は減少した。フィットネス市場も会員減で縮小した。

 趣味・創作部門(同4・2%減)は、「アバター」の大ヒットなど3D映画元年といった技術革新による新市場開拓の試みが相次いだ。

 娯楽部門(同3・4%減)は、パチンコが6年連続の減少。ゲーム、ギャンブル市場も軒並み低下した。低価格競争が激しい「外食」は既存店が落ち込んだ。

 観光・行楽部門(同9・4%減)は、新型インフルエンザの影響で遊園地・テーマパークの入場者数は同2・7%減。旅行業の取扱額は同2・8%減。国内旅行が同2・2%減に対し、海外旅行は同4・0%減と落ち込みが大きかった。旅行業については「従来の少品種多人数送客のパッケージ旅行商品をパンフレット主体で店頭販売するビジネスそのものが疲弊し、市場ニーズに合わなくなっているという指摘もある」。

 ホテルの売上は同6・0%の減少。旅館は同10・0%減と大きく落ち込んだ。

■「リバイバル需要」   を掘り起こす

 人口減少・少子高齢化が進むなか、過去に経験した余暇活動種目をもう一度引き戻す「リバイバル需要」の掘り起こしにも注目する。すでにその活動の楽しみ方を知っている人たちは、新規顧客に比べて需要掘り起こしのハードルが低い。「眠れる経験」へのアプローチによって、失われた需要を呼び覚ますことが期待できる。調査では、「海外旅行」「水泳」「観劇」「オートキャンプ」「登山」「スキー」などに過去参加した経験者の潜在需要(現在実現していないニーズ)が大きいという結果が表れた。

■「2020年の余暇」とは

 特別レポート「2020年の余暇 人口減少社会への調整」では、10年後の余暇の需要構造の変化について展望している。現在と今後の「余暇に求める楽しみや目的」を比較した結果、「今後」のニーズが「現在」を10ポイント以上上回ったのは(1)社会や人のために役立つこと(2)健康や体力の向上を目指すこと(3)ぜいたくな気分にひたること(4)実益(収入)に結びつくこと――の4項目。(1)(2)は高齢層、(3)(4)は熟年層に多かった。若い世代は自分への投資や自分磨き、高齢層は社会参加への意識の高まりなど、「余暇=オフ、余暇活動=娯楽や気晴らし」といった従来のイメージを脱却した「新しい余暇価値観が胎動しつつある」と指摘。そのうえで、「こうした人々のニーズに応えることによって、レジャー業界も新たな需要や顧客の創造、人口減少社会におけるさまざまな社会的課題に応えていくという展望も描ける」として、(1)健康(2)地域(3)教育・学習(4)IT(5)環境――の5つのテーマに整理し、対応の方向性を探っている。