休暇改革に提案
「年休取得倍増プラン」
政府は3月に示した休暇分散化案(全国を5ブロックに分割し、春と秋に順に5連休を設置)に対して、多方面からの提案や意見を求めている。休暇改革を長年研究している観光地域経営フォーラム・研究コーディネーターの丁野朗氏は、年休取得倍増プラン「ハッピー・スマイルウイーク」の創設を提案する。サービス・ツーリズム産業労働組合連合会・副事務局長、政策局長の杉﨑勇一氏は、新たな休暇制度導入には広範な議論を求めている。それぞれの提案・意見を紹介する。
【増田 剛】
――今年3月に全国を5ブロックに分割し、春と秋の2回、順々に5連休を設定する休暇分散化の政府案について。
現在の政府案については、各界のヒアリングや実証実験を急いでいるが、未だ政策アセスメント(事前影響評価)が示されていないこともあり、産業界や労働界、さらには一般国民は少なからぬ不安を抱いている。
本来なら、ハッピーマンデーを廃止して新たにつくる5連休プランと、既に定着したハッピーマンデーを拡充して休暇分散をはかるプランの、どちらの経済波及効果が大きいか、国民の支持が得られるかといった政策評価のうえで、国民に信を問うべきではないか。
4つの祝日を月曜日に移動することによる経済波及効果は約2兆9千億円と試算されている。そのハッピーマンデーを継続し、秋口などに新たに5連休をつくるという案なら確実に経済効果も高まるが、「やってみなければわからない」では、観光産業としても不安を感じるのではないか。
ハッピーマンデーは、お盆、年末年始、ゴールデンウイーク(GW)のほかに、「3連休のかたまりを3―4つ設置して休暇を分散化させる」というのが当初からの目的であった。そこに有給休暇をくっつけると、4連休、5連休、場合によっては1週間程度の長い週末「ロングウイークエンド」が幾つかできる。ハッピーマンデー制度導入時には、観光はもとより、医療や福祉、児童など55もの団体が連携し、4年の歳月をかけた国民運動が展開された。その過去の成果を清算する新制度の導入には、相当に注意深い取り組みが求められる。
※ 詳細は本紙1387号または日経テレコン21でお読みいただけます。