No.255 休暇改革に提案 - 「年休取得倍増プラン」

休暇改革に提案
「年休取得倍増プラン」

 政府は3月に示した休暇分散化案(全国を5ブロックに分割し、春と秋に順に5連休を設置)に対して、多方面からの提案や意見を求めている。休暇改革を長年研究している観光地域経営フォーラム・研究コーディネーターの丁野朗氏は、年休取得倍増プラン「ハッピー・スマイルウイーク」の創設を提案する。サービス・ツーリズム産業労働組合連合会・副事務局長、政策局長の杉﨑勇一氏は、新たな休暇制度導入には広範な議論を求めている。それぞれの提案・意見を紹介する。

【増田 剛】

 ――今年3月に全国を5ブロックに分割し、春と秋の2回、順々に5連休を設定する休暇分散化の政府案について。

 現在の政府案については、各界のヒアリングや実証実験を急いでいるが、未だ政策アセスメント(事前影響評価)が示されていないこともあり、産業界や労働界、さらには一般国民は少なからぬ不安を抱いている。

 本来なら、ハッピーマンデーを廃止して新たにつくる5連休プランと、既に定着したハッピーマンデーを拡充して休暇分散をはかるプランの、どちらの経済波及効果が大きいか、国民の支持が得られるかといった政策評価のうえで、国民に信を問うべきではないか。

 4つの祝日を月曜日に移動することによる経済波及効果は約2兆9千億円と試算されている。そのハッピーマンデーを継続し、秋口などに新たに5連休をつくるという案なら確実に経済効果も高まるが、「やってみなければわからない」では、観光産業としても不安を感じるのではないか。

 ハッピーマンデーは、お盆、年末年始、ゴールデンウイーク(GW)のほかに、「3連休のかたまりを3―4つ設置して休暇を分散化させる」というのが当初からの目的であった。そこに有給休暇をくっつけると、4連休、5連休、場合によっては1週間程度の長い週末「ロングウイークエンド」が幾つかできる。ハッピーマンデー制度導入時には、観光はもとより、医療や福祉、児童など55もの団体が連携し、4年の歳月をかけた国民運動が展開された。その過去の成果を清算する新制度の導入には、相当に注意深い取り組みが求められる。

※ 詳細は本紙1387号または日経テレコン21でお読みいただけます。

バブル後世代は“嫌消費”、第15回海外旅行動向シンポ(日本交通公社)

「若年層の減少止まれば上昇軌道」

 日本交通公社は7月23日、東京都千代田区の経団連会館で「えっ!海外旅行がカッコ悪い!?~今時の“ガールズ”意識とは~」をテーマに、第15回海外旅行動向シンポジウムを開いた。全体を通して若年層へのアプローチに焦点をあて、今後の海外市場を探った。

 第1部は、観光文化事業部主任研究員の黒須宏志氏が、「トレンドの転換点となるか、2010年!?」として、最新データから次の成長ステージを予測。そのなかで、「近年の海外旅行者数は高経験者層が回数を増やして支えている状態」とし、減少している低経験層の若者層が、増加するか下げ止まることで、「下降軌道」から「横ばい」か「上昇軌道」に軌道修正できるとした。

 また、09年の注目ポイントとして、20代女性の旅行者数が、第1四半期の世界同時不況の最中に反転してプラスになったことを紹介。「20代女性の3割減が市場低迷の要因だった。何をしても動かなかった層が、この時期に動くのかと驚いた」と本音を語った。これは親の世代の50代後半女性にも当てはまるため、「要素は外的要因だけでなく、マインドと結びついている」とした。

 今後5―10年は、若年層の下げ止まりやシニア層の着実な伸び、ローコストキャリア(LCC)を含む航空選択肢の拡大などのプラス要因を列挙。「長い目で見れば上昇軌道」と予想した。また、今年の年間旅行者予想値も上昇修正し、1690万人とした。

 第2部はジェイ・エム・アール生活総合研究所代表取締役の松田久一氏が「世代論から見えてきた“バブル後世代”の特徴」と題して講演。松田氏は、日本人の消費行動を7世代に分けて分析。学童期にバブル崩壊を経験した27―31歳までを「バブル後世代」と名付けている。

 この世代の特徴は“嫌消費”で消費の嫌な3Kに「車・家電・海外旅行」があるという。「バブル崩壊が横たわって消費につながらない。収入の低下以上に支出を抑えている。現在、商品を作っている40、50代とは価値観が真逆」と指摘した。

 そのうえで、攻略法として(バブル後世代の)「市場性を見極める」「対話する」「欲望に対応する」「ビジネスモデルを考え直す」「多世代チームで対応」の5つを挙げた。関心項目は、上の世代の車に対しバブル後世代は自転車、酒・ビールは缶コーヒー・水など日常生活の充実にあることから、旅行商品も「ちょっとしたお出かけの長距離化と捉えたほうがいい」と語った。

 第3部は東京ガールズコレクション(TGC)実行委員会チーフプロデューサーを務める永谷亜矢子氏が「ガールズマーケットの刺激策、教えます」と題して登壇した。

 そのなかで、平均年齢23・6歳の女性に行ったアンケートを紹介。旅に行く場合は、「目的から場所を選ぶのではなく、『行く場所』を決めてからそこで何をしようか考えているので、地域ブランディングが重要。情報は、有名人などのブログや口コミから得るので、女の子が憧れる人を起用するのが有効」とアドバイスした。

 

1日平均378件で緩和前の2.1倍、中国個人ビザ発給件数顕著な伸び

 観光庁の溝畑宏長官は7月28日に開いた専門紙との会見で、中国人個人ビザ発給条件緩和後の発給累計は5836件(7月8―23日まで)だったと発表した。1日平均は378件と、条件緩和前の6月に比べ2.1倍(6月平均は182件)、前年同月比からは6.6倍(平均は57件)と大幅に数字を伸ばした。

 溝畑長官は「すでに発給を行っていた上海と北京、広州は著しく数字が伸びた」とし、今回新たに発給を開始した4カ所については「3カ月は様子見が必要」と語った。また、7月上旬に中国を訪問した際の感触から、「日本への関心は高い。これが発給件数にもつながっている」と所感を述べた。

北京に日本留学の広報拠点、留学生30万人計画に向けて(JTB)

 JTBは9月を目途に、中国・北京市に日本留学の広報拠点となる「中日留学信息中心」を設置する。政府の「留学生30万人計画」を受けて、同社は昨秋からグループの海外拠点網を活用し、日本の大学が共同で利用できる「海外大学共同利用事務所」(JCSIJ)開設に向けた準備を進めてきたが、JCSIJ第1号として北京市のビジネス街に設置する。

 事務所には、参画した日本の大学の執務スペースのほか、現地学生が日本留学に関する情報を収集できるスペース、留学相談コーナーなどを設け、大学に代わって情報提供する。また、各参画大学に対しては、個別の要望に基づいて、現地校の情報調査やアンケートによる市場調査、現地学校への営業セールス代行、留学説明会の開催、留学申請用書類・留学ビザのチェックなど各種サービスを行う。今後はソウルや台北でも各種調査やPRなどのサポート体制を整えていく考え。

 日本学生支援機構によると、日本国内の留学生受け入れ数の第1位は中国で、09年5月現在、全体の59・6%を占める。一方、09年度の中国人留学生の留学先はアメリカ、オーストラリア、イギリスに次ぎ、日本は4位で全体の7・8%にとどまっている。JTBは「中国は海外への留学生数が毎年20%強ずつ伸びており、日本の大学は留学生獲得に期待を寄せている」とし、「中国の学生に対して留学先としての日本を意識づけし、学生獲得のための活動を支援していきたい」としている。

訪問率1位は新宿、中国人は秋葉原がトップ(JNTO訪日外客訪問地調査2009)

 日本政府観光局(JNTO)は7月30日に、「JNTO訪日外客訪問地調査2009」を発行した。1万5355人の訪日外国人旅行者を対象にインタビューを行った報告書で、日本国内の訪問地や旅行形態などを調査。これによると、09年の都市・観光地別の訪問率は、新宿が34・8%でトップ。中国旅行者のみでは、秋葉原が42・4%で最も多かった。観光客が訪日前に期待したことは、「日本の食事」(58・5%)が「ショッピング」(48・5%)を抜いて初めて1位となった。

 「日本の食事」に期待

 同調査によると、回答者のおおよそ3人に2人が関東を訪れ、3人に1人が関西、5人に1人が中部、10人に1人が九州を訪れる傾向にある。

 都道府県別の訪問率上位は、(1)東京(58・8%)(2)大阪(24・4%)(3)京都(20・6%)(4)神奈川(16・7%)(5)千葉(12・7%)(6)愛知(9・6%)(7)福岡(8・6%)(8)北海道(8・0%)(9)兵庫(7・9%)(10)山梨(6・8%)となった。北海道が兵庫県を初めて上回り8位になったほか、中国人に人気の高い山梨県がトップ10位に入った。

 都市・観光地別訪問率では、新宿が(34・8%)で04年の調査開始以来首位を続けている。以下(2)銀座・有楽町(25・4%)(3)浅草(25・0%)(4)大阪市(23・5%)(5)渋谷(20・3%)(6)京都市(20・2%)(6)秋葉原(20・2%)(8)上野(19・3%)(9)原宿・明治神宮(17・3%)(10)六本木(15・4%)の順で、東京都心部エリアが上位を占めた。温泉地では、20位に箱根(7・1%)、22位に札幌・定山渓(6・6%)、23位に神戸・有馬温泉(6・5%)がランクインした。

 観光客が訪日前に期待したこと(複数回答)では、「日本の食事」が「ショッピング」を抜いて初めて1位となった。3位は「温泉」(43・4%)、4位は「自然景観、田園風景」(41・8%)、5位は「伝統的な景観、旧跡」(37・6%)となった。

 さらに、「日本の食事」に満足した回答者を対象に、とくに満足したメニューを聞いたところ(1)寿司(42・1%)(2)ラーメン(20・8%)(3)刺身(19・8%)(4)天ぷら(11・1%)(5)うどん(8・9%)が上位にランクした。

 訪問目的は、観光が48・8%、商用が30・6%とこの2つで約8割を占める。観光客の旅行形態では、個人旅行が63・8%と08年の57・5%から大きく伸びた。

邦人援護件数3.7%増、政情不安のタイがトップ(外務省 09年度)

 外務省はこのほど、2009年の海外邦人援護統計を発表した。それによると海外における事件・事故などにかかわる総援護件数は前年比3・7%増の1万6963件、総援護人数は同4・1%増の1万8843人となった。海外渡航者数は同3・4%減と3年連続で減少しているなか、総援護件数と総援護人数は2年連続で増加した。

 分類別でみると、強盗・窃盗・詐欺(被害犯罪・財産犯)が1・3%増の5160件、遺失(旅券・財布等)が5・0%減の2672件、その他(事故・犯罪加害・他案件)が9・7%増の9131件。内訳は窃盗が4334件(構成比25・5%)、遺失が2672件(同15・8%)、所在調査が1648件(同9・7%)、疾病が949件(同5・6%)など。

 地域別では、アジアが5・2%増の7305件と最も多く、次いで欧州が3・2%増の4056件、北米が4・2%増の3409件、中南米が2・4%減の736件、大洋州が4・4%減の734件、アフリカが6・4%増の432件、中近東が0・7%減の291件。

 在外公館ごとの援護件数をみると、タイが1193件と最も多く、(2)上海1071件(3)フィリピン927件(4)ロサンゼルス742件(5)フランス684件(6)ニューユーク668件(7)イギリス657件(8)韓国641件(9)香港629件(10)中国451件など。

 疾病者はアジアが最も多く681人、次いで欧州が125人、北米が81人と続く。行方不明者はアジアが63人、欧州が21人、北米が16人など。麻薬犯罪者は合計56人中、アジアが34人と6割以上を占めている。

着地型のバリアフリーツアー、介護する人も楽しめる旅へ、神戸、別府の旅行会社が企画

 兵庫県神戸市で5年前から活動するNPO法人「ウイズアス」 (鞍本長利代表)は行政、観光・交通事業者、福祉団体、大学などと連携して神戸ユニバーサルツーリズムを実践。現地でのサポート体制を整え、発地からの介助者同行の経費負担を削減。気軽に神戸観光を楽しめるようにした。

 滞在中のケアを障がい者や高齢者を持つ家族などと打ち合わせ、宿泊施設へ情報提供や必要に応じた入浴、食事の介助人派遣、観光時のリフト付タクシーなどの手配、車イス、吸引器などのレンタル、緊急時の医療サービス、コンシェルジュ、手話通訳などさまざまなサポートを行っている。

 この5月には第2種の旅行業資格も取得。着地だけでなく神戸発のツアーも企画し、伊勢志摩のバリアフリー宿を販売している。さらに北海道、沖縄、熊本などで活動するNPOと連携したツアーも企画。10月には沖縄2泊3日のバリアフリーツアーの発売を予定する。

 鞍本さんは「国の補助事業など活用してユニバーサルツーリズムを進めてきたが、財政的に自立しないと長続きしない。旅行業取得でツアー販売ができれば、収益も見込め全国にUTが拡大できる」と期待を強める。

 一方、大分県別府市で7年前から旅行業(旅行業第2種)を営む企業組合オフィスケイ(栗屋しのぶ代表理事)が、旅行の新分野として乗り出す「着地型バリアフリー旅行商品“別府やさしい旅”の開発と販路開拓事業」が、経産省の補助事業「地域産業資源活用事業計画」に6月17日認定された。

 手話通訳やヘルパー2級資格を持つ組合員が多く、バリアフリー旅行への関心は高かった。認定を受けたことで、今年度から別府温泉のモニターツアーやヘルパー資格を持つトラベルサポーターの養成などを行い、2012年度にバリアフリー事業取扱人数280人、売上4500万円を目指す。

 7月17、18日には全盲と車イス夫婦のモニターツアーも実施し、受け入れの課題を学習。今後3回のツアーを実施し、11月からはトラベルサポーターの講座もスタートさせる。栗屋さんは「別府の温泉を生かした長期滞在やリハビリなどツアーに取り入れたい」と意欲を燃やす。

2010年度日本観光ポスターコンクール入賞作品

 

 金賞の国土交通大臣賞に輝いたのは、東日本旅客鉄道東京支社の「夏の家族は、北東北。―小岩井農場・五能線千畳敷駅」――。日本観光協会(西田厚聰会長)は6月に開いた2010年度通常総会で、10年度「第60回日本観光ポスターコンクール」の入賞作品を表彰した。専門審査委員の小谷育弘氏(武蔵野美術大学名誉教授)と北山孝雄氏(北山創造研究所代表・プロデューサー)、篠崎日向子(宣伝会議「広報会議」副編集長)に加え、共催、協賛、後援団体などが審査を行い、応募総数268点・448枚のなかから、金賞1点、銀賞7点、入賞9点の計17点を選出した。

〈入賞作品〉

入賞作品は次の通り。

 「もうひとつの日本・東北―冬―(輝)」(東北運輸局企画観光部国際観光課東北観光推進機構海外事業部)▽「孤高草津」(草津温泉観光協会)▽「本物を求めて、犬山へ。」(犬山市観光協会)▽「姫路書寫山圓教寺~一千年の妙味。~」(姫路市観光交流推進室)▽「神戸観光ポスター『泊まりがけでゆっくり旅したくなる街、神戸』(神戸ポートタワー・神戸スイーツ)」(Feel KOBE観光推進協議会)▽「オモヒデをさがしませんか 大和のふるさと呉・思い出づくりしませんか 大和のふるさと呉」(呉市観光振興課)▽「山鹿の四季(八千代座イラスト・彼岸花・平山温泉)」(山鹿市商工観光部観光課)▽「万田抗」(荒尾市建設経済部商工観光課)▽「わんな~島」(やんばる国頭の森を守り活かす連絡協議会)

2次交通手段として、旅館で格安レンタカー(熱川温泉)

「7軒が空き駐車場活用」

 温泉地とレンタカーチェーンが新たなビジネスモデル――。静岡県東伊豆町の熱川温泉組合(小倉吉太郎組合長)の7軒の宿泊施設は7月16日から、中古車レンタカー事業を全国展開するワンズネットワーク(島一徳社長、千葉県習志野市)と提携。低価格のレンタカーを旅館・ホテルで借り、旅館・ホテルに返却するという新しいスタイルのレンタカー事業をスタートさせた。

 旅館・ホテルは空いた駐車場を活用することで、通常のレンタカー料金を約半額に抑えて提供できるようにした。宿泊先で申し込み手続きから返却まで一貫して行える簡便さに加え、格安の料金設定により、宿泊機会の増大や延泊につなげたい考えだ。

 同事業に参画する宿泊施設は、紫雲閣ホテルオグラ、熱川一柳閣、熱川温泉粋光、熱川館、ホテルカターラ福島屋、臨泉閣、熱川プリンスホテルの7軒。小倉組合長は「お客様の2次交通手段として、レンタカーの潜在需要は認識していた。まず7軒の宿泊施設で実験的にスタートし、今後、熱川温泉の滞在スタイルの多様化に繋げたい」と期待している。

 一方、ワンズネットワークは06年7月、全国で初めて良質な中古車利用により、従来の半額以下の料金を実現した、格安レンタカー事業「ワンズレンタカー」のフランチャイズチェーン(FC)展開を開始。最近は、立体駐車場やホテルなどとのFC契約を強化している。今回の熱川温泉との取り組みは、「新たなビジネスモデルを観光振興に応用するテストケース」と捉えている。

 利用料金はMクラス(マーチなど)1時間1050円、当日2625円、24時間3150円、Lクラス(プレマシーなど)同1260円、同4200円、同5250円。1BOXクラス(セレナ)1時間1575円、当日7350円、24時間8400円に設定。

8月22日まで展開、「うなぎの街成田」PR

「市内77軒がスタンプラリー」

 千葉県の成田市観光協会は7月14日から8月22日まで、市内の飲食店や物販店77店舗が共同で「成田うなぎ祭り」キャンペーンを展開している。成田と古くから深い関係のあるうなぎの消費促進と、成田のうなぎのイメージアップが目的で今年が6回目。

 期間中には、参加店舗に成田うなぎ祭りののぼり旗を立て、1千円の食事や買い物をすればスタンプが1つもらえる(1店舗最大2つまで押印)スタンプラリーを行っている。スタンプが3つ集まると、海外旅行や市内ホテル・旅館のペア宿泊券、成田の物産品豪華詰め合わせなどが抽選で当たる。

 成田うなぎ祭り初日の7月14日には、成田駅(JR・京成両駅)で成田市観光キャラクター「うなりくん」も登場して、うなぎマップ配布などのPR活動を実施した。

 成田周辺は古くから、印旛沼で獲れた川魚料理を食しており、なかでも栄養価の高いうなぎ料理は、地域の食文化として定着してきた。元禄時代になると、成田詣など江戸から行ける行楽地として繁栄。門前町の旅館では、夏場のうなぎ料理を売り物として、宿泊客をもてなした。

 距離800メートルの成田山表参道は現在でも古くからの旅館や料理店が軒を連ね、このうち約60店がうなぎ料理をメニューに入れていることから、全国でも稀なうなぎの街として、今後もPRしていく考えだ。

 問い合わせ=成田市観光協会 電話0476(24)3198。