東京定観4.5%増に、10年度は76万人目指す(はとバス共栄会)

 はとバス共栄会(前田伸会長、427会員)は7月7日、東京都内で2010年度総会を開いた。好調な定期観光特別企画「喝采!!はとバス劇場」の第3幕への協力・協賛やCS増進を目的とした研修会の実施などを重点事業とした。

 前田会長は「お客様、観光事業者、地域・地場産業にと三方にいいのが観光。観光立国を最初に述べられたのは松下幸之助氏といわれているが、私たちがようやくそれを実現できるチャンスがきた」とあいさつ。「共栄会メンバーそれぞれが魅力を磨きあげ、高めていくことが求められる。はとバスと車の両輪となり10年度事業をしっかりと進めたい」と語った。

 はとバスの松尾均社長は「リーマンショックや新型インフルエンザの発生など、厳しい1年だったが、社員みんなで汗を流し知恵を出した」と前年度(09年7月―10年6月)を振り返った。前年度の利用人員は定期観光が4・5%増の69万1000人、企画旅行が4・1%減の29万6400人、合計で1・8%増の98万7400人。昨年11月から41年ぶりに導入した2階建てオープンバス「オー・ソラ・ミオ」や、OGガイドによる昭和の歌謡曲ショーで東京を案内する「歌ドライブコース」など、新しい試みが好調だった。

 今期の取り組みについては「『はとバス劇場』を軸に、話題の先取り、一つ先を行く取り組みが必要。一方でマーケットニーズをとらえ、価格訴求型の商品づくりもしっかり行っていく」と語った。

 また、ビザ緩和で増加が見込まれる中国人旅行者については「大きなマーケット。訪日外客への対応のあり方を見直していきたい」と語った。

 10年度は、定期観光76万人、企画旅行30万人、合計で106万人の目標を立てた。

ASXが3社吸収合併、今年10月目途、2500億円規模に(ANAグループ)

 全日本空輸(ANA)グループ販売会社のANAセールス(ASX)と、ANAセールス北海道、ANAセールス九州、ANAセールス沖縄の4社は、7月15日に開いた各社の臨時取締役会で、今年10月1日に合併することを決めた。ANAセールス(浅川修社長)を存続会社として、3社を吸収合併する。4社の合計取扱額は2488億1700万円(10年3月決算時)となる。

 ANAグループは現在、「2010―11年度経営戦略」に則して、グループの販売体制についても機動力、実行力の向上、機能集約と体制の効率化に取り組んでいる。

 今回の合併によって国内におけるANA航空券販売に加え、国内パッケージ「スカイホリデー」、海外パッケージ「ハローツアー」など旅行事業を運営するANAセールスに一社化することで、重複機能の集約をはかる。また、人材のさらなる活用に向けて、人事流動性の向上を前提とした運営形態を目指す。

09年参加人口750万人、13年ぶりの増加で定着(オートキャンプ白書2010)

 日本オートキャンプ協会(長谷川純三会長)は7月7日、「オートキャンプ白書2010」の発表会を行った。これによると、09年のオートキャンプの参加人口は、前年比6・4%増の750万人と、08年の705万人から45万人も増加した。1996年の1580万人をピークに下降線を辿ってきたが、13年ぶりに上昇に転じた。「若い女性のアウトドアの参入など、ビギナーキャンパーの参入が大きな特徴」としている。

「若い女性などビギナー参入」

 オートキャンプの参加人数は、05年から700万人台前半で推移していたが、高速道路ETC1千円割引制度や、ガソリン代の安定などが追い風となり、09年は750万人と13年ぶりに上昇に転じた。長谷川会長は「700万人を底に、日本のオートキャンプが国民的レジャーとして定着した証」と分析する。

 09年は9月の「シルバーウイーク」や、台風の接近数が平年の10・8個を下回る8個と比較的穏やかな天候に恵まれたことも大きなプラス要因になった。

 キャンパー動向では、キャンプの経験年数「1年未満」が全体の22・9%を占め、前年比で5ポイント増加した。平均経験年数も6・6年と、08年に比べ0・6ポイント減少し、多くのビギナーキャンパーが参入したことが伺える。

 また、キャンプが「経済的なレジャー」として、テレビ番組や雑誌などの特集で数多く取り上げられたことも、ビギナー増加の大きな要因にあげられる。

 同協会では「アウトドアファッションを中心とした女性専門誌の創刊など、若い女性のアウトドアへの参入が大きな流れ。これら若い女性に向けて、キャンプ場では、宿泊から食事の準備まですべてスタッフが用意するサービスが登場するなど多様な展開が新たに生まれており、マスコミの関心を集めた」とみている。

 キャンパー(活動の中心となっている人、主に世帯主)の年齢構成をみると、30―39歳が46・1%と最も多く、40―49歳が34・1%と30―40歳代が約80%を占め、子育て世代が中心。20―29歳は6・6%で、50―59歳の7・9%には及ばなかった。

 全国のキャンプ場289カ所から回答を得た実態調査では、稼働率は11・6%と08年から1・2ポイント上昇した。平均利用料金(大人2人、子供2人)は、4649円と前年比で4円下がり、わずかずつ上昇していた利用料金がようやく上げどまりの様相を呈している。

 キャンプ用品の市場規模は、同4・0%増の425億円と増加。新規キャンパーの参入により、デイキャンプ、お手軽キャンプ商品の需要が増えたことに加え、テントとタープの接続機能の充実などが全体の需要を押し上げた。

スポーツ観光マイスターを任命、訪日旅行PRのため観光庁が実施

 観光庁はこのほど、世界的な知名度を生かしてスポーツを核とした訪日旅行のPRをしてもらおうと、世界的に活躍するスポーツ選手やスタッフを「スポーツ観光マイスター」として任命することを発表した。

 第1弾は、ル・マン24時間レースに長年に渡り参戦し現役最多出場記録を持つレーシングドライバーの寺田陽次郎氏、元サッカー日本代表監督で現在はFC琉球の総監督を務めるフィリップ・トルシエ氏、アジアトライアスロン選手権で5回優勝し、スポーツ観光振興にも取り組んでいる小原工氏の3人を任命。7月8日に観光庁で任命式を行った。

グアム飲酒年齢制限を18から21へ、販売・提供は午前2時まで

 グアム議会は7月8日、グアムでのアルコール飲料の飲酒及び購入の年齢制限を今までの18歳から21歳へ引き上げることを決めた。

 改正に伴い、アルコール飲料の販売及び提供は、従来の週末・祝日については午前4時まで可能だったが、全日午前2時までに変更された。バーやクラブなどは午前3時まで営業できるが、アルコールの販売及び提供は2時までとなった。

 なお、18歳以上21歳未満のバーやクラブへの入場は従来どおり許され、雇用者としてアルコール飲料を販売、提供することも可能。

9月末までゲゲゲCP、「鬼太郎パスポート」など(鳥取県)

 NHK朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の舞台の一つになっている鳥取県の宣伝隊が7月12日、本紙関西支社を訪れた。

 一行は、鳥取県観光連盟の荒砂茂徳事務局長と県イメージキャラクター・ゲゲゲの鬼太郎で、9月30日まで実施の「ようこそようこそ、ゲゲゲのふるさと鳥取県!」キャンペーンの内容を紹介した。

 期間中に関西圏の主な旅行会社の店舗や観光物産イベントなど配布する「招待状」を持って、県内指定施設を有料利用すると「鬼太郎パスポート」がもらえ、パスポートを次の指定施設利用時に提示すると「オリジナル鬼太郎キーホルダー」がもらえる。キーホルダーは全7種類用意。

 パスポートには、水木しげる記念館の入館料割引きなどのクーポンも付いている。クーポンは来年3月末まで利用可能。

全国旅館おかみの集い―第21回全国女将サミット2010東京―

 「全国旅館おかみの集い(「女将のための 女将による 女将の会議」)」(第21回全国女将サミット2010東京)が7月6日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で盛大に開かれた。テーマを「匠 守るべきもの変えていくもの」とし、全国から110人の女将が参加した。21回目を迎える今回は、例年の2日開催から1日へと凝縮し、新たなスタートを切った。

 全国から110人の女将が集まり盛大に開かれた「全国旅館おかみの集い」。畠ひで子運営委員長(匠のこころ吉川屋)は「世界的な不況など不安定な状態で、めまぐるしい変化への対応を迫られることもあるが、日本の伝統やおもてなしなど、守らなければいけない大切なものもある」とテーマに触れあいさつした。「おかみの集いは今まで多くの先輩たちに支えられて20年続いている。今回21回目を迎えるにあたり、より多くの女将が参加しやすいように1日に凝縮した。今日は何か1つでも持ち帰っていただき、プラスにしてもらえれば」と語った。

 特別運営委員の石井貞徳旅行新聞新社社長は、「このような時代にこそ笑顔と心を持って取り組んでほしい。悩んで立ち止まらずに、お一人おひとりが声をあげ立ち上がり、ともに頑張っていきましょう」と力強く語った。

 畠委員長からは、昨年の第20回運営委員長でアドバイザー委員を務めた小田真弓さん(加賀屋)に記念品が送られ、感謝の言葉がかけられた。

〈展示会ブース〉
開会式と講演会会場の隣には、協賛企業16社の出展ブースによる併設展示会も行われ、最新の商品や情報を参加した女将に紹介した。

〈講師を招き4つの分科会〉
開会式と海老名香葉子さんの講演後は、4部屋に分かれて分科会を実施。第1分科会(リクルートCS推進室ゼネラルマネージャーの山田修司氏)では、「インターネット」をテーマに、旅行者の「クチコミ」に対する効果的な返信を、実例紹介を交えグループ討議。第2分科会(イーディーワン会長の橋本佳奈氏)では、「人材育成」をテーマに、若手社員の育成や、管理職とのコミュニケーションについて意見交換。第3分科会(日中文化プロデューサーでタレントのチャオ・ウェイニー氏)では、「外客誘致」をテーマに、アジアの旅行者から見た日本の旅館像や求められている情報と、宿の取り組み事例とを比較し改善点などを議論。第4分科会(山形県かみのやま温泉・古窯副会長佐藤幸子氏)では、「旅館経営」をテーマに、時代に即して変えるものと残して継承するものなど、あるべき旅館像について意見交換した。

◇◇基調講演◇◇ エッセイスト 海老名 香葉子氏

 講演には、落語家一門を支え続け、エッセイストとしても活躍する海老名香葉子氏が登壇し、業界は違えど同じ女将業としての苦悩や喜びを、経験談と人生観を交え語った。

 「笑顔が大切。いいときがあれば悪いときもある。どんなときでも笑顔でいることが一番。笑顔と優しさのあふれる宿にはまた行きたくなる」と話した。従業員の育て方については、弟子を育てた経験談を交え、「人を育てるには喜怒哀楽をしっかりと表すのが重要。その人それぞれに合ったしかり方、ほめ方を意識しては」とアドバイス。「困難を乗り越えて守っていくのが女将の役目。本当に大変だとは思うが、頑張ってほしい」と愛のこもった激励で締めくくった。

「匠 守るべきもの変えていくもの」懇親パーティ華やかに開く

 夕刻からは懇親パーティーが開かれ、世界30カ国以上で公演を行う生田流筝曲の榎戸二幸氏の琴演奏で幕を開けた。

 来賓の溝畑宏観光庁長官は、「旅館のおもてなしは日本の文化であり、女将さんは日本文化を守る舵取り役。大変なときですが一緒になって頑張りましょう」と、現場で支えている女将たちへ激励の声をかけた。「地方には素晴らしい伝統と文化がある。地方の素敵な宝を掘り起こしてブランド化し観光立国へ向けまい進していきたい。若い人たちには、インターネットという2次元の世界ではなく、外に出て実際に現地へ行き、直接自分の目で見て体で感じてほしい」と力強く語った。

 読売新聞東京本社の池田均販売局総務は「旅館に求めるのは、『くつろぎ・安らぎ・癒し』の3つ。希望の新聞を部屋まで届けてくれるサービスなど、旅館の心遣いにうならされることが多い。奇をてらったサービスではなく、気の利いたサービスをいつまでも続けてほしい」と、日頃利用することも多いという旅館に対する思いを述べた。

 続いて来賓による鏡開きが晴れやかに行われ、日本酒造組合中央会の浅見敏彦副会長は「今の時代、人気取りやスタンドプレイで守るべきものが崩れていくことが多いが、真に守るべきものは何があろうとも守らなくてはいけない。そして変えるべきものは勇気を持って変える。今回のテーマから女将さんたちの強い意志を感じた。旅館文化を明日につなぐため、明日のより良い日本のために頑張ってほしい」と力強い言葉で杯を上げた。

 開宴後は、60年代にスティービー・ワンダーやハービー・ハンコックなど、海外の大物アーティストのレコーディングにも参加した「東京ユニオンオーケストラ」の初代バリトンサックス奏者久米政男氏のサックス演奏や、日中温泉ゆもとやの檜澤久子女将と野地温泉ホテルの相模恵美子女将の唄でパーティーに華を添えた。

村井知事がトップセールス「信州DC」アピールし送客要請

 長野県の村井仁知事は7月12日、今年10―12月に展開する「信州デスティネーションキャンペーン(信州DC)」に向けて、首都圏の旅行会社を訪問。同県への送客を求めるトップセールスを行った。

 信州CP実行委員会会長の村井知事と、久保田篤県観光部長、小野誠信州CP実行委員会副会長らがJR東日本、びゅうトラベル、JTB、近畿日本ツーリスト、日本旅行、トップツアーなどを各旅連支部長らとともに訪問。日本旅行では、丸尾和明社長に信州DCのテーマ「未知を歩こう」について説明。「善光寺や松本城などの有名な観光名所だけでなく、南木曽町の桃介橋や下諏訪町の万治の石仏など隠れた魅力にスポットを当てたい」と語り、「長野県の観光復活のためご協力を」と送客を要請。

 信州DCはとくに団体旅行商品に力を入れ、JRグループとのタイアップ商品ジパングでは、10月は北信に、11―12月には南信で展開。個人企画商品では、広い長野県を生かし、レンタカーをセットにした連泊型商品を展開する。

企業の倒産件数10カ月連続減少(6月の倒産)

 帝国データバンクのまとめによると、6月の全国企業倒産件数は前年同月比16・2%減の1085件、負債総額は同40・2%減の2837億2300万円となった。倒産件数は10カ月連続で減少となったが、3カ月ぶりに1千件を超えた。

 負債総額は5カ月連続の減少になる。負債10億円以上の倒産が49件(前年同月は86件)にとどまり、大幅な減少となった。

 倒産の要因・背景については(1)建設業が310件(同16・7%減)と、最多件数となった前年同月の反動減も影響(2)負債5千万円未満の零細企業の倒産は同2・3%増の523件――などと分析している。

 業種別では、7業種中、建設業(同16・7%減の310件)、製造業(同24・1%減の145件)、卸売業(同32・8%減の135件)の3業種は同40件以上の大幅減。一方、小売業だけは、同7・6%増の185件と上回った。

静岡市に「ガンダム」ホビーフェアで来春まで

 静岡市は7月24日から、東静岡駅から徒歩1分の東静岡広場で「模型の世界首都 静岡ホビーフェア」を開く。同市はプラスチックモデルや家具産業のほか、駿河漆器や雛人形などの伝統産業が根付いている。こうした地場産業のひとつ、プラモデルを中心としたホビーなどを通して国内外にプロモーションを展開する。来年3月27日まで。入場は無料。

 昨年、東京のお台場を415万人の来場者でにぎわせたアニメ「機動戦士ガンダム」の実物大ガンダム立像が、ガンダムゾーンに登場する。ガンダムのプラモデル製造メーカー「バンダイ」が、ガンプラの発売開始30周年を記念して設置する。

 頭部は上下左右に可動する。個々のパーツにもこだわり、お台場のときよりリアルに進化しているという。夜はライトアップ。ビームサーベルに特殊加工が施され、ライトを受けて光り輝く。

 ミュージアムエリアは、プラモデルのルーツや資料に加えてプラモデル作品を展示、紹介するホビーミュージアムを設ける。ミュージアム内では、メーカー各社のオフィシャルグッズなども販売する。入場料は大人600(団体500)円、小学生200(同100)円。

 期間中はバス駐車場(3千円3時間まで)を近隣に用意する。目標来場者数は90万人を見込んでいる。