Lonely Planet Japan、40%の支持でNo.1に

「外国人に人気の日本ガイド本、ウェブでアンケートを実施」

 外国人が最も好きな日本を紹介するガイドブックは、「Lonely Planet Japan(米:1990年初版発行)」であることが、外国人のための日本情報ポータルサイト「ジャパンガイド」を共同企画・運営するエクスポート・ジャパン(本社・東京)の調査で分かった。

 昨年12月31日―今年2月19日まで同サイトのユーザー向けにアンケートを実施し、期間中欧米、日本、東南アジアなど在住者2374人から回答を得た。設問は「どのガイドブックが1番好きですか」で、Lonely Planet以外に「Rough Guides Japan」「Fodor’s Japan」「Frommer’s Japan」「Let’s Go Japan」「Michelin Japan」など9種類からの選択肢・自由記述方式。

 Lonely Planetは全体の40%を占め1位に支持された。同社では、幅広い地域情報や詳細な交通案内など、旅行に便利で必要不可欠な情報が多く掲載されているのが1番の支持を得たと分析する。

 2位は軽く小さいサイズで人気の「Let’s Go Japan(米:2003年初版発行)で13%を獲得。多くの高級旅館やホテルをあらかじめ掲載しない配慮が、リーズナブルに旅行を楽しみたい旅行客に人気という。ただ、マレーシア在住者だけはLet’s Goが1位(52%)の支持。一方、ミシュランを生んだフランスでは「Michelin Japan(仏:09年初版発行)が2位(16%)となった。

物販スペース拡大、新生「やまなし館」オープン

 山梨県(横内正明知事)は6月1日、首都圏のアンテナショップ「富士の国やまなし館」(東京・日本橋)をリニューアルオープンした。オープニングイベントでは、横内知事とフリーアナウンサーの中井美穂さんらがテープカットを行った。  横内知事は「日本一のパワースポット富士山以外にも、ワイン、ブドウや桃、ジュエリーなどを積極的にPRしていく拠点にしたい」と、新生アンテナショップに期待を寄せる。

 観光情報などの案内を中心に展開していた同館は、運営を電通ファシリティマネジメントに委託。特産の野菜なども販売するほか、ワインの試飲コーナーなど販売スペースを広げた。スタッフは全員が女性。

 同時に開かれた「ビタミンやまなし2010キックオフイベント」では、中井美穂さんが「やまなし大使」に任命された。また、お笑いタレントのふかわりょうさんや山梨県出身の林真理子さんなどが、同県の魅力を語るトークイベントに参加した。ふかわさんは「山梨は心のすき間を埋めてくれます。今日もこれから山梨に帰ります」とフリークぶりを披露していた。

 「ビタミンやまなし」は、主に30代から40代の女性をターゲットにする。美容や健康、癒しなどに関連するキーワードを、ビタミン「A」から「Z」のアルファベットで表して情報提供を行っていくという。

旅行商品の販売も、新潟館ネスパスが改装

 東京・表参道にある新潟県のアンテナショップ「新潟館ネスパス」が、6月5日にリニューアルオープンし、旅行商品の販売を開始した。リニューアルしたのは2階の観光パンフレットコーナーなどを置いてあったスペース。新たに旅行カウンターを設置し、新潟の旅行商品の販売を開始した。旅行商品は日本旅行の協力を得て企画したものを販売する。

 当日のオープニング式典では新潟県観光協会の吉川孝之常務理事が「ネスパスには、年間100万人以上が来館している。今回のカウンター設置によって、その場で新潟への旅行商品が提供できるようになった。このサービス提供を通じて1人でも多くの人に新潟に来ていただきたい」とあいさつした。関係者らの鏡割りの後、地元旅館組合の女将さんらが、通行人に振る舞い酒を提供した。

 さらに同日と翌6日には、女将さんたちによる抹茶とお菓子のサービスや、旅行カウンターで商品契約した人にもれなく魚沼産コシヒカリをプレゼントした。

 旅行カウンターの営業時間はネスパスと同じで午前10時30分―午後6時30分。年末年始を除き年中無休。

美しいまちなみ賞、大賞に金山町と倉敷市

 2010年度の都市景観大賞「美しいまちなみ賞」(都市景観の日実行委員会主催)がこのほど決まったが、最高賞にあたる大賞(国土交通大臣賞)には金山町金山地区(山形県金山町)と倉敷市倉敷美観地区(岡山県倉敷市)の2地区が選ばれた。このほか優秀賞には南木曽町妻籠地区(長野県南木曽町)など4地区、特別賞には葛飾区葛飾柴又帝釈天参道周辺地区(東京都葛飾区)など2地区がそれぞれ選定された。

「優秀賞に南木曽町など、特別賞など合わせて8地区選定」

 同賞はNPOなどのまちづくり組織と行政が協力して、ハードとソフトの両面を含めて美しい街並みの形成に取り組んでいる地区を表彰するもので、2001年度に創設された。表彰は6月1日に東京で開かれた「日本の景観とまちづくりを考える全国大会」で行われた。

 金山地区は〝金山杉〟の産地で知られる町の中心部に位置し、江戸時代に羽州街道の宿場町として栄えたところ。取り組みは1960年代の「全町美化運動」から始まり、83年の「街並景観づくり100年運動」を基本にHOPE計画、景観条例・景観形成基準の制定、景観助成制度の創設などにより、「金山式住宅」の街並み整備を行ってきた。こうした全町あげた景観形成の取り組みを評価した。

 また、町民の定住意識が周辺の市町村に比べて高いことから、「景観形成の効果が新たな段階にまで至ってきているという点」が高く評価できるとしている。

 一方、倉敷市倉敷美観地区は江戸期以来の歴史的な町並み景観が保全され、年間300万人以上の観光客が訪れる県内有数の観光地。1979年に重要伝統的建造物群保存地区に選ばれ、これを機に歴史的建造物の修理・景修に対する助成、建築基準法の緩和、固定資産税の減免などが積極的に行われた。「倉敷町家トラスト」などのまちづくり組織も設立され活動も活発だ。

 講評では保存された古民家の再利用方法が洗練され、創造的であるとするとともに、町づくりの活動の担い手がいずれも市民または後継者が多いことから、「財産の再投資運用によるライフスタイルの発展継承という点で、都市文化の再生産システムがうまく機能している」と高く評価している。

 優秀賞と特別賞は次の通り。

【優秀賞】
函館市都市景観形成地区(北海道函館市)▽会津若松市七日町通り地区(福島県会津若松市)▽横浜市中区山手町地区(神奈川県横浜市)▽南木曽町妻籠地区

【特別賞】
葛飾区葛飾柴又帝釈天参道周辺地区▽金沢市武蔵ヶ辻第四地区(石川県金沢市)

研究成果など発表、千歳大会に約80人(日本国際観光学会)

 日本国際観光学会(香川眞会長=流通経済大学教授)は6月12、13日、第12回全国大会(千歳大会)を北海道千歳市で開き、研究者らが特別プレゼンテーション・研究発表したほか、千歳市近郊の視察会を行った。テーマは「変貌する経済状況と観光 打開の道、地方への提言は?」。地方開催は昨年の金沢大会(石川県)に次いで2回目で、開催地事務局を千歳観光連盟が担当。全国から約80人が参加した。

 歓迎のあいさつに立った山口幸太郎千歳市長は、観光は今や国の重点施策の一つに位置付けられ、経済発展や地域振興にとっては欠かせない要素だとし、「課題も多いが、この大会で観光の大きな方向付けができれば幸いだ。期待したい」と述べた。

 この後、香川会長が「新たな観光の視座」と題してスピーチ。インバウンドへの適切な取り組みや住民が主体となった観光まちづくりなどの重要性に触れながら、「いま一度、観光が世界の平和につながっていることの再認識をすることだ」と結んだ。特別講演は原祥隆国際観光サービスセンター専務理事による「観光の危機 打開の道は」。インバウンド振興には経済危機をはじめ多くの阻害要因があるものの、人材の活用と育成が不可欠とし、「国際力と専門力、現場力」の必要性を強調した。

 午後は26のテーマについて、それぞれの研究者が特別プレゼンテーション・研究発表。このなかで千歳高校流通科の生徒たちも「地域との連携による商業教育の新しい可能性」について発表した。クーポンマガジン発刊やメーカーとタイアップした各種商品開発事例などを紹介。「地元の素材がプロデュース次第で宝石になる」とし、商業高校としての視点から地域活性化への可能性を示唆した。

 同学会は産官学の観光関係者で1993年に設立された。会員は約400人。次回の開催は東京・東洋大学の白山キャンパス。テーマは「日本からの魅力発信」。期日は10月23日を予定している。

“水の都・松江”を演出、松江水燈路 秋の人気イベントに

「400個の行灯でライトアップ」

 島根県松江市の松江城周辺を約400個の行灯などでライトアップする「松江水燈路」(松江市など主催)が、9月18日から10月17日までの毎週土・日・祝日に行われる(9月24日のみ特別開催)。

 “水の都・松江”の秋の風物詩として今年で8回目の開催。昨年は約10万人の来場者を集めるなど人気イベントとして定着している。

 松江城を囲む堀川沿いや武家屋敷周辺に行灯を並べ、幻想的な雰囲気を創出する。400個の行灯は市民の手作りで、絵や俳句などが描かれた行灯はどれも個性的。松江城や塩見縄手周辺、北惣門橋などのライトアップも行われ、一帯が優しい光に包まれる。

 堀川遊覧船の夜間運航も実施。各日午後6時30分から9時に運航し、大手前乗船場と松江堀川ふれあい広場乗船場を結ぶ。片道1人500円。貸切船は一隻7千円(予約制)。船上からは、ほのかに浮かび上がる松江城や鎮守の森などが見渡せる。

 松江城や武家屋敷、小泉八雲記念館など観光施設もイベントにあわせ、開館時間を午後9時まで延長する(受付は8時30分まで)。

 JR松江駅南口と松江しんじ湖温泉街から水燈路会場を結ぶ無料シャトルバスも、各日午後5時30分から9時30分まで運行する。

 また、「週ごとに織りなす~城下町松江・水と光の幻想」と題して、週替わりの企画を設定。9月18―20日にはオープニングで「開幕水燈路~花・鳥・食・月」を実施し、屋台の出店をはじめ、ボタンなど花の展示を行う。

 堀川遊覧船では水燈路開催にあわせ、9月1日から10月31日まで「川柳コンテスト」を実施する。乗船者に投句してもらい優秀者には年間パスポートなどをプレゼントする。

全国旅館党を支援、宮崎県に義援金協力(国観連)

 全国旅館党を支援――。国際観光旅館連盟(佐藤義正会長、1171会員)は6月1日、東京都千代田区のグランドプリンス赤坂で2010年度通常総会を開いた。7月の参議院選挙を目前に控え、候補者から推薦状の依頼が寄せられるなか、国観連、全国旅館政治連盟として要望している固定資産税の減免、旅行費用の所得税控除、NHK受信料の見直し、かんぽの宿70施設の売却は介護施設に限定する――などをしっかりと受け止め、真剣に取り組んでいくと確約が取れた候補者のみに推薦状を渡す姿勢を、各支部が徹底していくことを確認した。

 佐藤会長は「現在の宿泊産業の窮状を救って、観光でこの国を建て直すという認識を我われと共有する政治家を支援していきたい」と語り、「全国旅館党を支援していく」と強調した。

 また、政府が推進する休暇分散化案については、「業界内にはさまざまな意見がある。我われは休日を動かすことよりも、休日が増えることの方がありがたい。有給休暇の取得促進など休日の増加につながるような施策を期待している」と語った。

 今回の総会では、本部の緊急提出議題として、宮崎県で発生している口蹄疫の影響で、5月18日以降半月で2万人を超えるキャンセルが出るなど、甚大な風評被害が広がっている宮崎県内の旅館ホテルに義援金の協力と、近い将来同県への旅行の協力を呼びかけ、全会一致で承認された。

 今年度は、外客誘致事業では、GDSを活用した海外マーケットへの日本旅館の積極的な情報発信や、とくに中国を意識した外国人旅行者向けの外国語TV放送の導入促進に取り組む。導入のための支援措置などを観光庁にも要請していく。

 そのほか、IT関連専門委員会は、世界60万の端末から予約が入る「ユニレズ」への加盟促進に取り組む。

初の経常損失17億円、2期連続の赤字(JTB連結09年度決算)

 JTBグループの09年度決算によると、経常損失は17億円(前年度は63億円の利益)、当期最終損失は146億円(同24億円の損失)。景気後退による個人消費の低迷や、企業収益悪化による法人需要の低迷など、マーケット環境の変化に十分な対応ができず、旅行事業の収入が大幅に落ち込んだ。グループ連結決算となって以降、初の経常損失となった。特別損失に、店舗移転・拠点集約費用のほか、事業再編に伴う固定資産除去・減損処理で51億円、有価証券の評価損などで33億円を計上。さらに繰延税資産取り崩しなどによる税金費用を加え、赤字幅は大幅に拡大した。

 売上高は前期比12・1%減の1兆1213億円、営業損失は34億円(同119億円の利益)。

 旅行事業は売上高で12・9%減と低調に推移。一方で、メディア販売やオンライン販売など、特定のビジネスモデルは伸長。国内インターネット専用サイト「るるぶトラベル」は新機能の追加や仕入営業強化、広告宣伝強化を行い、取扱額は17・6%と好調に推移した。

 国内旅行は、客単価の減少や法人需要が伸び悩み、オンライン販売へのシフトが進んだマーケットに十分対応しきれず、売上高は10・0%減。

 海外旅行は、団体旅行およびビジネス旅行が激減し、取扱人員は7・0%減の329万人。ルックJTBやメディア販売など企画商品分野では販売人員を1・9%増の187万2千人と伸ばした。規制緩和がはかられた包括旅行チャーターへの取り組み強化で、販売人員は20・0%増の10万3千人。売上高は、基幹商品であるルックJTBの販売単価が大幅に下落したことや、法人需要のマイナスが響き、17・4%減となった。

 同社は、急激な環境変化で顕在化したグループの諸課題について、スピードを持って対処するため、11年度が最終年度だった3カ年の中期経営計画を前倒して終了。新たに11年度から次期中期計画をスタートした。旅行営業の戦略策定についてグループ本社社長が直接、指導・指揮をとる。

 11年度の連結業績予想は、売上高が同5・8%増の1兆5458億円、営業利益が43億円、経常利益が80億円、当期純利益が57億円。

幕張に12万人来場、旅フェア2010「新旅宣言」

 日本観光協会(中村徹会長)が事務局を務める旅フェア実行委員会は5月28―30日までの3日間、千葉県千葉市の幕張メッセで「旅フェア2010」を開いた。初日には2万8972人、2日目には4万7716人、最終日の3日目には4万4144人と、昨年を約1万5千人上回る合計12万832人が訪れ、全国各地のご当地グルメやアトラクションなどで楽しんだ。

 主催者を代表して中村会長は、「旅フェアは日本の新しい魅力や旅の楽しさを発信する、国内最大規模の旅の総合見本市。経済環境の厳しいなか、全国から多くの出店をいただき、充実した内容にしていきたい」と意気込みを語った。

 16回目を迎える今年は、国土交通省、総務省、観光庁、千葉県、千葉市が後援し、都道府県や観光協会、旅行会社などが150を超えるブースを出展した。場所を3年ぶりに旅フェアのふるさとともいえる千葉県の幕張メッセに戻し、「新旅宣言 見つけよう!あなただけの旅」をテーマに開催。「旅」に対するニーズが多様化・高度化するなど環境が変化しているなか、会場を「旅」に出かけるきっかけづくりの場と位置づけ、従来の地域ごとにブースを分けるスタイルをやめ、今年は4つのテーマゾーンと2つのコーナーに分けた。本物のバスガイドが付いてバーチャルツアーを体感できる「乗り物大好きゾーン」や、日本青年会議所と初めて連携した、全国に散らばる彩り豊かな「地域のたから」を一堂に集めた「地域のたから発見コーナー」などおもしろいアイデアが並んだ。

 また、29、30日には「台湾訪日旅行商談会in旅フェア2010」と「産品相談・商談会」の2つのビジネスプログラムを実施した。日本側160社、台湾側30社が参加し、情報交換や商談に臨んだ。

(株)全旅がポイント制導入、売上げで還付率変動

「各支部の経営陣の手腕による」

 埼旅協総会で(株)全旅の大原秀雄副社長は(株)全旅の09年度決算を報告した。09年度はリーマンショックの影響、新型インフルエンザの発生で旅行業も苦境にさらされたなか、売上高は約14億3千万円、経常利益は約9800万円、当期利益は3千万円を計上したと報告。なかでも、旅行事業の売上高が前年度比20%増の6億1千万円と大きく伸びた。保険事業は約3億9千万円、クーポン事業が約4億1千万円。大原副社長は「皆さんの協力のおかげでリーマンショック以前の数値を残すことができた」と述べた。

 10年度は、4月に日本旅行と業務提携を行い、(株)全旅クーポンを通じて日本旅行の旅行商品を取り扱うことが可能になった。(株)全旅の会員は全旅クーポンを利用することで、保証金の納付などの必要なく日旅商品を扱える。現状では、(株)全旅のクーポン会員のみが対象となるが、大原副社長は「将来的には全旅協全会員にもこのシステムが適応できるよう努力していきたい」と述べた。

 また、今年度から各47都道府県支部にある営業所の取扱額に応じたポイント制を導入し、還付する額を決めていくことになったと報告。「今後は各支部の経営陣の手腕によって、還付率が変わってくる。売上や普及率などが加味されるので、(株)全旅のクーポンや保険を積極的に活用してほしい」と語った。これまでは04年の売上によって05年以降、還付率は変わっていない。 「地旅大賞」は売れる商品に」  (株)全旅は地旅を推進しているが、「来年4月に富山で開催される国内観光活性化フォーラムで発表される地旅大賞は、ツアーの参加人数などによって決めることになった。本当に売れる商品、送客できる商品を大賞としたい」と述べた。