“日藝らしさ”がほしい、ANA×日藝の連携プログラム

 全日本空輸(ANA)はこのほど、日本大学藝術学部と新しいモバイル専用プログラム「ANAマイレージクラブ モバイル」(AMCモバイル)に関する産学連携プログラムを開始し=既報、5月17日に東京・汐留のANA本社で第1回目の会合を開いた。

 AMCモバイルは、従来のマイレージクラブ会員に加え、飛行機を利用する機会が少ない消費者にも、携帯電話からお得なサービスを提供するコンテンツ。今回の連携プログラムで、“クリエイターの卵たち”と集客方法やモバイルでの革新的なサービス、画期的なプロモーション手法の開発などを目指す。毎月、学生側からANAに企画を提案し、学生の柔軟な発想に基づく提案と、企業が実際に展開できる手法の接点を見つけていく。学生からの最終プレゼンテーションは7月に行う予定だ。

 参加した学生は、放送学科を中心に文芸学科やデザイン学科の3、4年生約10人。まず、事前に各人があげた提案をまとめて説明を行った。提案は、空港・機内でのイベントやPRとして「空港・機内を見学し、学生の視点から発見した人・もの・コトをリポートして映像配信」「地方のインディーズミュージシャンを学生が発掘し、機内で地域チャンネルとして提供」「機内のイスポケットに文芸冊子やポストカードなど、持ち帰りができる日藝生の作品を提供」など。

 また、学校でできる企画は、「構内にレゴで5メートル級のボーイング787を作成し、過程を映像配信」「ANAのフライトスケジュールをネタにケイタイ小説コンペを行う」などがあがった。

 一方、ANA側からは営業推進本部レベニューマネジメント部の松井亮輔氏を中心に、4人が出席。提案に対し、「日藝らしさが一番大切。他の学生にはできないような“エッジ”の利いた提案がほしい」や、「今の段階では実現可能なことを考えるより、自分のやりたいことを考えてみては」と述べた。

 第1回目ということもあり、開始時は緊張の面持ちだったものの、後半は打ち解けた雰囲気で発言も活発に行われた。このなかでは、「飛行機が飛んでいる映像に声を入れて、飛行機に話させる」「飛行機に名前をつけて地図で現在位置を配信」「カップルシートを作る」「滑走路でキャンドルナイト」などユニークなアイデアが飛び交った。

 ANAの社員も学生のアイデアを膨らませ、「実質的に無理そうなアイデアは、映像として撮ってしまえばいい」「実現可能かは別として、『日藝ジェット』を作って外から中までアートで埋め尽くしたらおもしろい」など盛り上がった。次回への要望としては、「テストできそうなものは、イラストでも映像でも形にしてきてもらえると伝わりやすい。次は一歩進んだものを期待する」と激励した。

手数料なしで払戻・変更受付、ANAが口蹄疫の影響を考慮

 全日本空輸(ANA)は5月21日、宮崎県で発生し非常事態宣言が出されている家畜伝染病「口蹄疫」の影響を考慮し、宮崎空港発着路線のすべての運賃を手数料なしで払い戻し・予約変更を受け付けると発表した。対象は2010年5月21日以前の発券で、搭乗日が2010年5月18日―6月18日。

 該当する国内旅行券は、運賃の適用規則に関わらず手数料なしでの払い戻し・予約変更でき、変更は出発の予約時刻まで。振替は予約便の翌日から30日以内。払い戻し・予約変更ともに、ANAホームページまたは携帯サイトからでは手数料なしでの手続きができない。

アウトレットを中心に、“女子力アップ”ツアー(はとバス)

 はとバス(東京都大田区)は5月28日、東京郊外にプレミアム・アウトレットを運営するチェルシージャパンと共同で、20―30代の女性をターゲットとした女性限定バスツアー「女子力アップ大作戦!」の販売を始めた。両社の女性スタッフが、女性の目線でツアーを企画した。

 ツアーは「恋愛力アップツアー!御殿場プレミアム・アウトレット(静岡県御殿場市)」、「美容力アップ!あみプレミアム・アウトレット(茨城県稲敷郡阿児町)」の2つを設定。バス車内ではスタイリスト(御殿場編)やビューティークリエーター(あみ編)がミニセミナーを開き、移動中もぬかりなく女子力アップをはかれる。

 御殿場編は約4時間のアウトレット滞在後、箱根ガラスの森美術館でカンツォーネ生演奏を聴きながらケーキセットでティータイム。最後は箱根神社で恋愛成就を祈願。

 あみ編は約3時間のアウトレット滞在後、食べ放題のブルーベリー狩りや、岩盤浴デトックスを組み込んだ。それぞれアウトレットでの買い物がお得になるクーポンシートなどの特典付き。

 料金は御殿場編が7980―8480円(出発日によって異なる)、あみ編が7480―7980円(同)。集客目標人数は2ツアー合わせて1160人。

有識者招き勉強会、観光連携コンソーシアム

 観光庁は5月20日、第5回観光連携コンソーシアムを開き、東海旅客鉄道相談役の須田寛氏、特定非営利活動法人J.POSH副理事長兼事務局長の松田壽美子氏、特定非営利活動法人グローバルキャンパス理事長の大社充氏の3人の有識者を招き、それぞれの活動や意見を聞いた。

 須田氏は、産業観光の需要について、「観光ニーズが見物型から体験型・学習型へと変化している。産業観光はものづくりに関わるところであればどこにでも存在し、地域活性化へつながる」と述べた。今後の課題については、まだあまり認知度が高くない「産業観光」の情報発信と、たくさんある観光資源の体系化・ネットワーク化、ビジネスモデル構築の重要性などを挙げた。

 松田氏は、乳がん患者がなかなか温泉などに入れない現状を問題提起した。術後の体を見られないようにする「入浴着」は、衛生管理面で問題ないことが、長野県、北海道、熊本県のホームページで紹介されているが、まだ認知度は低く、実際に温泉施設でも入浴を断られてしまうことがあるという。「入浴着の認知度を高め、NOからYESではなく、WELCOMEに。乳がん患者さんでも、皆さんと同じように気兼ねなく温泉に入れるようにしていきたい」と熱い思いを語った。

 大社氏は、観光まちづくりのプラットフォーム形成の重要性について触れた。今までの旅行会社が顧客を集める「行こう型」から、地域の観光関連事業者が直接顧客を呼び込む「おいでよ型」への変化を紹介。「地域のなかに事業主体をつくり、地域資源の発掘や商品化のコーディネート、地域づくりの推進、市場への流通と市場からの呼び込みなどを行うことが必要」と述べた。

 3氏とも、各課題のクリアや今後の展開には、サポートする各省庁の横の連携が重要だと口をそろえた。

T/C66人、D/S1058人認定、トラベル・カウンセラー推進協

 日本旅行業協会(JATA)が事務局を務めるトラベル・カウンセラー制度推進協議会はこのほど、2009年度のトラベル・コーディネーター(T/C)と21講座のデスティネーション・スペシャリスト(D/S)の認定を行った。これによると、T/C認定者数は前年度比32・0%減の66人、D/S認定者数は同17・8%減の1058人といずれも減少した。

 発表を行った研修・試験部の住吉清部長は、T/C認定者の減少について「まずT/Cを受けてD/Sへという傾向がなくなり、受講者がD/Sに流れている」と説明した。  D/Sの国・地域別の認定者はハワイが172人と3年連続でトップ。次いでイタリア・マルタの86人、オーストラリアの82人。

 2010年度は、講座に「マレーシア」を追加し、22地域で展開するという。  なお、これまでの累計認定者数はT/Cが837人、D/Sが4524人。

訪日客25・8%増、4月では過去最高

 日本政府観光局(JNTO)が発表した2010年4月の訪日外客数(推計値)は、前年同月比25・8%増の78万7900人。4月として過去最高を記録し、6カ月連続のプラス成長となった。主要15カ国では、アイスランドの火山噴火の影響を受けた英国、フランス、ドイツを除く12市場で前年を上回った。3月28日の成田空港発着枠拡大(B滑走路延長)に伴い、エティハド航空、エミレーツ航空、マカオ航空が新規に就航。4月26日にはカタール航空が新規就航したことも、訪日客拡大の追い風となった。

 市場別にみると、韓国は、景気の回復や韓国ウォン高の影響で同66・9%増の18万9100人と大幅な伸びを示した。

 台湾は同20・2%増の10万9700人、中国は同41・3%増の15万900人、香港は同3・6%増の4万6600人と、東アジア市場は軒並み好調。そのほかにも、豪州は同15・5%増の1万8400人、米国は同8・4%増の6万6900人と増加した。

 一方、出国日本人数は同0・9%増の121万3千人とわずかながらも前年を上回り、2カ月連続の増加となった。

10年春の叙勲・褒章受章者、旭日中綬章に滝氏(日本温泉協会会長)

 政府は4月29日付で2010年度春の叙勲および褒章受章者を発表した。本紙関連では、旭日中綬章を日本温泉協会会長の滝多賀男氏が、旭日双光章を国際観光旅館連盟常務理事の山口元氏ら2人が受章した。

 国土交通省の勲章伝達式は、5月10日に東京・グランドプリンスホテル赤坂で行われた。

  本紙関連の勲章受章者は次の各氏。

 【勲章】
旭日中綬章 滝多賀男(水明館社長)=日本温泉協会会長、国際観光旅館連盟副会長 観光事業振興功労 旭日双光章 山口元(滝の湯ホテル代表取締役)=国際観光旅館連盟常務理事 同▽藤森紫朗(今朝会長)=元国際観光日本レストラン協会常務理事 同

障がい者の受入れ整備へ、ソウル市がバリアフリー化

 韓国のソウル市と、社会福祉法人ハンボッ財団は6月5―8日までの4日間、障がい者招待観光プロジェクト「車イスの皆様、ソウルへようこそ」を実施する。

 同プロジェクトは、バンクーバーパラリンピックアイスレッジ銀メダリストの高橋和廣氏ら、日本の著名な身体障がい者を招き、ソウル市内を観光してもらったうえで感想などを聞きながら、今後のバリアフリー化やバリアフリー観光開発推進に役立てたい考えだ。

 韓国はかつてのバリアフリー化が未発達というイメージ払拭へ、ソウル観光をしたいが断念していた障がい者を誘致できる環境整備に本格的に乗り出す。バリアフリーの整備に取り組むことで、日本の旅行業界に対して「ソウルが障がい者にも安心して観光ができる都市」であることをPRする。

 スケジュールは5日に金浦空港に到着したあと、参加者は翌6日まで観光やバリアフリーチェックを行う。その後、7日の「障害者にとっての日本と韓国の観光について」をテーマとした発表会では、実際にソウル市内を観光した感想や、障がい者スポーツ選手として世界各国を周っている経験談、日本国内や東京都の障がい者の観光促進のための制度や規則、現状などを情報交換する。

 一方、ソウル市で推進する観光バリアフリー整備計画や、障がい者観光支援計画なども発表される。ソウル市は障がい者観光コースの開発や、日本や中国の旅行会社への広報などにも積極的に取り組んでいく予定だ。

健康食「まぁーず」目玉に、信州DCに向け一致団結(長野県旅組青年部総会)

 長野県旅館ホテル組合連合会青年部会(宮原健部会長、123人)は4月27日、駒ヶ根市の山野草の宿二人静で定時総会を開いた。行政機関や親会と連携し、観光誘客に結び付く取り組みの継続を確認した。事業方針は昨年に引き続き「青年部だからできる活動」「青年部のための活動」「親会との連携」「協賛商社との連携」「観光政策に関する活動」の5つ。信州デスティネーションにあわせ青年部の各旅館が中心となり新しく開発する健康食「まぁーず」を目玉に宮原部会長体制2年目の集大成を目指す。

 宮原部会長は「今年10―12月は信州DC本番を迎える。青年部が開発した料理『まぁーず』は、地域それぞれの特色を生かした美容と健康のおもてなし。青年部のみならず親会を含めた業界全体で一致団結して盛り上げていく年にしよう」とあいさつした。

 来賓として出席した石原秀樹長野県観光部観光振興課長は「県の観光客数は長期低落傾向にあるが、インバウンドや地域の取り組みに反転のヒントがあるのではないか。その先頭に立つのが青年部。12年ぶりに行われる大型キャンペーン信州DCをきっかけにしたい。じゃらんや楽天、るるぶなどのサイト上で信州特集を組み、青年部が開発した『まぁーず』もネットを通して全国に発信してもらう」と語った。

 「まぁーず」は信州を代表する3つの発酵食材「味噌」「酒粕」「野沢菜」がコラボレーションした新しい健康食。信州地方の方言で「誠に」「本当に」という意味。信州DCに合わせ、長寿県長野にちなみ、組合会統一のテーマを「信州に泊まると健康になる!!」に設定。それに基づいて青年部が開発した。

 レシピは酒粕と味噌を合わせ、酒またはミリンで伸ばしたものに、刻んだ野沢菜を混ぜ合わせる。すべて長野県産のものを使うことが決まりだ。アレンジの仕方は、野沢菜に限らず地域の漬物を使ったり、油の代わりにバターを使ったり、辛味、砂糖を加えたりと自由自在。

 同日、総会と併せて、各旅館が開発した「まぁーずオリジナル料理」のコンテストも行われた。

 コンラッド東京の日本料理・総括料理長などを務めた経歴を持つ、齋藤彰雄氏と同県下那郡下條村出身のタレント、峰竜太さんが審査。齋藤彰雄賞には、「信州産ジビエのマンズマンジュ」(渋温泉・春蘭の宿さかえや)、峰竜太賞には、「信州サーモンの紙包み蒸しちゃんちゃん風」(小渋温泉・赤石荘)が選ばれた。齋藤氏は「素材の持ち味がうまく出ていて感心した」とプロの目線からお墨付き。峰さんは「つける、入れる、と使い方によって料理のイメージが変ってくる。いろんな方向に伸びていくのではないかと楽しみ」と感想を述べた。

 信州DCに向けて、長野県のすべての旅館で「まぁーずオリジナル料理」をメニューとして提供する予定。メニューは「まぁーず公式ウェブサイト」( http://shinshu.fm/MHz/18.83/ )で確認できる。

観光圏新たに15地区、10年度、伊豆など認定(観光庁)

 2010年度の観光圏整備計画、新たに15地域を追加認定――。観光庁は複数の観光地が連携して、2泊3日以上の滞在型観光を目指す「観光圏」の今年度の整備計画として、伊豆観光圏や立山黒部アルペンルート広域観光圏など15地域を新たに加えた。09年度は14地域、08年度は16地域が認定されており、3年目を迎え、計45地域が認定を受けている。

 同事業に認定されると、観光旅客の来訪・滞在の促進に効果や成果の見込まれるソフト事業に係わる補助金(上限40%)が国から交付されるほか、着地型旅行商品を宿泊施設で販売するための旅行業法の特例、さらには周遊割引券を導入する際、運送関係法令の手続き緩和などのメリットがある。観光庁は観光圏整備事業に係わる補助金について、10年度は41地域の観光圏を対象に交付を決定している。

 今年度新たに認定を受けた15地域は次の通り。

 はこだて観光圏(北海道)▽釧路湿原・阿寒・摩周観光圏(北海道)▽めでためでた♪ 花のやまがた観光圏(山形県)▽箱根・湯河原・熱海・あしがら観光圏(神奈川県)▽八ヶ岳観光圏(山梨県)▽トキめき佐渡・にいがた観光圏(新潟県)▽越中・飛騨観光圏(富山県・岐阜県)▽立山黒部アルペンルート広域観光圏(富山県・長野県)▽伊豆観光圏(静岡県)▽知多半島観光圏(愛知県)▽東紀州地域観光圏(三重県)▽瀬戸内しまなみ海道地域観光圏(広島県)▽香川せとうちアート観光圏(香川県)▽豊の国千年ロマン観光圏(大分県)▽玄界灘観光圏(佐賀県・福岡県・長崎県)