観光連携協定を締結、ノースアジア大と秋田市

 ノースアジア大学(小泉健理事長)は4月13日、秋田県・秋田市(穂積志市長)と観光に関する連携協定を締結した。同大は県内の八峰町と小坂町、鹿角市、男鹿市、仙北市、湯沢市、にかほ市、大館市とも連携協定を結んでおり、秋田市で9自治体目。

 同大は法学部のなかに観光学科を設置しており、連携協定で(1)「竿灯まつり」の魅力向上(2)体験型観光の推進(3)観光情報の整備と発信――など9項目の活動プログラムを設定した。

 協定後初めての活動として、4月29日と5月1、5日の3日間、市内の「大森山動物園」で同学科の学生と教員が来園者アンケートを実施。来園した家族連れなどから同園に関するアンケートの回答を得た。

学生が通訳ボランティア、訪日外国人患者対象に(城西国際大)

 城西国際大学の観光学部(石田益実学部長、千葉県鴨川市)はこのほど、亀田メディカルセンター(亀田隆明代表、同市)と訪日外国人患者やその家族を対象に、学生が通訳ボランティアを行う覚書を締結した。

 同学部にはウェルネスツーリズム学科があり、学生は医療現場で生の医療ツーリズムやホスピタリティを体験できる。同時に、多くの外国人患者の受け入れを促進することで地域の発展にも寄与する。

 とくに、中国語と日本語に堪能な留学生には、中国人富裕層患者などを対象にした通訳に期待が大きいという。なお、今回のボランティアでは、医療行為に関する通訳は行わない。

 一方、亀田メディカルセンターは亀田総合病院を中心に亀田クリニック、亀田リハビリステーションなど各医療サービス施設の総称で、同センターは日本で唯一、国際医療認証基準(JCI)を持つ医療機関。1日の外来患者数は平均約3千人で、近年は国内各地や海外からも来院しているという。

「一般社団法人」 へ移行、ANTA、6月の総会で提案

 全国旅行業協会(ANTA、二階俊博会長)は5月12日、東京都内で第144回理事会を開き、6月に開く2010年度総会で、一般社団法人への移行を提案することを承認した。

 同協会は、昨年9月から「公益法人制度改革検討委員会」(委員長=木村茂男副会長)を設け、今般の公益法人制度改革に対応するため検討を重ねてきた。

 検討の結果、公益社団法人の認定要件の1つである公益目的事業比率の50%をクリアできないことが明らかになった。さらに、05年の保険業法の改正により、現在同協会で実施している全旅協福祉共済事業に保険業法が適用され、今後、新しい公益法人に移行登記した場合、その日から実施できなくなるなどの理由から、公益社団法人ではなく、一般社団法人への移行を提案することが理事会で承認された。また、現行の共済制度の廃止と新たな見舞金制度の創設についても、6月22日に開く総会に提案することを承認した。

 そのほか、09年度事業報告や収支決算も審議。苦情・弁済事業では、被申出会員13社に対する旅行者からの認証申出件数が1754件(昨年度は721件)、認証決議額は5249万9千円(昨年度は7949万5千円)となったことなどが報告された。

 二階会長も出席し、「観光に関して内外の期待が高まるなか、いかに地域や、国全体へと発展させていくかが問われている」とあいさつ。今年4月に青森で行われた「国内観光活性化フォーラム」の盛況についても触れ喜ばしいとした。来年は、富山市内で4月26、27日に開催予定という。

女将のための 女将による 女将の会議、全国旅館おかみの集い ― 第21回全国女将サミット2010東京 ―(7月6日開催)

 女将のための 女将による 女将の会議―「全国旅館おかみの集い」(第21回全国女将サミット2010東京、畠ひで子運営委員長)が、7月6日、東京都千代田区の帝国ホテル東京で開かれる。1990年に京都市の京都ホテルで第1回目が開れてから、今年の開催で21回を数える。テーマを「匠 守るべきもの、変えていくもの」とし、基調講演にはエッセイストの海老名香葉子さんを講師として迎える。さらに、テーマごとに分かれて意見を交換する「分科会」や来賓、協賛スポンサーを交えての懇親パーティーを通じて、交流を深める。

「参加しやすい会へ」

 全国唯一の旅館・ホテルの女将による全国会議には、毎年100―150人が参加する。プログラムを通じて、経営や子育てなど共通する問題について話し合うほか、全国の旅館女将のネットワークづくりの場としても実績を積み重ねている。

 7月6日は午後12時30分に開会し、基調講演にはエッセイストの海老名香葉子さんが登壇する。その後、4グループに分かれての分科会(勉強会)を開く。事前に決められたテーマに沿って、参加者同士が意見交換するほか、アドバイザーが参加し、助言を行う。夕刻からはテーブル形式の懇親パーティーを開く。

 従来1泊2日で開いてきたが、「より参加しやすい会へ」(運営委員会)との意向から、初めて1日開催を試みる。スケジュール自体の見直しも行い、午後8時にはすべてのプログラムを終了する。これにより会場ホテル以外での宿泊はもちろん、一部の地区では日帰り参加も可能になった。

 おかみの集い事務局(旅行新聞新社内)では現在、参加者を募集している。定員は200人で、参加費は1人2万8千円(税込、会議費、懇親会費、記念写真代などを含む)。会場ホテルで宿泊を希望する場合、シングル利用2万3千円、ツイン利用(1人当たり)1万4千円(1泊朝食付、諸税込)。  各分科会の内容とアドバイザーは次の通り。

【第1分科会】
「インターネット」。旅行者のクチコミに対する効果的な返信を、実例紹介やグループ討議を通じて学びます。(リクルートCS推進グループゼネラルマネージャー 山田修司氏)

【第2分科会】
「人材育成」。若手社員の育成や、その人たちを教育する立場の管理職とのコミュニケーションについて意見交換します。(イーディーワン代表取締役会長 橋本佳奈氏)

【第3分科会】
「外客誘致」アジアの旅行者から見た日本の旅館像や、求められている情報と宿の取り組み事例とを比較し改善点を探ります(タレント・日中文化プロデューサー チャオ・ウェイニー氏)

【第4分科会】
「旅館経営」。時代に即して変えていくもの、残していくものなど、あるべき旅館像について意見交換します。(山形県かみのやま温泉古窯副会長 佐藤幸子氏)

スリッパラケットで「温泉卓球選手権」、宿泊客VS旅館代表(嬉野温泉)

 佐賀県嬉野温泉で5月30日、スリッパをラケット替わりに、浴衣姿で卓球を楽しむ“温泉卓球選手権”が開かれる。観光客と地元が交流できる楽しいイベントをと、旅館の若手らが企画した。毎月最終日曜日に実施しており、今回が3回目。

 同企画は、各旅館が提供する景品を賭け、宿泊客と旅館代表者が卓球対決を繰り広げるもの。同温泉の宿泊客であれば誰でも参加可能。申し込みは不要で、当日午後8時までに、それぞれ宿泊施設のスリッパを持参して、会場となる「シーボルトの湯」前のガレージに集合。参加は無料。

 現在、11旅館が参画しており、それぞれ入浴券やランチ券、湯どうふセット、有田焼など、さまざまな景品を提供する。参加者は自分のほしい景品を提供する宿の代表者と対決。勝てば、その景品が手に入る。負けても参加賞として「お茶石けん」がもらえる。

 仕掛人の1人、大村屋の北川健太社長は「イベントにより、お客様との交流が深まるだけでなく、旅館同士の横のつながりも強くなってきている。今後も温泉街がにぎわう企画を、皆で仕掛けていきたい」と語る。

東北新幹線八戸―新青森間、開業は12月4日に(JR東日本)

 東日本旅客鉄道(JR東日本)は5月11日、今冬の東北新幹線の八戸―新青森間(線路延長81・8キロ)の開業日を12月4日に、また来年3月から同新幹線に登場する新型高速新幹線車両(E5系)の愛称を「はやぶさ」にすることを発表した。

 開業後の運転本数は東京―新青森間が1日15往復、仙台―新青森間が1往復、盛岡―新青森間が1往復の合計17往復になる。最高速度は現在と同じ大宮―宇都宮間が時速240キロ、宇都宮―盛岡間は同275キロ、盛岡―新青森間は同260キロで運転する。東京―新青森間は、現在の八戸乗換えより約40分短縮されて最短で3時間20分程度で結ばれる予定という。

 また、「はやぶさ」は東京―新青森間を1日2往復、東京―仙台間を1往復運行する。最高速度は時速300キロで、東京―新青森間を最短で3時間10分程度で結ぶ。

 さらに2013年春には最高速度を引き上げ、東京―新青森間は3時間5分程度になる。

カジノ 当面は2カ所、東京・沖縄・北海道など候補 今秋にも法案成立目指す(カジノ議連発足)

 観光立国、地域振興にはカジノの合法化が不可欠と、議員立法化を目指す超党派の「国際観光産業振興議員連盟」(古賀一成会長)が4月14日に発足し、早ければ秋の臨時国会で議員立法としてカジノ新法案の提出、成立を目指している。27日には第2回会合を開き、有識者を招いてカジノ実現のために国民の理解を得られる仕組みづくりなどを整理した。東京や沖縄、北海道などが候補地にあがっているが、当面2カ所程度が望ましく、段階的に最大10カ所まで拡大していく方針を固めた。

 第2回会合の冒頭、古賀会長は「日本全国から注目されるなか、国際観光産業議員連盟が発足し、成長産業への期待も大きい。議論を重ね、近い国会でカジノ新法案を上程したい」と述べた。

 続いて、会長代行の岩屋毅氏は「自民党で長く温めてきた案に、民主党の新たな案を加味し、さらに良い案になるようにしっかりと勉強していきたい」と語った。同議連には、民主、自民、公明、社民、国民新、みんなの党の議員74人が参加。岩屋氏は「この問題は政争の具にしてはならない。議連も100人を超えるよう、大きくしていきたい」と述べた。

 現在、カジノは世界120カ国以上で合法化されており、今年4月にはシンガポールで2カ所目のカジノ施設がプレオープンするなど、各国の観光客誘致も激化している。同議連は観光立国、地域振興にはカジノ合法化が不可欠との考えから、「カジノを健全なエンターテイメント娯楽とする」として、ホテルやショッピングセンターなどを備えた総合的なリゾート施設の建設を想定している。

 会合には、大阪商業大学客員教授の美原融氏が「カジノ実現のために考慮されるべき基本的な考え方」を示した。美原氏は「国民の理解と支持による法案の実現」を大前提に据え、そのうえで、利権の囲い込みや官僚指導の天下り、省利省益を認める枠組みは理解されないと強調。カジノによる利益は、一例としてスイスが行った「国民の基礎年金に還元する」ような不平等感がなく、国民全員に還元される仕組みづくりの重要性を述べた。

 また、エンターテイメント施設や観光施設などの実現・運営には「国民の血税を用いるべきではない」として、「厳格な公的管理の中で、民間による開発・投資」を前提とし、国の規制機関(カジノ管理機構)が厳格な規制、監視、法の執行を行う。さらに、権力の集中は腐敗、利権の温床になるとして、政策を担う主務官庁として国土交通省・観光庁を念頭に置き、一方で施行の規則制定・民間主体の認証・監視・検査などを担う内閣府など、複数の省庁による共管が望ましいとした。

 これらを踏まえた大きな枠組みとして示されたのは、地方公共団体が施行主体となり、カジノエンターテイメントを運営する民間事業者を公募・選定する。それを国が指定し、監視する。地方公共団体の枠組みも、都道府県単位か、道州制を睨んだブロック単位なのかも今後の検討課題となる。最初は2カ所程度でスタートし、段階的に10カ所程度まで視野に入れている。今後は政策的にカジノ実現を標榜している大阪府や沖縄県、神奈川県の知事らとの意見交換や、国民の不安払拭へ依存症患者への対応なども検討していく考えだ。

 同議員連盟の主な役員は次の各氏。

【顧問】
羽田孜(民・衆)▽石井一(民・参)▽鈴木宗男(新大・衆)▽河村健夫(自・衆)

【会長】
古賀一成(民・衆)

【会長代行】
岩屋毅(自・衆)

【副会長】
三井辨雄(民・衆)▽櫻井充(民・参)▽下村博文(自・衆)▽野田聖子(自・衆)▽西野あきら(自・衆)▽佐藤茂樹(公・衆)▽池坊保子(公・衆)▽下地幹郎(国・衆)

【幹事長】
牧義夫

観光関係20人が受賞、女将6人、松橋氏ら(国土交通大臣表彰)

 国土交通省は4月23日、省内で2010年観光関係功労者国土交通大臣表彰の受賞式を開き、計20人を表彰した。

 前原誠司大臣の代理で出席した谷口博昭事務次官は、「皆様の各分野でのリーダーとしての役割は大きく、観光立国実現に、ご支援は不可欠。観光においては、きめ細やかなおもてなしの心を持った接遇が大切であり、大きな魅力にほかなりません。それぞれの分野で、なお一層のご努力を」と祝辞を代読した。

 旅館業は女将6人を含む13人、ホテル業は3人、旅行業は3人、観光レストラン業から1人が受賞した。

 受賞者は次の各氏。

【ホテル業(従事者)】
村上伸孝(京王プラザホテル 宴会部シニアアドバイザー)▽岡昌治(ロイヤルホテル料飲部マスターソムリエ兼ワインショップマネージャー)▽加藤圭二(リーガロイヤルホテル広島総支配人付ナイトマネージャー)

【旅館業(経営者)】
小園邦夫(小園旅館代表社員)▽外川凱昭(山岸旅館代表取締役)▽佐藤良治(国際観光旅館連盟近畿支部副支部長/国華荘びわ湖花街道代表取締役会長)▽西田友行(日本観光旅館連盟大分支部副支部長/つるみ観光〈ホテル白菊〉代表取締役会長

【旅館業(女将)】
廣川登美子(松川屋那須高原ホテル取締役・女将)▽榎本眞規子(三河屋旅館取締役・女将)▽山口君子(グランディア芳泉取締役・大女将)▽奥田宣子(天恵興業〈月光園〉専務取締役・女将)▽佐々木裕子(湯郷プラザホテル〈湯郷プラザホテル季譜の里〉専務取締役・女将)▽中山ヤス子(中山荘取締役会長・女将)

【旅館業(従事者)】
海老根勝夫(茨交ホテルズ袋田温泉思い出浪漫館執行役員営業統括部長)▽天坂幸作(大光観光〈氷見グランドホテルマイアミ〉業務第二部部長)▽前田俊雄(ホテル中原別荘〈温泉ホテル中原別荘〉総支配人)

【旅行業(経営者)】
松橋功(元JTB代表取締役会長)▽江間金作(元全国旅行業協会常務理事/エマ観光代表取締役会長)

【旅行業(従事者)】
望月優好(近江タクシー観光営業センター支配人)

【観光レストラン業(経営者)】
稲葉勝彌(国際観光日本レストラン協会常務理事/いなば代表取締役)

役割・機能分担明確に、JNTOの事業仕分け受けて(溝畑長官)

 独立行政法人国際観光振興機構(通称:日本政府観光局、JNTO)を対象にした行政刷新会議の第2弾の事業仕分けが4月28日に行われ、外国人観光客訪日促進事業については、国(観光庁など)に企画・立案を移管し、「民間に委ねられるものは民間に任せる」という判断が出た。また、JNTO直営のツーリスト・インフォメーション・センター(TIC)は廃止の結論となった。

 同日に開いた観光庁の溝畑宏長官は、「事業仕分けの結果を受けとめて、観光庁とJNTOの役割分担や、機能分担を明確化し、整理したい」としたうえで、「観光庁とJNTOが総合的に、国際観光のプロモーションの体制強化がはかれるように検討し、具体的に進めていきたい」と語った。

 「JNTOが独立行政法人という組織で適切なのか」という点については、「世界各国の観光施策を眺めると、基本的に国と公益性の強い団体が一体となって進めており、現状の観光庁とJNTOが一体となって機能アップしていくことが望ましい姿ではないか」との所感を述べた。また、事業仕分けでJNTOが国の事業を民間企業と競争入札していることを指摘された点については、「国がJNTOに直接予算を投入して事業を推進していけるかたちが望ましい」と答えた。

 海外13カ所にある海外宣伝事務所についてはJETROなどと連携をさらに強め、「実質的な一元化をはかっていく必要がある」と述べた。

訪日外客25%増、5カ月連続プラス(JNTO3月推計値)

 日本政府観光局(JNTO)が発表した2010年3月の訪日外国人数(推計値)は、前年同月比24・9%増の71万200人。昨年11月から5カ月連続の増加で、主要12市場では、英国を除く市場で前年を上回った。中国、タイ、フランス、ドイツは3月として過去最高を記録した。

 市場別にみると、韓国は同56・3%増の16万9400人と大幅に増加した。昨年は円高、景気低迷などの影響で42・2%減と落ち込んだ反動や、韓国で秋田市や田沢湖、乳頭温泉、男鹿半島などを舞台にしたテレビドラマ「アイリス」が放映され、個人旅行者や団体ツアー客が多数訪れたのもプラスに作用した。

 台湾は同18・7%増の8万9500人、中国は同22・3%増の12万3500人、香港が同19・3%増の3万6400人、タイが同17・8%増の2万8300人、オーストラリアは同13・3%増の2万500人、米国は同10・3%増の7万1600人となった。

 1―3月の累計では、前年同期比29・4%増の201万6100人。

 一方、出国日本人数は前年同月比9・4%増の155万2千人と2カ月ぶりの増加となった。成田空港発着枠の拡大や、円の高止まりなどが海外旅行需要の高まりを後押しした。1―3月の累計では、前年同期比3・9%増の410万6千人。