旅フェア2010 5月28-30日、幕張メッセ、旅にでるきっかけの場に、テーマ、目的別に構成

 5月28―30日、千葉県千葉市の幕張メッセで「旅フェア2010」が開かれる。地方公共団体、観光協会、関連企業が一堂に会し、「国内旅行の需要喚起」と「観光業界の力を終結させた観光の活性化」を目的とした国内最大級の「旅の総合見本市」で、例年、来場者は10万人以上を誇る。今年で16回目を迎える。主催は旅フェア実行委員会(日本観光協会)。

 今年のテーマは「新旅行宣言」。近年、生活者の「旅」に対するニーズが多様化・高度化するなかで、「旅」を取り巻く環境は急激に変化している。「旅フェア2010」では、会場を「旅にでるきっかけ」づくりの場と位置づけ、この急激な旅行ニーズの変化に対応し、今までになかった旅の情報を提供できるようリニューアル。観光需要の喚起につながるイベントとして抜本的な構造変化をはかったことを「宣言」するという意味を込めた。

 今年度は、新しい会場レイアウトの試みとして、テーマ別・目的別に会場を構成し、来場者が目的のエリアやブースにすばやくアクセスできる環境を整える。

 また、各地域が誇る特産品の飲食や試食ができる「ふるさと自慢市ゾーン」や、目的地に着くまでの過程を楽しむ「乗りもの大好きコーナー」、来場者が宿泊施設の情報を集中的に集められ、予約販売も実施する「思い出の宿ゾーン」など、個性豊かなゾーンやコーナーを展開する。

 入場料は前売り料金が、大人400円、当日が500円。高校生以下は無料。

 問い合わせ=電話03(6222)2540。

12年度までの数値目標設定へ、3カ年の観光戦略を策定(四国ツーリズム創造機構)

「四国はひとつ」をイメージ、ロゴマークとキャッチコピーを発表  四国ツーリズム創造機構(梅原利之会長)は3月26日、高松市内のホテルで理事会を開き、10年度から3カ年間の「四国観光交流戦略」を決定。統一のロゴマークとキャッチコピーを発表した。

 同機構は昨年7月に四国4県と民間企業・団体が参画する広域観光組織として発足し、高松市内に事業推進本部を設置。4県とJR四国、航空会社、旅行会社などがスタッフを派遣し、国内外からの観光客誘致に取り組んでいる。

 観光戦略では四国の社会・経済・文化の発展にとって、観光が重要な役割を果たすテーマと位置づけ、「四国がひとつ」になって「お遍路」「歴史」「食」などの魅力を生かした観光交流人口の拡大に取り組むことの重要性を強調する。

 策定にあたっては過去のキャンペーン、広報宣伝、インバウンド施策などの実績と効果の評価を行い、国内、海外客の延べ宿泊者数が全国10地域で最低水準という観光の課題も踏まえ、重点着地エリアの設定や12年度までの具体的な数値目標、東アジアや欧米市場へのインバウンド強化を柱に「選択と集中」で取り組むことを明記した。

 数値目標は四国外から観光で訪れる延べ宿泊者数を、09年度が257万人となった場合15%(約40万人)増、海外観光客は同30%(約1万人)増に設定した。

 目標実現に向け首都圏を中心に中部、関西の大都市圏に向けた誘客戦略を展開し、インバウンドでは東アジア・欧米にプロモーションを実施。四国の魅力を高める戦略として、観光素材の開発や2次交通の充実、利便性の向上をはかる。

 重点着地では四万十・足摺・宇和島の「四国西南部」エリアを売り込み、滞在期間の拡大と四国全体への波及を目指す。

 なお、ロゴマークは四国の形と人と人、心と心を結ぶ「水引」をモチーフにしてデザイン。キャッチコピーの「しあわせぐるり、しこくるり」は、幸せな気分になれる四国と「四国はひとつ」のイメージを表現している。

立山黒部アルペンルート、大町側が開通

 立山黒部アルペンルートは北アルプス・立山連峰を貫き長野県大町市と富山県立山町を結ぶ、日本を代表する山岳ルート。晴天に恵まれた4月10日、長野県側ルートに当たる大町市―室堂間の約30キロが冬季閉鎖を終えて開通した。当日は地元観光関係者や一般招待者など約300人が恒例の「オープンカーニバル」に参加。黒部ダムや黒部平、大観峰などから、白銀の北アルプスの山々の雄大な眺望を楽しんだ。

 関電トンネルトロリーバス発着地の扇沢駅や黒部ケーブルカー乗り場の黒部湖駅などで、テープカットや花束贈呈などの開通セレモニーを行うとともに、黒部ダムでは今シーズンの安全を願って玉ぐしをささげるなど安全祈願祭を実施した。

 また、富山城主佐々成政の冬の北アルプス越えの故事にちなんで、県内外から公募した武者軍団による雪中行軍も再現。黒部平では埋蔵金掘り出しや勝どきを上げ、黒部ダムではくす玉を割るなどして、アルペンルートの開通を祝った。

 JR信濃大町駅前の開通式であいさつに立った牛腰徹大町市長は、昨シーズンも利用者は100万人台を維持したとし、「長い冬の期間を経てアルペンルートが今日から開通するが、今シーズンも雄大で素晴らしい景観を一人でも多くの人たちに味わってほしい」と述べた。

 富山県側の雪の大谷などを含む全線開通は、1週間後の17日だった。

09年度の企業倒産、件数5年ぶり減、サービス業は微増

 帝国データバンクがまとめた2009年度(09年4月―10年3月)の全国企業倒産(負債1千万円以上の法的整理のみ)によると、倒産件数は前年度比2・8%減の1万2866件となり、5年ぶりに下回った。負債総額は48・6%減の7兆214億6100万円で、3年ぶりの減少。

 倒産件数が減少した主な要因は(1)一連の景気対策や緊急保証制度が効果を上げ、年度後半は減少が顕著だった(2)公共工事の前倒し執行による建設業倒産の減少が地方圏を中心に目立った――など。上場企業の倒産も日本航空など7件で、戦後最悪だった08年度の45件を大きく下回った。

 負債総額の減少については、負債100億円以上の大型倒産が58件(前年度135件)と半減したのが大きいとしている。

 業種別では7業種中5業種が減少。建設業は6・5%減の3325件、卸売業は9・2%減の1904件、不動産業が8・6%減の438件など。一方、製造業は8・7%増の2009件、サービス業は1・9%増の2345件。

 倒産の原因別では「不況型倒産」の合計が0・2%減の1万526件となるが、構成比では81・8%を占め、4年連続の増加。依然として経営環境が厳しい状況にあることは変わらない。

 負債額を規模別に見ると、負債5千万円未満の零細企業の倒産が6・7%増の5739件となった。負債額別では唯一の増加。

 地域別では9地域中7地域で下回った。なかでも北海道は30%減(346件)。ほかに東北、中国、九州などの地方圏で減少が目立った。関東、中部は上回った。

できる限り学生の力で、KNT×共立大学 実践型授業スタート

 共栄大学(山田和利学長、埼玉県春日部市)は4月から、産学連携を活用し観光ビジネスを実践する新しいリアルビジネス(RB)型授業「ワールドラン」を始める。近畿日本ツーリスト(KNT)は講師を派遣するなど、この実施・運営に協力する。

 ワールドランは、旅行商品の商品開発からオペレーションまでを、できる限り学生の力で行う実践型の授業。1回目の今年は世界遺産の街、マカオでウェディングとツアーをプロデュースする。受講できるのは観光ビジネスコース在籍の選抜20人。15回4単位の授業で、10回は、専任講師や関連企業の実務家教員による、基本講義やフィールドワークを通して業界の基礎知識を習得。その後、ウェディングとツアーのハンドリンググループに分かれ、商品開発、オペレーションを行う。

 この取り組みに協力してくれる、実際の挙式者は一般から募集する。費用はすべて大学が負担する。数回程度の挙式の打ち合わせに協力できるなど、カップル指定条件はウェブサイト( http://knt.co.jp/ec/2010/kyoei/Index.html )で案内している。5月末日で締め切り、6月中旬に決定。挙式日程は9月12―15日。挙式会場は「ザ・ヴェネチアン・マカオ・リゾートホテル」。

 KNTの田ヶ原聡団体旅行事業本部カンパニー長は3月31日、行った会見で「個別スポット的な対応はこれまでもあったが、履修単位として正式なカリキュラムのなかに組み込まれ、学校の要請によってお手伝いする取り組みは初めて。学校のブランディングのお手伝いの一歩になる」と説明した。

 すでに同大学では、学生が講義を通じてプロスポーツの公式戦を企画・運営する[共栄Spolas(スポラス)]という、RB型の授業も実施している。ワールドランは、文部科学省の認可では特別講義としての分類。しかし、学校側は常設の科目として、取り組みを継続していく考え。

 山田学長は「ワールドランは、教室を飛び出し別世界で学ぶ授業。大学教育の転換期に、規制にとらわれず新しい教育を目指し、歴史の扉を開いていきたい。何年かかけて形にしていく」と意気込みを語った。

伊勢神宮に観光ステーション、着地型販売で周遊促進(鳥羽市)

 三重県鳥羽市は4月28日、伊勢神宮・内宮前の土産・食事施設「勢乃國屋」内に、伊勢志摩の観光情報発信や旅行商品のクーポン対応などを行う「美し国観光ステーション伊勢・鳥羽・志摩」をオープンする。

 伊勢志摩を訪れる団体や個人客の多くが初日に伊勢神宮を訪れることから、伊勢志摩の集客拠点として内宮前に開設する。厚生労働省のふるさと雇用再生特別基金事業を活用し、運営は鳥羽市から委託を受けた観光販売システムズが行う。

 主な業務は伊勢・鳥羽・志摩3市の観光情報の発信や、各種旅行商品のクーポン対応やチケット交換など。鳥羽を含めた着地型商品の造成・販売も行い、伊勢志摩の周遊観光を促進する狙いだ。スタッフは4人で、年中無休で営業する。

 最大の特徴は各旅行会社や雑誌、宿泊施設などが発行した各種クーポンに対応すること。とくに各旅行会社のクーポン対応を1カ所で行うのは全国の観光地でも初めて。複数のクーポン対応が1カ所に集約されると、例えば従来は宿泊施設でチェックイン時に引き換えるランチやイベントクーポンなどを、チェックイン前に渡すことも可能になる。

 2番目の特徴は、鳥羽を含めた伊勢志摩周遊の着地型商品を造成・販売すること。旅行会社である同システムズの1営業所として運営し、旅行業務取扱管理者を配して、当日の宿泊手配や2次交通の手配なども行う。

 鳥羽市観光課の山下正樹課長は「伊勢神宮は2013年の遷宮に向けて年々参拝客が増加している。いかに伊勢神宮から鳥羽へ誘客し、少しでも伊勢志摩の滞在時間を増やすためには内宮前での情報発信が一番だと考えた。鳥羽を含めた伊勢志摩の着地型商品を造成、販売することで宿泊客増加につなげたい」と意気込む。

 同システムズの小高直弘専務は「複数の旅行会社のクーポンを1カ所で扱うのは全国の観光地でも例がない。旅行初日にオプションツアーやイベントなどの情報を入手できれば、観光客の利便性も高まり旅行行程にも組み込みやすい。伊勢志摩の滞在時間の増加にもつながる」と語る。

民主党観議連が発足、「観光政策立案の発信他に」

 民主党の観光振興議員連盟が3月30日、発足した。会長には、衆議院議員・国土交通委員長の川内博史氏(鹿児島第1区)が就任した。

 衆議院第2議員会館で開いた設立総会で、川内会長は「旅館3団体と連絡を取り合って現場のさまざまな意見を聞かせていただきながら、この議連を観光政策立案の発信地にしていきたい」とし、「政府が立案する観光政策が、観光の現場でおもてなしされている方々の要望とストレートに反映されていない場合には、我われが指摘、提言、協議などをしていきたい」と強調した。

 同連盟には、地元に観光地を抱える議員を中心にスタート。今後、活動方針に賛同する議員には広く門戸を開き、拡大していく考えだ。

 設立総会では、参加した旅館3団体がそれぞれ発足したばかりの観議連に要望を行った。全国旅館生活衛生同業組合連合会の佐藤信幸会長はNHK受信料について「少なくとも英国放送協会(BBC)と同程度の料金にして負担軽減を」と要望。国際観光旅館連盟の佐藤義正会長は「固定資産税に係る土地評価及び建物評価制度の抜本的な見直しに加え、国際観光ホテル整備法に基づく登録旅館・ホテルに係る固定資産税の2分の1の軽減、これに伴う国から地方への交付金などによる支援の実施をお願いしたい」と述べた。

 日本観光旅館連盟の近兼孝休会長は「国内旅行需要の拡大による地域の振興と活性化のために、一定額以上の支出を伴う国内旅行費用について、所得控除とする措置を」と要望した。

 川内会長は、「(旅館3団体からの要望について)真剣に議論を積み上げて、実現に向けて取り組んでいく」と述べた。NHK受信料については、BBC方式が実現した場合のNHK側の減収分の試算などを、旅館3団体が調査をしたうえで、NHKとの交渉に入っていく考えだ。

 同議員連盟設立の発端は、昨年9月16日に鳩山内閣が発足する直前に、鳩山氏から川内氏に直接連絡があり、「今、目の前に全旅連の方々がいらっしゃっている。これからの日本経済の中心となる観光振興のための議員連盟を作って、観光産業の皆さんの発展のお手伝いをするように」といわれたという。

 民主党観光振興議員連盟の役員会員は次の各氏。

【顧問】
鹿野道彦▽山下八洲夫▽高木義明▽土肥隆一▽鉢呂吉雄▽柳田稔▽前田武志▽小川敏夫

【会長】
川内博史

【副会長】
横光克彦▽筒井信隆▽近藤昭一▽奥田建▽小宮山泰子▽黄川田徹▽笹木竜三▽牧野聖修▽植松恵美子▽川崎稔

【事務局長】
橋本清仁

【事務局次長】
和嶋未希▽山尾志桜里▽玉城デニー▽熊田篤嗣▽三村和也

加賀屋を特別表彰、30年連続1位・35年連続トップ10(プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選)

 石川県和倉温泉の加賀屋(小田孝信社長)で3月20日、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」(旅行新聞新社主催)の30年連続総合第1位、ならびに35年連続総合トップ10入選を讃える特別表彰の授与式が行われ、全社員が見守るなか、旅行新聞新社の石井貞徳社長から小田真弓女将に記念盾などが手渡された。

 石井社長は「35年連続ベスト10入選にとどまらず、30年連続第1位という金字塔を打ち立てられた。時代が常に変化するなか、同じことをしていたのでは、到底成し遂げられないこと。経営陣はもちろん、何より従業員一人ひとりが加賀屋を大切に思い、そしてお客様へのおもてなしを大事にしてきた証。これを自信に、今後も日本が世界に誇る“おもてなし”の文化を大切に育んでいってほしい」と祝辞を述べた。

 小田女将は「30年連続で第1位に選ばれたことは身に余る光栄。支えたくれたお客様や地域の方々に深く感謝したい。将来の展望は非常に分かりにくいが、今後も『変えるべきもの』『守るべきもの』を見極め、“もてなしの心”を大切に、100年にわたり引き継がれてきた“加賀屋の流儀”を、その時代時代にお客様が望むかたちで発展させていきたい。まだまだ気配り、目配りが不十分だが、今後も皆様に喜ばれる宿づくりにまい進していく」と謝辞を述べた。

 表彰式では、今年の100選と同時に発表された第7回「もてなしの達人」に選ばれた同館の藤森公二支配人に対し、あらためて賞状と記念品が贈られた。

 「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」は、全国の旅行会社(支店・営業所含む)による投票をもとに、もてなし、料理、施設、企画の4部門と、その合計点からなる総合100選を毎年1月に発表する。1976(昭和51)年に第1回が開かれ、加賀屋は今年の第35回まで、連続で総合トップ10に入選。第6回から30年連続で総合第1位に輝いた。

訪日客誘致の新ロゴ決まる、嵐が “日本の顔” に就任

「尽きることのない感動に出会える国、日本」

 観光庁は4月6日、訪日観光プロモーション用の新たなキャッチフレーズ「Japan. Endless Discovery」と桜をあしらったロゴを発表した。「尽きることのない感動に出会える国、日本」を意味するもので、海外の方々に何度も日本に訪れてもらい、その都度、桜に代表される日本の豊かな自然や歴史、伝統文化や若者文化、食や地域の人々の暮らしといった「日本の多種多様な観光資源を深く知ってほしい」という気持ちを込めた。

 03年のビジット・ジャパン・キャンペーン(VJC)の開始とともに使われてきた「Yokoso! Japan」を7年ぶりにモデルチェンジし、英語を使用することでより広く世界に浸透させたい考え。

 また、観光立国のイメージ役として、人気タレントグループの「嵐」を観光立国ナビゲーターに起用。嵐は韓国、中国、台湾などで公演を行い、アジアでも絶大な人気を誇っており、今後は“日本の顔”として、訪日観光のプロモーションリーダーを担う。

 さらに、観光親善大使を新設し、裏千家第15代家元・千玄室氏が就任した。

休暇分散、6月に最終案、秋の国会に法案提出へ

 観光庁の溝畑宏長官は3月31日、観光業界の専門紙との会見で、休暇分散化について春と秋に5つの地域に分散して5連休を設置する政府案について、ワーキングチームなどで検討し、4月中にも中間的な方向性を示す方針を述べた。さらに、6月の政府の成長戦略としてとりまとめるまでに最終案を決め、秋の臨時国会で法案提出を目指している。仮に法案が可決した場合、実施について、1年以上の準備期間が必要だろうとの見方を示し、12年からの実施が妥当と話した。

 溝畑長官は「休暇分散化は、国民すべてに関わる問題。丁寧に説明していきたい」と語った。

「中国個人ビザ要件緩和4月中に一定の方向性」

 中国人の訪日個人観光ビザの要件緩和については、7月から中国全土拡大になるのに合わせて、年収25万元以上という経済要件の緩和や、手続きの簡素化などの調整が最終段階に入っており、「4月中には一定の方向性を示し、7月の全土拡大に間に合うようにしたい。日本への入国の敷居を低くするための最終的な調整を行っている」と話した。中国人訪日個人観光ビザは09年7月1日から北京、上海、広州の3地域を対象に発給されており、1年後の全土拡大に向けて試験的な条件などを加えていた。