名観新社長に神應(かんのう)氏

 名鉄観光サービスは3月24日、代表取締役社長に神應昭常務が昇格する人事を発表した。中尾勝洋社長は取締役相談役に就任する。

 神應 昭氏(かんのう・あきら)
1975年3月早稲田大学商学部卒業、4月名古屋鉄道入社。82年びわ湖バレイへ出向。90年名古谷鉄道関連事業部課長。93年名古屋空港ビルディングへ出向。98年総務部長、99年経営計画部長、2001年総務室総務部長兼計画部長、02年総務室副室長兼総務部長。05年3月名鉄観光サービスへ出向。06年取締役総務部長を経て、07年9月から常務取締役総務部長兼財務部・監査室・内部統制室担当。

会員のエコ事例を紹介、地域全体のイメージアップにも(日観連セミナー)

 日本観光旅館連盟は2月23日、東京国際ビッグサイトで開かれた国際ホテルレストランショーで、「『地球に優しい宿を目指して』~全国の実践事例と可能性~」と題し、セミナーを行った。日観連会員の旅館・ホテルの代表者4人が実践的事例を紹介した。

 基調講演は、旅行ジャーナリストで前旅行読売編集長の沓掛博光氏が登壇。沓掛氏は「宿は観光のメインステージ。1軒の宿のイメージが温泉地全体のイメージにつながる。エコは1軒の宿に留まらず、地域全体で取り組むことでエコ本来の目的に加え、地域の活性化と経済効果にも貢献する。日常的に取り組むことが大事」とアドバイスした。

 事例報告をしたのは、那須高原の宿山水閣(栃木県・那須温泉)の片岡孝夫社長、歴史の宿金具屋(長野県・渋温泉)の西山平四郎(八代目)代表取締役社長、ビレッジ美合館(香川県・美合温泉)の依斐恵美子常務、伴久ホテル(栃木県・湯西川温泉)の伴久一代表取締役社長。

 山水閣の片岡社長は、自館で取り組む木質ペレットボイラーの導入効果を紹介。取り組むきっかけとなったのは1988年、那須地域を襲った大水害の被害。異常気象は、地球温暖化などの影響が大きいと考え、地元の宿泊業者などが集まり、那須温泉地球温暖化対策地域協議会を設立。温泉排熱を利用した、石油代替エネルギーなどのスキームを柱に勉強会を開いている。

 そこでの知識を元に片岡社長は、自館に木質ペレットボイラーを導入。CO2換算で月4万トン、コスト換算で月45万円削減の導入効果があったという。また、CO2排出量を取引する、国内クレジット制度の活用で年間90万円の利益にもつながった。

 片岡社長は「導入するコスト回収が1番のテーマ。パートナー企業の重要性が大きい」と語った。パートナー企業として選んだのは温泉熱の効果的な利用を目指す、ネクスパ(東京都港区)。専門知識を持つ企業の協力で4千万円以上かかった導入費用の約半分は補助金の認定を受けた。「これがなければ踏み切れなかったが、結果的に導入してよかった。年間5―600万円のコスト削減を達成。3年6カ月ぐらいで投資回収できる見込み。地球環境に優しいは、お財布にも優しい」と語った。

中学生が東京で観光客誘致(塩原温泉)

 栃木県塩原温泉観光協会は3月17日、早春に向けた誘客キャンペーンを東京都内で行った。キャンペーンは地元の塩原中学校の総合学習の一環として、生徒らが観光地・塩原を売り込むもので毎年恒例の事業。今年で6回目。

 当日は昨年も実施した巣鴨商店街のほか、東京都庁前でも塩原中学校1年生、19人が各種観光パンフレットや生徒のメッセージとイラストを入れたティッシュペーパーを配った。また、巣鴨商店街では塩原のロゴ入りタオルやもみじ谷大吊橋を記したボールペン、ハンターマウンテンのキャラクターグッズなどが当たる抽選会も行った。

 櫻井巧也君は「初めての経験でパンフレットを渡す時に緊張しました。塩原は豊かな自然と温泉があり、都会では味わえない一時が過ごせます」と魅力を語った。

会員減少に歯止め、メリット発信が奏功(日本ホテル協会)

 日本ホテル協会(中村裕会長、236会員)は3月18日、東京都内のロイヤルパークホテルで2010年度春季通常総会を開き、今年度の事業運営の基本方針を「会員ホテルであることの魅力を増強すること」に置くことなどを決定した。

 中村会長は冒頭のあいさつで、NHK受信料のとりまとめや音楽著作物使用料割引などの会員メリット提供方策が功を奏し、会員数が増加に転じたことを報告。「14年にわたり会員の大幅減少が続いていたが、昨年は27ホテル、今年も6ホテルが入会した」と述べた。また、昨年は、観光庁が実施した香港と台湾の一般人を対象にした招待旅行「日本をもっと楽しもうキャンペーン」で、13の会員ホテルが客室を提供したことに触れ、「海外に紹介する絶好のチャンスだった」とし、「今後も各地でこのようなキャンペーンを開くことを要望したい」と語った。

 来賓の溝畑宏観光庁長官は日本のホテルサービスは海外での評価が高いことなどを語り、今後も訪日外客受け入れなどに一層の協力を要請した。  昨年度は、協会創設100周年の記念事業を実施したほか、人材育成事業にも注力した。

 今年度事業の重点は、将来に向けたキャリアプランを描くことができるような人材育成事業を推進するため、「ホテルマネジメント養成プログラム(MOP、HHP、HSM)」のさらなる改善・充実に努めるほか、「ホテルウェディングコーディネーター(HWC)」育成認定試験制度の認知度向上、推進をはかる。また、海外ラグジュアリーマーケットの誘致にも取り組む。さらに、会員の増強が最も重要な時期だと捉え、100周年再入会ウェルカムキャンペーン適用期間救済措置の周知と新会員勧誘活動を積極的に行う。

派遣法改正で冊子作成、待遇改善、人材育成に注力(TCSA)

 日本添乗サービス協会(TCSA、山田隆英会長、53会員)は3月23日、東京都内で2010年度通常総会を開き、決定事項などを発表した。

 冒頭、山田会長は「今年は昨年に比べれば、観光にとって明るい材料が多いので期待している」とあいさつ。「個人旅行やリピーターが増え、添乗員が同行しないツアーが増える他方で、高齢者の方の旅も増加し、必要とされる旅もある。添乗員の役割が変わることはない。我われは質の高い添乗員の提供に努めるため、人材育成に力を入れていく」と語った。一方、「問題は待遇改善。多くの添乗員は『あなたのお陰でいい旅ができた』という言葉を励みにしているが、少しでも処遇を良くするために協会として努力したい」と述べた。

 協会の取り組みは、三橋滋子専務理事が、昨年は中小企業庁の雇用促進事業として人材育成事業を受託し、全国5カ所で無料の講習会を開いたことや、登録型で派遣添乗を行うスタッフの社会保険について「就業日数が年間180日以上であれば加入」など協会としての考え方をまとめたガイダンスを作成し、会員会社に周知をはかったことなどを報告した。

 また、今年度は「業界倫理の確立及び、待遇・業務・環境改善のための活動」「添乗を専門職とする人たちのための人材育成事業」を柱に事業を進める。このなかで、三橋専務理事は重点項目として、「労働者派遣法の改正で現場の業務がどのように変わるか派遣先も理解できていないので、改正ポイントを明記した冊子を作り、添乗員が持ち歩いて理解を深めたい」と語った。さらに、添乗に係わる事故、トラブルなどへの対処方法・処理方法への対応やツアーコンダクター同行ツアーの需要喚起、研修事業の拡充などにも注力する。

ふるさとイベント大賞、最高賞の大賞は――、「しかりべつ湖コタン」

 地域活性化センターは第14回ふるさとイベント大賞の最高賞に当たる大賞(総務大臣表彰)に、凍りついた湖上に氷と雪で作った村を誕生させて楽しむ北海道鹿追町の「2009しかりべつ湖コタン」(第28回)を選んだ。ほかに優秀賞2件、奨励賞3件、選考委員特別賞1件がそれぞれ選出された。

 同賞は日本各地で行われている地域の魅力を高め、活力を生み出すイベントを表彰するもので、1996年度に地方自治法施行50周年を記念して設けられた。今回は全国から149イベントの応募があった。3月3日に東京都内で表彰式が行われた。

 「2009しかりべつ湖コタン」(然別湖コタン実行委員会・鹿追町主催)は、凍結した湖上に氷と雪だけで作った村「しかりべつ湖コタン」を開村するほか、氷上露天風呂やアイスチャペルなどを製作して遊ぶ、作る、体験するなど、参加者と自然との触れ合いの場を創出する。そしてイベントなどを通じて地域住民同士の協調や観光客との交流をはかっている。また、これまで冬期間の集客が課題となっていたが、イベントの実施に伴いホテルの通年営業が可能となるなど、地域に対する経済効果は大きいという。

 そのほかの受賞イベントは次の通り。

 【優秀賞】
KING KALAKAUA THE 〝MERRIE MONARCH〟伊香保ハワイアンフェスティバル(13回)=渋川市(群馬県渋川市)▽能登ふるさと博 灯りでつなぐ能登半島 輪島・千枚田あぜの万燈(2回)=「ほっと石川」観光キャンペーン実行委員会・輪島(石川県輪島市)

【奨励賞】
小称里=横須賀区祭典総代会(静岡県掛川市)▽ゆるキャラまつりin彦根~キグるミさみっと2009~=滋賀県彦根市▽鳩間島音楽祭(12回)=鳩間島音楽祭実行委員会=沖縄県竹富島

【選考委員特別賞】
日本海政令市にいがた 水と土の芸術祭2009(1回)=水と土の芸術祭実行委員会(新潟県新潟市)

JTBウェブ調査、99%が再度参加希望、現地発着型の旅行プラン

 JTBはこのほど、現地発着型(オプショナル)プランに関するウェブ調査を実施した。

 自然観察やスポーツ体験、伝統文化体験など、現地ならではの体験ができる「現地発着型の旅行プラン」は、ツアーのオプショナルプランとして販売されることが多く、人気を集めている。今回の調査で、国内旅行の現地発着型プランに参加したことがあると回答したのは26%。このうち、99%が再度参加したいと答え、満足度の高さが表れた。一方、参加未経験者の74%は今後「参加したい」と関心の高さが伺える結果となった。

 参加したプランを多かった順にあげると、(1)自然環境・自然動物などの観察(35%)(2)アウトドアスポーツ系の体験(21%)(3)陶芸や染め物などの伝統文化・芸能体験プラン(14%)(4)工場見学などの産業観光プラン(8%)(5)そば打ちなどの食事関連体験プラン(6%)――などとなり、参加しやすいプランへの参加率が高い傾向にある。

 参加した料金の価格帯は、「1千円以内」が6%、「1千―3千円」が25%、「3千―5千円」が30%、「5千―1万円」が28%、「1万円以上」が11%となった。

 「予算はいくらまで出せるか」では、3千円以上払うという回答が10ポイント増加しており、良いものであればある程度の金額を支払いたい、との期待も伺える。

 プランを知ったのは、「出かける前」が68%に対し「現地に着いてから」が31%。出かける前では、「旅行会社の店頭・パンフレット」が27%と最も多く、次いで「インターネット・携帯サイト」が25%で続く。現地では「プラン実施場所」が16%、「情報誌やチラシ、観光案内所」が14%。プランを申し込んだのは、「出かける前」が55%、「現地に着いてから」が44%だった。

 現地発着型プランの良いところについては、(1)その土地ならではのプランがある(33%)(2)個人では参加できないプランがある(24%)(3)知らなかった観光地を発見できる(16%)(4)思い立ってすぐ気軽に参加できる(13%)(5)比較的安価に参加できる(8%)⑥その土地の人と交流できる(4%)――などの意見があった。

海老名香葉子さん講師に、第21回全国旅館おかみの集い(7月6日帝国ホテル)

 全国旅館おかみの集い運営委員会(畠ひで子運営委員長)はこのほど、7月6日に帝国ホテル東京(東京都千代田区)で開く第21回「全国旅館おかみの集い」の基調講演に、講師として落語家一家のおかみでエッセイストの海老名香葉子さんを招くことを決めた。

 今年の集いは、21回目という新たなスタートを迎える。従来の取り組みを基礎としつつも、開催スケジュールを2日間から1日に見直すなど、全国の女将や女性経営者たちが参加しやすい会作りを進めている。

 7月6日のプログラムは、午後12時半の開会から、基調講演、記念撮影、分科会(勉強会)、懇親パーティーの順に進行し、午後8時には終了する。

 従来は、午後9時前に初日のプログラムを終了していたが、早く切り上げることで、会場ホテル以外での宿泊はもちろん、一部の地区では日帰り参加も可能になった。

 分科会は「インターネット」「人材育成」「外客誘致」「旅館経営」――などの題材を元に今後の運営委員会で詳細を決める。4月中に全国の女将に参加案内を発送する予定。

〈海老名香葉子さんプロフィール〉
エッセイスト。1933年10月に東京本所で生まれ、52年に落語家の林家三平(初代)と結婚した。夫の死後、こん平をはじめ、30人の弟子を支え、マスコミでも活躍している。

 著書は「半分のさつまいも」や「海老のしっぽ」など多数ある。2男2女の母で、長男の林家正蔵、次男の林家いっ平はともに落語家。3月9日に上野公園で開かれた東京大空襲を語り告ぐ催し「時忘れじの集い」に出席した際、昨年乳がんを患い、手術や放射線治療を受け乗り越えたことも告白している。

大手9サイトと連携、宿泊プラン110万件を横断検索(BIGLOBE旅行)

 NECビッグローブ(飯塚久夫社長)は3月10日、旅行予約や観光情報を提供する「BIGLOBE旅行」で、9つの大手宿泊予約サイトが提供する110万件以上の宿泊プランを横断的に比較検索できるサービスを開始した。

 フォルシア(屋代浩子社長、東京都新宿区)の提供する検索プラットフォーム「Spook(スプーク)」を活用し、従来から連携してきた楽天トラベル、JTB、るるぶトラベル、赤い風船、宿ぷらざに加え、新たに、一休.com、近畿日本ツーリスト、じゃらんnet、阪急交通社の4サイトとも連携を拡大し、サービスを拡充させた。利用者は、シティホテルから温泉宿まで大手宿泊予約サイトが提供する110万件の宿泊プランを一括で比較できるため、家族旅行や女性同士の旅行など多様な用途に適したプラン検討や、宿の予約までスムーズに行える。

 年間20万件の宿泊予約を目指す。

ともに旅文化を創造、新たな関係へ定款変更(朝日旅行協力会)

 朝日旅行協力会(佐藤好億会長、500会員)は3月17日、東京・浅草ビューホテルで2010年度通常総会を開き、新・朝日旅行との強固なパートナーシップを築くために、定款を一部変更した。

 朝日旅行はJTBと朝日新聞が提携し、昨年4月から51%の株式を取得したJTBのグループ子会社になった。佐藤会長は冒頭、「不安を感じられた会員もおられると思うが500会員が残った。我われ協力会は、人生を重ねていっても惜しくない『人を大事にする旅』を企画していただける朝日旅行という特殊な会社と、より強いパートナーシップを築き、これからの日本の旅のありようについて提案し、具体的に実践に邁進していきたい」とし、「地域の中で文化性のある仕事として地域に残していこう」と語った。さらに、「我われ協力会は現地研修など通して会員の皆さんと将来の道を開く可能性を模索してきた。今後は、日本の宿を守る会、日本秘湯を守る会、日本の食文化を守る会、一般協定先のどの研修会にも横断的に出席できるよう検討していく」と述べた。

 今回、定款を主に変更したのは「目的および事業」。従来は「朝日旅行の観光事業の推進に協力する……」とあった箇所を、「朝日旅行とともに、旅文化を創造していくための温泉文化、旅館文化や食文化、地域文化の保全と継承に努め、自立と協働の精神で……」と、より両者の協力関係の強化と、共同責任をとる関係へと変えた。

 今年度も会員の募集型企画旅行を掲載した旅行情報紙「朝日旅行」を、朝日新聞読者に折込広告として年に10回程度、東京本社管内で約330万部、大阪支社管内で約140万部配布する。

 部会活動では、日本秘湯を守る会(194会員)のホームページからの1年間(09年3月―10年2月)の宿泊総数は、前年比1億円790万円増の2億4120万円と、順調に推移した。このほど英語版がスタートし、今後中国語、韓国語版の開設にも取り組む予定だという。