新入湯料の導入検討、有馬温泉旅館協同組合が新年会

 有馬温泉旅館協同組合(増田晴信理事長)は有馬グランドホテルで1月12日、新年互礼会を開いた。

 増田理事長は「昨年は新型インフルエンザの風評被害もありイメージアップに尽力した1年だった」と振り返り、「今年の目標は次世代への継承と、堅実な組合運営の推進。そのためには行政に頼らない自主財源の確保が必要であり、新たな入湯料の導入を検討している」と語った。

 さらに入湯料について「神戸市に納めている入湯税はなかなか有馬に還元してもらえないのが現状。10円から15円の入湯料を導入し、その財源を有馬温泉の環境整備などにあてたい」として理解と協力を求めた。

 来賓の玉井茂治兵庫県神戸県民局副局長は「今年の秋にあいたい兵庫キャンペーンを予定し、県民局も有馬温泉と一緒に『一度は来たい』『もう一度来たい』有馬温泉を全国発信したい」とあいさつ。

 大森伸一神戸市国際文化観光局長は「観光は都市の魅力の源泉。日本最古の名湯と六甲山の自然、1千万ドルの夜景などを組み合わせた新たな神戸観光の魅力づくりを官民一体で進めたい」と述べた。

 続いて華やかな芸妓踊りの披露や、増田理事長と當谷正幸有馬温泉観光協会長らによる鏡開きが行われ盛会のうちに幕を閉じた。

旅行産業経営塾を再開、期間は3年、第1期生募集

 旅行産業経営塾OB会(原優二会長)は1月13日、2004年から休塾していた「旅行産業経営塾」(山田學塾長)を再開するとし、新1期生の募集を開始した。3年の期間限定で開き、将来の旅行産業を担う人材の育成を目指す。

 原会長は、旅行業が大きな変革期を迎えている今の状況を「旅行会社の本来の役割はどこにあるのか。社会に求められる役割を見極め、経営資本を集中させなければ将来は手詰まりの状態」と説明。「旅行業は人があってはじめて成り立つ産業。将来を担う人材育成が必要だ。同塾はものの考え方や見方を身につけるのが目的。会社に関係ない個人参加なので、本音で語り合え、違う立場の考え方に触れられる。一緒に新しい旅行業はどうあるべきか真剣に考えていきたい」とし、「卒塾生にはさらに次世代を教育してもらいたい」と再開の主旨を語った。

 同塾は1999年に現トラベルジャーナル学園が設立。5期にわたって開き、約200人の卒塾生を輩出した。今回はそのOB会が主催するもので、他業界や弁護士、大学教授など多方面から講師を招き、「志の旗を掲げよう」「交渉相手に負けない意思決定術」「ランドオペレーターの戦略」などをテーマに講義する。

 1期の修業期間は5月22日―2011年3月26日まで。授業は全14回(内1回は合宿予定)で、授業料は10万円。募集対象者は、「原則旅行業従事者で経験5年以上」など。定員は36人。申し込みはホームページ( http://www.bsti.jp )から。

 問い合わせ=旅行産業経営塾募集事務局 電話03(5774)6481。

〝職場力〟など研修、11月に島根で全国大会(全旅連青年部)

 全国旅館生活衛生同業組合連合会の青年部(井上善博部長)は1月14日、東京都内で2009年度第3回県部長サミットを開き、宿の地位向上委員会や広報委員会が主催したセミナーを行った。

 冒頭、井上部長は「大河ドラマ『龍馬伝』がスタートし、幕末の時代は混迷しているなかで、気概と志を持った青年が大きな仕事を成し遂げた。私も昨年の所信として『誇り・絆・友情』をスローガンに掲げたが、改めて、我われ旅館・ホテル業の誇り、仲間との絆と友情を大切にし、この1年をしっかりと頑張っていきたい」と新年のあいさつをした。

 「今年11月25日には青年部の第20回全国大会が島根県で開催される。ぜひ『縁結び』の地・島根にお越しいただきたい」と力強く呼びかけた。  宿の地位向上委員会(鈴木治彦委員長)のセミナー第1部は、「旅館業界『職場力』の実態」をテーマに講演会を開いた。

 事前に職場意識調査のアンケートを実施したオブリージュ(村橋克則社長)のエグゼクティブプランナー・末永栄一氏は「変化の激しい時代には、社長の力量や指導力だけでは上手くいかない。社長と従業員が作り出す強い職場力が必要」と述べた。

 さらに、職場力を決める3つの要素として、(1)安心感(2)達成感(3)連帯感――をあげ、「これらを作り出すのは経営者のリーダーシップ」と強調した。

 第2部の講演「学生の就職活動に関連したキャリア開発」では、富士常葉大学総合経営学部准教授の大久保あかね氏が「観光産業と地元の大学の連携のススメ」について語り、「2週間程度の企業研修を行うインターンシップの参加率は大学生全体の7%程度。旅館もぜひ多くのインターンシップ生を受け入れてほしい」と語った。

 第3部の「大学生・若旦那コラボ!~旅館の魅力を見つけよう~『泊まる』『働く』を考える」では、富士常葉大学観光ビジネスコースの学生らが、同委員会メンバーと連携して、昨年12月に長野県鹿教湯温泉で行った合同合宿の報告を行った。

 合宿を通じて、学生と若旦那らが共同でつくった宿泊プランなどの発表も行った。

エコの観点からコスト削減、ホテレスショーに「エコ達人村」(国際観光施設協会)

 国際観光施設協会(中山庚一郎会長)は2月23―26日、東京ビッグサイトで開かれる国際ホテルレストランショーに、「エコ達人村の相談・展示コーナー」を設ける。旅館やホテルの経営を圧迫する水高熱費の高騰の問題を、エコの観点から考えコスト削減につなげてもらう考え。相談は無料。最終日には、「エコの考え方で水光熱費をガッチリ減らす」のテーマでセミナーも開く。日本能率協会、日本ホテル協会、国際観光旅館連盟、日本観光旅館連盟、国際観光日本レストラン協会、全日本シティホテル連盟、日本温泉協会の7団体も協力する。

 同協会が関係団体に「エコ・省エネに対策に関する取り組み上の障害」に聞いた事前アンケート結果によると、「投資や資金計画が心配」が46%、「技術的な情報やコストが判らない」が37%を占めた。エコ達人村では、この2点について集中的に相談に乗る。

 技術面については、エコ達人(同協会に所属する技術企業のトップエンジニア20人)が対応。基本は事前予約制で、3年間の月別の光熱費のデータ、簡単な平面図、システムの説明などの資料を持ってきてもらう。

 投資面については、経済産業省資源エネルギー庁と日本政策金融公庫の担当者が協力。それぞれ2日ずつ専用のブースで、融資や補助制度について相談を受け付ける。手続きも含め、どうすれば受けられるのかまで指導してもらえるという。

 中山会長は、「技術の正しい使い方、それぞれの土地の力を生かして水光熱費を下げる方法を知ってもらいたい。客1人あたり1200円かかっていた水光熱費をうまくやれば800円台まで下げられる。これはものすごく大きいこと。ちゃんとやればおもてなしを損なわずにできる」と話す。

 同協会は同様の企画を今後5年間、継続していく考え。

 問い合わせ=電話03(3263)4844。

JTB・田川社長×HIS・平林社長 対論、トラベル懇話会「新春講演会」

 トラベル懇話会(会長=糟谷愼作・西武トラベル社長)は1月7日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで開いた第32回新春講演会で、JTB社長の田川博己氏と、エイチ・アイ・エス(HIS)社長の平林朗氏の対論を行った。日本を代表する旅行会社のトップが顔を合わせ、2010年の海外旅行市場の行方のほか、リアル店舗やウェブ戦略、価格戦略、グローバル戦略などについて、考え方や今後の方針を語り合った。

 新春講演会に先立って、糟谷会長は新年のあいさつで登壇し「2010年を迎えたが、旅行産業はいまだに20世紀の実績を超えられない。今回のJTBとHISのトップ対論は、旅行産業が21世紀型に変わっていく方向性を示してくれるものと期待している。今年も『明るく元気に』をスローガンに進んでいこう」と呼びかけた。

 対論の司会は、ダイヤモンド・ビッグ社「地球の歩き方」会長の西川敏晴氏が務めた。  まず現状認識について、JTB社長の田川氏は「地域密着で営業しないとこれからの旅行業は成り立たないとの認識から、06年4月に15社に分社化した。新しい旅行業のかたちや事業領域を求めて、現在は構造改革と成長戦略を同時に行っている」と述べた。構造改革では店舗ネットワークが最大の問題とし、成長戦略は(1)ウェブ(2)グローバル(3)地域交流――の3つをあげた。

 HIS社長の平林氏は2年前に社長に就任した理由を、「激変する環境には、より若い世代で対応していき、新しいビジネスモデルを作っていくことを任された」と話した。「HISは創業30周年を迎えたが、これまでのビジネスモデルをこの1―2年で大きく変えつつある状況」とし、「日々起こる変化にいかに対応するかを最も重視し、変化に先回りして対応することを心掛けている」と語った。昨年、マニラに100拠点目を展開しており、現地発のアウトバウンドを拡大していくことに力を入れていると説明した。

 ――リアル店舗、ウェブ戦略について

 JTBの田川社長は「昨年の高速道路1千円化によって、急激にインターネット利用が高まり、とくに国内宿泊においては相当に増えた。これがリアル店舗のあり方を考えるきっかけとなった」と話し、JTBグループで200店舗閉鎖と報道された経緯を話した。田川社長は「インターネットは商品の価値を高めることよりも、価格を下げるベクトルに動くようだ。価値を上げ、価格を上げるようには動いていない」と厳しい口調。そのうえで、「店舗ではインターネットを道具として扱うやり方の道筋を考えていく必要がある」と語った。

 HISの平林社長は「96年にホームページを立ち上げて以来、店舗とEビジネスはほぼ均等に力を入れてきた。店舗は統廃合はあるが、基本的には拡大策をとっている」と述べた。さらに、「5―6年前、eビジネスの可能性についての見通しは、総取扱額の1―2割で頭打ちだと予想した。我われは海外旅行が主なので、説明商品という性質柄そこまでeビジネスの比率が高まることはないだろうと見ていたが、今同じ質問をされると、『50%を超える可能性は十分にある』と答えるだろう。この2―3年は店舗が苦戦するなか、携帯(モバイル)による取扱いも急激に増えており、今後どこまで比率が上がるか予想しづらい状況」とした。一方で「ウェブで申し込まれるお客様は海外旅行に慣れたリピーターが中心。店舗を出店していかないと新規顧客の獲得は難しい。また、利益率の高い付加価値をつけた商品を売っていくには、店舗での販売が重要だと考えている」との見解を示した。

「単純な安売りは避けるべき―田川氏」

「「新規顧客」の獲得は店舗で―平林氏」

 ――2010年の海外旅行市場について

 田川氏は「これだけイベントが目白押しの年に、もし需要が伸びなければ、旅行会社を辞めてしまえといわれるような年」とし、平林氏は「数字は伸びると思うが、景況感は09年以上に厳しい年と認識している。成田、羽田空港の発着枠が拡大し、新規エアラインも多数乗入れるなか、ここで需要が拡大しなければ未来はないなと感じる」と語った。

 JTBとHISが共同でチャーター機を飛ばす可能性については、平林氏は「チャーターは旅行会社が負うリスクが高いので、オフラインの新規デスティネーションなどで需要喚起する場合にはぜひ共同でやらせていただきたい」。田川氏は「1社でやるには非常にリスクが高い。あらゆる旅行会社が共同でやるのがいいと思う」と語った。

 お互いをライバルと思っているかについては、両社長とも「そう思っている」と答えた。

 平林氏は「経営する以上は目標がいる。『JTBを追い抜きたい』というのは我われの大きな目標」と語った。一方、田川氏は「HISさんをターゲットにしているのは、FITの分野。いかにFITのお客様を取り込んでいくかという部分で、正直言って(JTBは)負けていると思う。これはJTBグループとして大きな課題。JTBとHISのオペレーションの仕方が違うが、HISさんのほうがスピーディー」と述べた。

 ――価格戦略について

 平林氏は「デフレによって消費者の価格志向が強まっている。しかし、価格を下げることで総需要が広がるとは思っていない。パイを取り合っている印象」と語った。新春格安キャンペーンの「初夢フェア」については「決して主力として出しているわけではない。(あの価格では)会社の経営も成り立たないし、付加価値の高い商品を店舗で販売していきたい」とした。

 田川氏は「価格の設定はそれぞれの会社でポリシーがあると思うが、質的な部分と絡めて常にセットで議論してもらいたい。質的な議論がなければ、価格が単に下がるだけ。業界として質を議論する体質に変わる必要性があると思う。『安い商品』と『安売り』は違う。単純な安売りは避けなくてはならないと思っている」と語った。

「目標は〝JTBを追い抜く〟――平林氏」

「FITの取り込みが課題に――田川氏」

 ――グローバル戦略について

 田川氏は「海外旅行とインバウンドは国内施策。JTBは世界80数カ国にランドオペレーターとしての機能を持っており『世界最大のランドオペレーター』というのが強み。現地で送客事業を行い、日本をはじめ世界にその国からお客様を送り出す機能をしっかりやることがグローバル戦略だと考えている」とした。そのなかで、「とくにアジアなどではその国の商習慣にあわせた進出の仕方が重要になる。たとえば合弁会社や協業などで進出しないとグローバル戦略は上手くいかない。韓国ではロッテと組んでいる。国内の人口が減るなかで、国際交流人口は爆発的に拡大している。インドやブラジルなどの新興国など、マーケットのあるところで商売をするというのは商いの基本」と語った。

 平林氏は「次の30年の成長戦略を考えると、世界に出て行かざるを得ない。アジア圏では現在、ものすごい数の旅行会社が設立されている。何10万社あるのかなという感じを持っている。日本のように産業が成熟していないので、旅行業法や約款もほとんど整備されていない状況。この中でグローバル化するには、我われのスローガンである『Think local, Act global』で思考をローカル化しないと難しい。 我われはメーカーと違って、販売する商品が確たる『製品』ではないので、各国に伝えられていくノウハウは、目に見えないオペレーションのノウハウや、商品造成の考え方などしかない。だから、ベンチャースピリッツをいかに委嘱できるかにかかっているので、並大抵ではないなと感じている。だが、そこに出ていくしか15年後、30年後の成長戦略は描けないと思っている」と語った。「一方でアジアの国々の旅行会社が日本に進出して、日本でビジネスすることも十分考えられる」と危機感も示した。

 田川氏は、「日本にはインバウンドについての法律はない。05年に作ろうとしたが、残念ながらできなかった。私はインバウンド向けの法律もしっかりと作るべきだと考える。今後インバウンド市場で2千万人―3千万人を求めようとするならば確立すべき」と強調した。

 ――旅行会社の価値について

 田川氏は「21世紀に旅行会社が残るなら、海外でも国内でもデスティネーション開発や地域開発をやる姿勢が必要。単に売っているだけでは旅行販売業であり、旅行事業ではない。JTBは旅行事業をやりたい。そのために総合旅行業の名を捨て、交流文化産業という名をつけた。将来的にはライフスタイル産業になりたい」と話した。

 平林氏は「現在情報が過多になり、いい情報を選択することが難しくなっている。旅行会社として、いかに主体的に楽しい旅行をお薦めできるかにかかっている」とし、「参加したお客様が想像していた以上に、感動や楽しみを感じていただけることができる存在でありたいと思う」と語った。

今秋ハワイに新施設、リゾ婚断念層を開拓(ワタベウェディング)

 ワタベウェディングは今秋、ハワイのコオリナ第2ラグーンにハワイ最大規模のハイクラスのウェディングリゾート施設「ホヌカイラニ コオリナ・プレイス・オブ・ウェリナ」をオープンする。12月24日から販売を始めた。施設は同ラグーン内で3番目。

 12月9日の会見で同社の渡部秀敏社長は「考えられる限りのハワイらしさを取り入れている。ここに行かないと実現できないクオリティーを実現する」と意気込みを語った。「国内に流れていた客を取り返しにいく」と、リゾート婚断念層の取り込みを狙う。リゾート婚希望層は約5万組がいるといわれ、そのうち約7割が国内のホテル、ゲストハウスに流れているという。

 施設の特徴は一方通行の自然な導線設定。チャペルの入口から、庭、パーティー会場まで同じ導線を2度通らない。他の挙式者を気にしないで、挙式からパーティーまでゲストハウス同様のプライベートなセレモニーを実現できる。チャペルのデザインは、ハワイアンに大切にされてきた「HONU(ウミガメ)」。海に浮かんでいるような臨場感と、270度の大パノラマが売り。

 サービスコンセプトは「7つのウェリナ」。ウェリナとはハワイ語で「愛を込めて」の意。全米レストラン・ランキングでトップ10、ハワイ・リージョナル・キュイジーヌのマスターシェフ、アラン・ウォン氏監修による料理のほか、パーティーマスターによるパーティーの準備から進行、演出までの手伝い、プロ集団によるウェディング・フォトなど、ハイレベルのサービスコンビネーションを用意する。

 ウェディングプランは原則すべてパーティー付パッケージ。オリジナルプランと新婦のヘア&メイク、ローズマリー衣装プラン、6人分パーティーがセットのスマートプランの料金は52万9千円。

 販売目標組数は2010年下期1千組、11年通期で2千組を目指す。

「飛鳥Ⅱで日本一周」が受賞、クルーズ・オブ・ザ・イヤー2009(JOPA)

 日本外航客船協会(JOPA、今崎慎司会長)は昨年12月17日、東京都内で「クルーズ・オブ・ザ・イヤー2009」を開き、各賞の表彰を行った。2回目の今回はJTB九州と西日本新聞社、郵船クルーズの「燦くる~ず2009 飛鳥Ⅱで航く紅葉の日本一周クルーズ」がグランプリに輝いた。

 冒頭、今崎会長は「クルーズは安定した収益が確保できる一方で、差別化をはかるのが難しい。今回受賞した商品はいかに特徴をだすか工夫され、オリジナリティーがでている商品だ」と受賞商品を評価。「業界を取り巻く環境は必ずしも追い風ではないが、団塊の世代を含め、今後もクルーズに適した年齢の人がでてくるという基本は変わらない。下を向かず、元気をだして頑張っていきたい」と語った。

 同賞は、同協会の創立20周年を記念して創設した事業で、クルーズマーケットの拡大に貢献した商品を企画造成、実施した旅行会社や関係者などを表彰し、業界の発展や向上を目指すとともに、消費者に良質の商品、サービスの提供をはかることが目的。グランプリ以下の受賞は次の通り。

 【優秀賞】
「ぱしふぃっくびいなすチャータークルーズ 今世紀最大の皆既日食観測クルーズ5日間」(読売旅行クルーズ部・NHKプロモーション)▽「ふじ丸チャータークルーズ2009年皆既日食クルーズ」(日本旅行神戸支店・兵庫県立大学)

  【特別賞】
「MSCファンタジアで航く 地中海・北アフリカ7都市周遊クルーズ10日間」(PTSクルーズ&レジャー事業部)▽「高知県」

  【ベスト・クルーズカップル・オブ・ザ・イヤー2009】
宇崎竜童・阿木燿子夫妻

未来遺産に10活動、岩手のイーハトーブなど(日本ユネスコ協会連盟)

 日本ユネスコ協会連盟は12月2日、「プロジェクト未来遺産」の初登録となる10活動に、久保川イーハトーブ世界自然再生事業(岩手県)や日本の記憶が息づく島ОKIを守り伝えるプロジェクト(島根県)などを決定した。同プロジェクトは、各地域の文化遺産や自然遺産を守り後世に伝えようという活動。

 未来遺産委員会(委員長=西村幸夫東大教授)による書類審査、一部現地調査を経て、危機にある遺産と生物多様性を守る活動を優先して選定したという。1回目の公募に対して、全国32都道府県から50プロジェクトの応募があった。

 今後、10プロジェクトに対して登録式典(3月22日開催予定)後、助成金贈呈や広報協力などの支援活動を行っていく。

 登録が決まった活動は次の通り。

 久保川イーハトーブ世界自然再生事業▽神楽坂をますます粋に~「粋益(いきまし)」プロジェクト(東京都)▽いきもの不思議の国・中池見湿地(福井県)▽葵プロジェクト(京都府)▽ならまちわらべうたフェスタ(奈良県)▽孟子不動谷生物多様性活性化プロジェクト(和歌山県)▽日本の記憶が息づく島ОKIを守り伝えるプロジェクト▽このままの鞆がいい!住民の手による歴史的港湾都市「鞆の浦」の歴史・文化・自然の継承と再生(広島県)▽八女福島空き町家と伝統工芸の再生による町並み文化の継承(福岡県)▽現代版組踊「肝高の阿麻和利」と「キムタカのマチづくり」(沖縄県)

人気温泉地ランキング2010、リクルートの「じゃらん」調査

 「もう一度行ってみたい温泉地」で、箱根が4年連続トップ 高湯などが秘湯部門で満点、有名温泉地部門では登別温泉が1位  リクルートの「人気温泉地ランキング2010」によると、「もう一度行ってみたい温泉地」は箱根(神奈川県)で、4年連続トップになった。2位は湯布院温泉(大分県)、3位は草津温泉(群馬県)と続き、ベスト10までの上位の変動は少なかった。また、「満足度」では高湯温泉(福島県)が2年連続の1位。

 調査は今回が4回目となり、対象はリクルートが運営する宿泊予約サイト「じゃらんネット」の利用者。31万7044人のうち有効回答数は5106人。温泉地は全国331カ所を選択肢として設定。

 これまでに行ったことがある温泉地のうち、もう一度行ってみたい温泉地トップの箱根は、首都圏からのアクセスのよさや自然に囲まれた街の雰囲気などが支持されている。2位の湯布院は街の雰囲気が好きだや自然に囲まれているなどの情緒的価値が高く、3位の草津温泉は街の雰囲気が好きだからに加え、温泉の効能や泉質が気に入っているというのが特徴。10位までに今回新たにランクインしたのは有馬温泉(兵庫県)で9位(前回は13位)。

 性別にみると、男性は1位の箱根に続き2位が草津、3位は登別温泉(北海道)、9位に下呂温泉(岐阜県)、10位に熱海温泉(静岡県)が入っている。これに対して女性は9位に有馬温泉、10位に城崎温泉がランクインしている。

 満足度は「最近1年間に行ったことがある」温泉地のうち、満足したと回答した割合。今回から来訪者30人以上の有名温泉地と、同15人以上30人未満の秘湯の2部門に分けた。有名温泉地のトップは登別温泉。2位は黒川温泉(熊本県)、3位は草津温泉。理由のコメントは登別、草津が泉質、黒川は宿泊施設や街中の環境というのが多い。

 一方、秘湯部門は高湯温泉、雲見温泉(静岡県)、湯の峰温泉(和歌山県)の3温泉地が同率(100%)トップ。秘湯なので母数(最近1年で行ったことのある人の数)は少ないものの、訪れた全員が「満足した」と回答している。高湯と湯の峰は泉質の評価が高く、雲見は民宿を中心とした料理と、素朴な雰囲気についてのコメントが多かった。

 「あこがれ温泉地ランキング」(まだ行ったことはないが、一度は行ってみたい温泉地)はトップが湯布院温泉、2位は登別温泉、3位は草津温泉。上位にランクインしている温泉地に共通しているのが、有名なのでという回答。ほかに温泉の泉質や効能に興味があるから、自然に囲まれているからといった理由が多いという。

 また、最近1年間に、行ったことがある温泉地「訪問経験ランキング」のトップは箱根。2位には昨年6位の熱海が入り3位は湯布院。4位は昨年11位から大きく上昇した下呂。

長崎県は210億円、高知県が234億円、「龍馬伝」経済効果を試算(日銀)

 大河ドラマ「龍馬伝」による観光客増加などの経済効果を、日本銀行の長崎、高知の2支店が昨年7月と10月にそれぞれ試算し発表した。長崎支店は長崎県への経済効果を210億円、高知支店は高知県への効果を234億円と見込む。

 長崎では2010年の県観光客数を08年比で5%増(141万2千人増)の2965万3千人と見込み、03年以来の3千万人台回復も視野に入ると予想する。経済効果の210億円は県内総生産の0・5%に相当する。

 主舞台の1つ長崎市の観光客数も08年比で15%増(84万6千人増)の648万7千人と予想し、03年以来の600万人超を期待。経済効果では市総生産の0・9%に相当する137億円と試算する。

 観光客底上げをはかるための対応課題として(1)坂本龍馬と長崎の密接な関係の周知(2)主演の福山雅治さんが長崎出身であることでの相乗効果を高める(3)龍馬伝関連施設へのアクセスの確保――などをあげる。

 観光消費額アップでは、特産物を生かした郷土料理や土産品の開発、飲食・ショッピング場所や雰囲気の提供の必要性を指摘。県内滞在日数の長期化をはかるため、龍馬伝関連施設と既存の観光資源との連携強化した観光メニューの拡充、体験型宿泊プランの提供、東京、大阪など大都市圏でのPR展開なども提案する。

 一方、高知では県外観光客数が08年比で37万3千人増の342万6千人。このうち宿泊客は17万6千人増の237万4千人と試算。消費額も74億円増の851億円と見込む。

 同県では06年に大河ドラマ「功名が辻」の舞台となり、宿泊客数が5%、観光施設入込客数が12%それぞれ増加。今回はそのデータを基に、「坂の上の雲」など四国を舞台のドラマ放映で相乗効果があるとして、3%を上乗せして算出した。

 観光客1人当たりの土産代が500円増加しただけで、60億円の経済波及効果が新たに生み出されると試算。観光客のニーズにあった新商品・サービスの開発・販売と08年の「花・人・土佐であい博」の経験を生かした官民一体の歓迎対策で、試算以上の経済効果を生み出すことが可能と指摘する。