2024年10月17日(木) 配信
観光庁の秡川直也長官は10月16日(水)に開いた会見で、2024年9月の訪日外国人旅行者数が前年比31・5%増(19年比で26・4%増)の287万2000人となり、24年1~9月の累計は2688万人と、23年通期の2507万人を既に上回ったことを報告した。単月の訪日外客数は、12カ月連続でコロナ前の水準を上回っている。
24年7~9月期のインバウンド消費動向調査(1次速報)によると、旅行消費額は23年同期比41・1%増、19年同期比64・8%増の1兆9480億円となり、同期では過去最高となった。訪日外国人1人当たりの旅行支出は22万3000円と推計。
また、24年1~9月期の訪日旅行消費額は累計で5兆8582億円となった。
観光庁は、地方における高付加価値なインバウンド観光地づくりで、総合的な施策を集中的に講じるモデル観光地について、新たに3地域を追加選定した。現在14地域が選定されている。
追加されたのは、山形エリア「雄大な自然と山岳信仰に由来する固有の精神文化」、佐渡・新潟エリア「越後山脈と交流の海・日本海がもたらした、今も息づく日本の原風景」、富士山麓エリア「世界遺産 富士山が誇る自然と富士山信仰に基づく文化資源」。
秡川長官は、「これらの地域に対し、引き続き複数年にわたって集中的な支援を実施していくとともに、この成果やノウハウを他地域に横展開することで、観光を通じた地域活性化を促進していく」考え。
□各国の知見持ち寄る レジリエンスサミット
観光庁は11月9(土)~11日(月)の3日間、閣僚級会合「観光レジリエンスサミット」を開催する。開催場所は宮城県仙台市。
自然災害の頻発化・激甚化や、新型コロナ感染症の世界的な流行により、外的要因に対する観光分野の脆弱性が改めて認識されている。観光分野における強靭性、回復力など、レジリエンスの向上が世界共通の課題になっているとして、同サミットを企画した。
サミットには、参加国の観光大臣や国際機関の代表者などが出席する予定。日本からは、斉藤鉄夫国土交通相が出席する。
秡川長官は、「災害からの回復を切り口にしたサミットの開催は初となる。各国共通の課題に対し、知見を持ち寄って、共有できれば。また、東北で開催することは、日本の地方を知っていただくという2次的効果も期待している。エクスカーションには、岩手県や福島県を訪れる2コースを用意した」と話した。