「ANA楽パック」累計利用者1200万人突破 楽天トラベルで最大1万2000円オフクーポン配布CP実施

2024年10月7日(月) 配信

「利用者数1200万人達成記念 ANA楽パック感謝祭」

 楽天トラベル上で提供する国内ダイナミックパッケージ「ANA楽パック」は、2006年10月の販売開始以来の累計利用者数が、24年9月時点で1200万人を突破した。これを記念し、楽天トラベルでは、「ANA楽パック」で利用できる最大1万2000円オフクーポンなどを配布するキャンペーンを始める。

 このCPでは、「Special Thanksクーポン」として、ANA楽パックの旅行代金が1万2000円オフになるクーポンのほか、テーマパーク提携施設で利用できる8000円オフクーポンを配布する。

 さらに、11月5日(火)午前9時59分までにANA楽パックをレンタカー付きで予約すると、「楽天ポイント」を1200㌽進呈する。

 CP期間は、10月7日(月)~12月2日(月)まで。

「デジタル観光統計オープンデータ」を正式公開 日本観光振興協会

2024年10月7日(月) 配信

デジタル観光統計イメージ(ブログウォッチャー)

 日本観光振興協会(菰田正信会長、東京都港区)はこのほど、観光来訪者数データを一元化した「デジタル観光統計オープンデータ」を正式公開した。これにより自治体は、国内居住者の観光来訪者数をタイムリーに把握することができ、速やかな施策実行や評価が可能になった。

 同データは観光庁「観光入込客統計に関する共通基準調査要領」で観光入込客数を把握する手段の1つとして提示されており、ブログウォッチャー(新村生社長、東京都中央区)が保有する人流(位置情報)データを使用し、全国47都道府県・1741市区町村の観光来訪者数を月別に集計したもの。既存統計の代替、EBPMの推進、観光DXなどでの活用が期待されている。

 日観振は昨年3月にデータの適切な整備と運営に向けて、「デジタル観光統計整備検討委員会」(座長=清水哲夫・東京都立大学都市環境学部観光科学科教授)を設立。観光庁もオブザーバーに迎え、観光客や観光地点の定義を検討し、各都道府県で行われていた既存の観光統計との精度検証を行ってきた。昨年10月からはお試し版を公開し、学識者や自治体による検証や確認を経て正式公開となった。

 公開にあたり、清水座長は「この10年以上にわたって、旅行者の位置情報を活用して観光地域づくりの施策を考えることに対して、自治体やDMO、観光協会の多くが大きな関心を寄せていたが、加工技術や費用対効果の面で大きな問題があった。問題解決の第一歩として、今回の検討委員会では観光庁『観光入込客統計に関する共通基準』に準拠した位置情報データの統計化にチャレンジし、晴れて公開にいたった」と喜びを語った。

H.I.S.ホテルホールディングス、奈良モダンルームの提供開始 地元企業とコラボし吉野ひのき活用

2024年10月7日(月) 配信

奈良モダンルーム

 H.I.S.ホテルホールディングス(澤田秀雄社長、東京都港区)は9月26日(木)から、運営する「変なホテル 奈良」(奈良県奈良市)で地元企業とコラボレーションした「奈良モダンルーム」の提供を始めた。

 同客室には、「あかり工房 吉野」(奈良県・大淀町)の吉野ひのき光絵パネルやペンダントライト、キャンドルホルダーを設置。1940年に創業した「松田商店」(奈良県奈良市)の吉野ひのきの匂いを楽しむ「香りのインテリア」も取り入れた。

 宿泊客には「チアフル」(奈良県・吉野町)の同ひのきを使用した入浴剤「JIWAJIWA」をプレゼントする。価格は1室1泊当たり1万7000円(税・サ込)から。

あべのハルカス、「にいがた酒の陣OSAKA」を初開催(10月10~14 日)

2024年10月7日(月) 配信

自分好みの日本酒との出会いを楽しめるのが「にいがた酒の陣」の魅力

 新潟県の35の蔵元の日本酒が楽しめるイベント「にいがた酒の陣OSAKA」が10月10日(木)~ 14 日(月・祝)まで、あべのハルカス近鉄本店(大阪市阿倍野区)で初めて開催する。酒蔵数日本一を誇る新潟県内の蔵元が、自慢の酒を一堂に持ち寄り、個性豊かな美味しい地酒を味わってもらうイベント。あべのハルカス開業10周年を記念して、近鉄本店で開く。

 会場は、「上越」「中越」「下越」「佐渡」の4つのエリアに分かれ、それぞれのエリアの日本酒の個性を感じながら、自分好みの酒を探す楽しみを味わえる。各エリアの風土や食文化に合わせて日本酒の味も異なり、日本酒造りのプロである各蔵元の「蔵人」とコミュニケーションを取りながら飲み比べて、自分好みの日本酒との出会いを楽しめる「にいがた酒の陣」の魅力を堪能できる。

 会場内には、新潟にちなんだおつまみとともに日本酒の飲み比べを楽しめる「スナックニイガタ」が登場するほか、新潟県の新米の販売も行う。また、日本酒には欠かせない酒器などを集めた「にいがたもん博」も併催する。

 会場はあべのハルカス近鉄本店のウイング館9階。開催期間は午前10時~午後8時(最終日は午後4時閉場)。

トヨタ・センチュリーが京都鉄博にやってくる! 11月2~4日に産博学3者連携イベント

2024年10月7日(月) 配信

 彌榮自動車(粂田晃稔社長、京都府京都市)と京都鉄道博物館、京都産業大学は11月2日(土)~4日(月・祝)に鉄道博物館内で産博学3者連携の初イベント「トヨタ・センチュリーが京都鉄博にやってくる!」を開く。

 イベントでは彌榮自動車が保有し、これまで国内外の賓客送迎に使われてきた「ハイヤー特別車」であるトヨタ・センチュリー(2代目、GZG50型)と、京都鉄道博物館が所蔵しているC51形蒸気機関車(239号機)を京都鉄道博物館内の扇形車庫で並べて展示する。また、当イベントに合わせて京都産業大学の学生スタッフが展示車両を案内する。

 2社は京都産業大学が開講する課題解決型授業「O/OCF-PBL(オーシフピービーエル)2」に参画している事業者として縁が生まれた。彌榮自動車が7月末にヤサカグループのタクシー・バスのミニカーを京都鉄道博物館に寄贈し、鉄道ジオラマ内に展示する企画を実現。さらなる連携企画として、今回のイベントを実施する。

 イベントの開催時間は午前10時~午後5時まで。学生による案内は正午~午後1:30の間は休止となる。場所は博物館の扇形車庫内。

阪急交通社が城西国際大学と包括連携結ぶ 観光振興や人材育成に向け新しい産学連携を

2024年10月7日(月) 配信

倉林眞砂斗学長(左)と酒井淳社長

 阪急交通社(酒井淳社長、大阪府大阪市)はこのほど、城西国際大学(倉林眞砂斗学長、千葉県東金市)と観光振興・観光人材育成に関する包括連携協定を結んだ。10月4日(金)に同大学の東京・紀尾井町キャンパスで協定書締結式を開き、酒井社長は「新しいカタチの産学連携として、学生のキャリア形成をサポートしていきたい」と力を込めた。

 阪急交通社はコロナ後の観光需要回復に伴う人材不足に危機感を持ち、大学生を対象に中長期的な育成プログラムを開始。プログラムではコロナで旅の機会を奪われた学生に対してバスツアーの添乗業務などの経験を通して、旅の楽しさを実感してもらいたいと考え、このパートナーとなる大学を探していた。

 一方、城西国際大学は社会とのつながりを持ったフィールド教育やキャリア教育に力を入れており、とくに観光学部においては22年の東金キャンパス移転を機に新たな産学連携のパートナーを求めていたところ。この両社の狙いが一致したことから、今回の連携締結にいたった。

 2者は既に2023年6月から、観光学部の学生を対象に阪急交通社のツアーブランド、トラピックスでの添乗業務などを体験する「旅行業務サポートプログラム」を実施してきた。今年度も2年生と3年生の計16人が現場で学んでいるという。

 今回、連携協定を結んだことで、観光人材育成プログラムをさらに充実させるほか、ツアー企画担当社員が指導する「観光プロジェクト・阪急交通社クラス」の開校などを想定する。人的交流事業や観光振興にかかわる共同研究なども行い、両者の強みを生かしてプロジェクトに学術性や商業的知見を付与し、より効果的な成果を得ることを目指していく。

 観光学部の教授でもある倉林学長は「自分の目で見る学びがすべての起点になる。将来を見通しながら、質の高い連携をしていきたい。よりよい教育成果になるよう力を尽くしていく」と意気込んだ。

 城西国際大学の観光学部生は現在約380人。今春の卒業生は約5割が観光産業に進んだという。これまで同大から阪急交通社へ就職した例はないが、酒井社長は同社の強みとして募集型企画旅行に触れ「募集型が造成できる会社は現在数社しかない。授業に参加して実際にツアー造成の魅力を感じた学生はその数社を希望するのではないか」と期待を寄せた。阪急グループとしては、観光産業のなかで旅行業以外にも幅広い職種があるため、各社の魅力発信や周知もはかっていきたいとした。

近畿日本ツーリスト、CES2025無料ウェビナー 10月9日に

2024年10月7日(月)配信

Tomorrow Access社CEOの傍島健友氏が解説

 近畿日本ツーリスト(瓜生修一社長、東京都新宿区)は10月9日(水)、米国・大型テクノロジー見本市「CES2025」を紐解く無料ウェビナー「はじめてのCES」を正午~午後0時45分に行う。講師には、米国・シリコンバレーで活動し、最先端の技術からビジネスモデルまで幅広い知見を持つTomorrow Access社CEOの傍島健友氏を迎え、CESについて詳しく解説してもらう。

 CES(Consumer Electronics Show)は、米国・ラスベガスで1月に開催される大型テクノロジー見本市で50年以上の歴史があり、今年1月のCES2024には世界中から4000社以上が出展し、13万人が来場した。今回のウェビナーは、2025年のCESの視察を検討している人や初めて参加される人、再訪される人に、限られた時間の中で行くべきポイントやお勧めを知る機会となる。

 申し込みは、https://biz.knt.co.jp/ces/2025_online/から。

 なお、近畿日本ツーリストでは、「CES2025」の視察ツアーを販売している。申し込むと、Tomorrow Access社の「CESかんたんガイドブック」(定価4万4000円)をプレゼント。エコノミークラス利用に加え、ビジネスクラスを利用できるコースも用意している。なお、早期申し込み特典として、10月15日(火)までに申し込むと、現地ガイドによる当日の会場アテンドサービスが付く。

熱川プリンスホテルに「24時間無人販売ショップ」誕生

2024年10月7日(月) 配信

無人販売ショップ「紬舎(CHUSHA)」

 静岡県・熱川温泉の熱川プリンスホテルは今夏、創業65周年事業の一環として、売店をキャッシュレス決済の24時間利用可能なスマートマルシェ「TOUCH To Go」システムを伊豆で初めて導入し、無人販売ショップ「紬舎(CHUSHA)」にリニューアルした。

 ショップでは伊豆のお菓子や、チョットしたおつまみ、ソフトドリンク、酒などを用意し、手軽なセルフ会計で購入できる(酒類は従業員の確認必要)。また、ショップに隣接し、味わいと品質にこだわった厳選ミカフェートのコーヒーを味わうカフェ空間や、伊豆在住のアーティストの作品を展示するギャラリーも併設している。

 なお、シュップやギャラリーは宿泊を伴わない人や地元の人も利用でき、出会いや交流の場としても期待されている。

「観光人文学への遡航(52)」 追悼 小野善一郎先生

2024年10月6日(日) 配信

 明治以降の学校教育体系の変遷を辿っているが、今月はその連載を一旦休止し、追悼文を著したい。

 渋川八幡宮の宮司、小野善一郎先生が2024年9月18日に帰幽された。小野先生は私にとってかけがえのない師匠である。人生の後半で出会って最も影響を受けた方と言っても過言ではない。小野先生との出会いがなければ、観光を人文学からアプローチすることは考えもつかなかった。

 小野先生は、神道の教えが現在の我が国に浸透していないことを憂い、神道をわかりやすく理解する講演を精力的に展開された。

 小野先生がとくに力を入れているのが「写詞」である。小野先生は、祝詞の中でも、毎年6月と12月の晦日に大祓が行われる際、神前で読み上げられる祝詞である「大祓詞(おおはらえのことば)」を選び、参詣者に写詞をする機会を提供した。

 大祓詞は日本の国の成り立ちを大いなるスケールで示しており、大祓詞を奏上することで、国生みの神々がどのような想いでこの国を作ったのかということを現代に生きる我われも理解することができる。

 この小野先生からの教えを通して、私はホスピタリティの新たなるフェーズを思いついた。

 神道では、天つ神の「清らかな心」と一体となることを説く。天皇陛下も三種の神器を持つことで、天上界から降臨してきたその当時の神々の想いと一体となり、常に国民とともにあり、国民の平和と安寧を祈る。私たち国民も天皇陛下とともにあり、そして、ひいては天つ神とともにある。

 さらに、神道は「一貫のいのち」ということを伝えている。すなわち、清らかな天つ神と自分が一体となって一つのいのちでつながっている。そうだとすれば、他人から評価してもらいたいとか認められたいなんて考えは、まったく必要ないことに気づく。その境地に至れば、相手を喜ばせたいとか、相手に感動を与えたいと考えるよりも、そもそも相手とも一体なのだから、もっと淡々としたものになるはずである。自分の心の中の芯の部分には天つ神と同じく異心のない清らかな心があるのだから、それを引き出すために、異心を祓っていくのである。

 ホスピタリティでよく耳にする「利他」という言葉にずっと違和感を抱いていたが、この一体関係という概念を理解することで、その違和感の原因に気づいた。利他という言葉は、利がどちらにあるかということを考えている時点でもう利己的である。利他はアピールがつきものである。神と自分が一体関係であれば、アピールさえもする必要はない。人知れずとも正しい道を歩み、認められずとも淡々と生きていくことをよしとできなければ、まだ利己の心が残っている。

 謹んで小野先生のご冥福をお祈り申し上げます。

 

島川 崇 氏

神奈川大学国際日本学部・教授 島川 崇 氏

1970年愛媛県松山市生まれ。国際基督教大学卒。日本航空株式会社、財団法人松下政経塾、ロンドンメトロポリタン大学院MBA(Tourism & Hospitality)修了。韓国観光公社ソウル本社日本部客員研究員、株式会社日本総合研究所、東北福祉大学総合マネジメント学部、東洋大学国際観光学部国際観光学科長・教授を経て、神奈川大学国際日本学部教授。教員の傍ら、PHP総合研究所リサーチフェロー、藤沢市観光アドバイザー等を歴任。東京工業大学大学院情報理工学研究科博士後期課程満期退学。

 

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(237)」 奇跡の温泉街の新たな挑戦(兵庫県豊岡市)

2024年10月5日(土) 配信

玄武岩の護岸が美しい城崎温泉

 かつて「奇跡の温泉街」と呼ばれた兵庫県・城崎温泉。白樺派文人、志賀直哉の「城崎にて」はあまりにも有名である。舒明天皇629年、コウノトリが傷を癒したことから発見されたという開湯伝説が残り、江戸時代には「海内第一泉」として広く日本中に知れ渡った。

 夜遅く、街にはカラコロという下駄の音が響きわたることが「奇跡」の理由の一つである。まち全体が一つの旅館、「駅は玄関、道路は廊下、旅館は客室、外湯は大浴場」というまちづくりの基本理念が生きている。7つの外湯(共同風呂)があり、各旅館の内湯はなるべく小さくして街に人を誘うといった共通ルールが、今でも生きている。

 地域は1925(大正14)年の北但大震災(M7・0)で壊滅的な被害を受けたが、早稲田大学などの協力のもとに、新たな都市計画を策定、見事に復活を遂げた。
 温泉離れの危機も経験した2004(平成16)年には、当時の西村肇町長(西村屋会長・合併前最後の町長)の呼び掛けで、まちの未来を担う若者たちを巻き込んで策定した「城崎このさき100年計画」は、この町が求めるべき長期のビジョンを描いた。計画はバインダーに閉じられ、時代ごとの変化を捉えて上書きできる。近く計画の見直しが予定されているという。

 その城崎温泉を9月初旬に訪ねた。6日から始まった「豊岡芸術祭」で、温泉街はいつにも増して賑わっていた。

 城崎町は、05年に旧豊岡市、竹野町、日高町、出石町、丹東町が合併し、現在は広域豊岡市の一画となった。中貝宗治前市長のもとで20年から始まった豊岡演劇祭は、新たなまちづくりのシンボルの1つになった。「小さな世界都市~Local&Global City~」という市の将来像のもと、「深さをもった演劇のまちづくり」がスタートした。従来型の観光から、「豊岡ローカル」への憧れや共感にもとづく大交流を促す装置としての「演」という手法である。

 その拠点が、城崎温泉にある城崎国際アートセンター(KIAC)である。ホールと6つのスタジオ、22人宿泊可能なレジデンスやキッチンを備え、アーティストは最短3日から3カ月間滞在、ホールやスタジオを24時間無料で使用できる。

城崎国際アートセンターのスタジオ

 これらを担う若者の育成を目標に、21年には、芸術文化専門職大学(1学年80人)も設置された。全国から集う若者たちが、この演劇のまちづくりを学び支えている。

 演劇のまちづくりは、広く豊岡市全域で展開されている。旧出石町にある近畿最古の芝居小屋「永楽館」、旧日高町の江原河畔劇場、世界ジオパークの代表的ジオサイトである玄武洞などもその「舞台」である。

 演劇のまちづくりは、緒に就いたばかりである。城崎のこのさき100年計画と同じく、実験都市・豊岡の大きな柱になっていくことを期待したい。

(観光未来プランナー 丁野 朗)