2024年10月3日(木) 配信
「ツーリズムEXPOジャパン2024東京」は9月26(木)~29日(日)、東京ビッグサイトで開催した
日本観光振興協会(菰田正信会長)、日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)、日本政府観光局(JNTO、蒲生篤実理事長)は9月26(木)~29日(日)の4日間、東京ビッグサイトで「ツーリズムEXPOジャパン2024東京」を開いた。テーマは、「旅、それは新たな価値との遭遇」。観光大臣会合では、9か国4団体が集結し、世界の観光市場が回復するなかで、どのように新たな旅の創造に取り組むべきかを活発に議論した。
日本観光振興協会の菰田正信会長
9月26日(木)に行われた開会式では、菰田会長が、「昨今の観光業界を取り巻く環境は、国内はコロナ前に近づき、今年8月の訪日外国人は7カ月連続で単月過去最高を記録し、累計2400万人とコロナ前を超える勢いで回復している」とした一方で、「海外旅行はコロナ前の6割程度の回復に留まっている。今年のTEJは、海外からの出展が全体の4割を超えている。日本の海外旅行市場での期待の高まりを実感している」と話した。
「今年は日本の海外渡航自由化60周年の記念すべき年。今大会を契機として、海外旅行がさらに活性化することを期待している」とあいさつした。
来賓として出席した国連世界観光機構(UN Tourism)アジア太平洋部部長のハリー・ファン氏は、「世界は前例のないパンデミックの影響から回復しつつあり、非常にうれしく思っている。世界各国の旅行者がアジア太平洋地域へと訪れて、その水準はコロナ前に到達しようとしている。日本はこの回復を率いている」と力を込めた。
開会式後は、第8回「ジャパンツーリズムアワード」の表彰式が行われた。
大賞にあたる国土交通大臣賞には、「愛知県『休み方改革』プロジェクト」(愛知県)が選ばれた。選考ポイントとして、観光需要の平準化を進めるうえで、県が主導して休暇改革を打ち出した点が高く評価された。
経済産業大臣賞は、「Japan Travel by NAVITIME」(ナビタイムジャパン)が獲得。
観光庁長官賞は、「産地事業者と協同した『トップ層』誘客への挑戦」(越前市観光協会)、「地域協創ウェルネスツーリズム」(扉ホールディングス)、「責任ある観光へのカタルーニャ州の取り組み」(カタルーニャ観光局)──の3つの取り組みが選ばれた。
□ 基調パネルディスカッション
基調パネルディスカッションでは鶴賀リゾート取締役アドベンチャー事業部長の高田茂氏、さとゆめ代表取締役の嶋田俊平氏、ヨーロッパ観光委員会エグゼクティブディレクターのエドゥアルド・サンダンデール氏、JTB社長の山北栄二郎氏が参加。モデレーターは、コネクトワールドワイド・ジャパン代表のマージョリー・デューイ氏が務めた。
テーマは、「観光交流人口の拡大」とし、人材育成の遅れや、オーバーツーリズム対策として地域の受入キャパシティの見極めの重要性、官民パートナーシップを拡大する必要性などの意見を交わした。
□ 観光大臣会合
各国の観光大臣や国際観光組織の代表などが一堂に会した
第7回TEJ観光大臣会合では、日本を含めた9カ国の観光大臣・観光行政のリーダーと4国際観光組織の代表など、計13人が登壇した。
テーマを「新たな旅の創造」とし、世界の観光市場が急速に回復するなかでさらなる成長を目指すためのアイデアについて、多様な意見が交わされた。
日本からは国土交通大臣政務官の尾﨑正直氏が参加した。尾﨑氏は、訪日観光客が3大都市圏に集中していることに触れ、「地方誘客の促進と、消費拡大が重要。このため、高付加価値なインバウンド観光地づくりに取り組む11のモデル地域を選定した」と紹介。
持続可能な観光地づくりには災害時の危機管理や復興への知見も必要だと訴え、今年の11月には、UNツーリズムと連携し宮城県仙台市で「観光レジリエンスサミット」を開くことを報告した。
1日目の夕刻には、ウェルカムレセプションが開かれ、石川県輪島市名舟町に伝わる伝統芸能「御陣乗太鼓」のビデオ上映や、南インドのケーララ州、マラヤーリに伝わる「カタカリダンス」が披露された。
今大会は、海外から80カ国・地域、国内47都道府県から1384の企業・団体による、計1624小間が出展した。
商談会は736人のバイヤーと、1050人のセラーが参加し、計6239件の商談(事前アポイントメント数)が行われた。
来場者は26(木)~27日(金)の業界日が7万1800人、28(土)~29日(日)の一般日が11万1100人となり、4日間合計で18万2900人(速報値)を記録した。
次回のTEJ2025は25年9月25(木)~28日(日)、愛知・中部北陸大会として、Aichi Sky Expo(愛知県常滑市)で開かれる予定。