「日本の食のルーツ・DNAは奈良にあり」 奈良新しい学び旅推進協議会「日本の食の聖地巡礼・Nara推進」プロジェクト活動開始

2022年11月22日(火)配信

プロジェクト発足メンバーが11月16日、奈良まほろば館(東京都港区)で会見

 奈良新しい学び旅推進協議会「日本の食の聖地巡礼・Nara推進」プロジェクトはこのほど、「日本の食のルーツ・DNAは奈良にあり」をコンセプトに、奈良の新しいブランドイメージの構築に向けた活動を開始した。

 12月13(火)~15日(木)に開かれる第7回UNWTOガストロノミーツーリズム世界フォーラムに連動して発足したプロジェクト。日本の食文化の起源の多くが今も息づく奈良県を“食の聖地”と位置付け、奈良のガストロノミーにおける新たなブランドイメージの構築と、持続可能な観光産業の活性化につながるコンテンツとファンづくりを目指す。

 初年度は「清酒発祥の地奈良」をメインテーマに掲げ、室町時代に奈良で生み出されたとされる伝統的な酒母(酛)造りの手法である菩提酛を紹介し、世界に誇る清酒のルーツを訪ねてもらえるような体験を企画。

 「日本清酒発祥の地・正暦寺でその起源に触れる~菩提酛清酒祭の特別体験」や「美食発祥の地で健やかに食す~日本酒と奈良の食のマリアージュとトークショーの特別体験」、「オリジナルスパイスカレー粉づくり~創業1184年の漢方薬局24代目店主と作るマイカレー粉の特別体験」を組み合わせた宿泊型高付加価値旅行商品の開発と実証を行う。

 推進する「日本の食の聖地巡礼・Nara推進」プロジェクトは、奈良商工会議所や奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合、 奈良県ビジターズビューロー、奈良県らが連携する産・学・官・民の協働体「奈良新しい学び旅推進協議会」を中心に、 奈良県旅館・ホテル生活衛生同業組合・女将の会(あゆみ会)、 菩提酛による清酒製造研究会、海豪うるる氏(コミュニケーション&ブランディング ディレクター)らで構成する組織。 今後より多くの県内参画者を募りながら活動を進めていく。活動期間は大阪で万国博覧会が開催されることを踏まえ、22年から26年とする。

オリオンツアー、バス会社に安全協議会実施 法令以上の同社基準確認

2022年11月22日(火) 配信

61社70人が集まった
 HISグループの旅行会社オリオンツアー(浅見和晶社長、東京都中央区)は11月15日(火)、東京都内で契約バス事業者61社70人を集め、「オリオンツアーバス安全運行協議会」を開いた。コロナ禍で3年ぶりの開催となった。同社が法令以上に厳しく定めた「ツアーバス 安全&品質管理基準」を確認し、安全運行と法令遵守、サービス向上への認識を深めた。
 
 オリオンツアーは1976年に創業して以来、スキーバスを専門とした旅行サービスを提供してきた。また、ダイビングやゴルフなどのスポーツプランのほか、自然や文化、歴史などを巡るツアーも催行する。同協議会は2006年から、ツアーバス事業における安全運行のさらなる強化や、有事の際に迅速な対応ができる組織体制の構築を目的に実施している。
 
 当日は「ツアーバス 安全&品質管理基準」に明記した夜間での運行には、距離や時間などに関わらず運転手2人を乗務させることや、サービスエリアでの休憩時にタイヤなどの車両を点検すること、出発時の人数確認を2回実施することなどを確認した。到着が30分以上遅れる際は、オリオンツアーに理由と到着見込み時間を報告することも求めた。
 
 また、国土交通省関東運輸局からゲストに招き、2016年の軽井沢スキーバス事故で設けられた再発防止のための施策を再確認したほか、バス事業者向けの新たな法令についても説明を受けた。

四国ツーリズム創造機構 四国4県観光PR 大阪市で説明会開く

2022年11月22日(火)配信

四国4県の最新情報を紹介

 四国ツーリズム創造機構(代表理事=半井真司・四国旅客鉄道会長)は10月20日、大阪市内で関西圏の旅行会社や報道機関を招き、観光商談会を開いた。

 来年の観光トピックスについて、徳島と香川、愛媛、高知の4県の担当者がプレゼンテーションした。高知県の観光特使を務める同県出身のタレント・島崎和歌子さんも登壇し、四国をアピールした。

 徳島県は、「四国の右下」と称する県南部を紹介した。同エリアでは昨年12月、線路と道路の両方を走る乗り物「デュアル・モード・ビークル(DMV)」の世界初本格営業運行が始まった。県ではDMVの乗車に加え、マリンスポーツや自然体験などのアクティビティも楽しむ周遊観光をPR。

 香川県は来年6月15日の弘法大師空海御誕生1250年に合わせ、空海の生まれた地という総本山善通寺(善通寺市)で来年4月23日から6月15日まで、1250年記念「大法会」を行う。秘仏「瞬目大師御開帳」などを予定する。

 高松市の屋島には昨年8月、屋島山上交流拠点施設「やしまーる」がオープン。瀬戸内海を一望する施設で、源平合戦をテーマとした幅40㍍・高さ5㍍の巨大アートを展示している。

 愛媛県は道後温泉のアートイベント「オンセナート2022」やしまなみ海道でのサイクリングをアピールした。国のナショナルサイクルルートに指定されるしまなみ海道は、海峡を横断する70㌔のルートで、多島美の絶景が楽しめるとあり国内外から注目される。

 高知県は、県出身で日本植物学の父と呼ばれる牧野富太郎氏をモデルとしたNHK連続テレビ小説「らんまん」の来春放送開始に合わせた取り組みを紹介した。来年3月25日から2024年3月31日まで、県立牧野植物園や牧野氏のふるさとである佐川町、越知町を中心に県全域で博覧会「牧野博士の新休日」を開催する。

島根県観光連盟 島根の旬の話題紹介 旅行会社などに説明会

2022年11月22日(火)配信

旬な観光素材の活用を呼び掛けた

 島根県観光連盟は10月24日、大阪市内で旅行会社や報道機関を集め、観光情報・素材説明会を開いた。

 同連盟の松本修吉専務理事は「全国旅行支援の開始やインバウンド再開でにぎわいが戻りつつあるなか、島根では全国の八百万の神々が出雲の地に集う神在月のシーズンを迎える。各地の旬のネタを商品造成の素材として活用してほしい」とあいさつした。

 説明会では松江と出雲、安来、奥出雲、石見銀山、石見、隠岐の各エリアの最新情報を紹介した。

 松江市は、国宝・松江城のお堀をめぐる遊覧船「ぐるっと松江堀川めぐり」の「弁当船」をアピールした。竹かご弁当を船内で食べながら、風流な船旅が楽しめるプランで、料金は1人2800円。

 出雲市は、出雲周遊観光タクシーうさぎ号や今年度から冬季にも拡大実施している出雲神楽定期公演を紹介した。日御碕には11月16日、星野グループの「界 出雲」が開業する。全39室で日本海を望む客室や大浴場が備わる。

 安来市は、戦国時代の大名・尼子氏の居城だった月山富田城跡や日本遺産に認定されている日本古来の製鉄法「たたら」を総合的に紹介する「和鋼博物館」などの文化的魅力を紹介した。

 奥出雲町も「たたら」に関する観光資源をアピール。「奥出雲たたらと刀剣館」では、刀匠による日本刀鍛錬実演を見学することができる(有料)。

緑霞山宿 藤井荘 露天風呂付き客室2室 10月8日にオープン

2022年11月22日(火)配信

「藤」露天風呂付き客室(御影石の浴槽)

 長野県・信州高山村温泉郷の老舗旅館「緑霞山宿 藤井荘」(藤沢晃子社長)は、森鷗外や与謝野鉄幹・晶子、菊地寛、会津八一といった文人墨客がこよなく愛した伝統の宿だ。

 藤井荘では今年6月から休館や一部客室を閉鎖しながら、露天風呂付き客室の新設工事を進めてきて、10月8日に露天風呂付き客室2室が完成した。

「山桜」露天風呂付き客室(檜の浴槽)

今回、本館1階に新しく誕生した露天風呂付き客室の概要は以下の通り。【山桜】は広さ110平方㍍、ツインベッドルーム(セミダブルベッド2台)・居間・月見縁台に、檜の露天風呂付き客室で、【藤】は広さ158平方㍍、ツインベッドルーム(ダブルベッド+セミダブルベッド)・居間・月見縁台に、プライベート庭園を見渡せる御影石風呂付きの客室だ。どちらの露天風呂からも壮大な渓谷美が一望できる。宿泊は大人のみ限定で中学生から利用可能。

露天風呂付き客室「藤」図面
露天風呂付き客室「山桜」図面

 宿泊料金(参考)は1泊2食付で「山桜」が大人1人当たり8万2500円―20万2400円、「藤」が9万9千円―26万4千円(サービス料・消費税込み)。

 問い合わせ=☎026(242)2711。

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 念願だった露天風呂付き客室が無事オープンした後、同館社長である藤沢晃子女将に、完成に至るまでの経緯を聞いてみた。

 「先代社長(亡夫)がずっと『露天風呂付き客室ができたら』と申していたことが、なんとか実現できました。きっかけは主人がヒントをくれたと思っております。それまでは露天風呂付きの部屋は離れの鳳山亭で、と誰しもが考えていました。ただ離れは散策路があるため、散策に出ているお客様との目隠しやプライバシーの関係を散々苦慮いたしました。本館は上階のフロントロビーから見えるため考えることすらなかったです」。

 「本館1階の客室前の庭園を主人が亡くなるとき、手入れをしていました。そこの手入れをしていたときに渓谷の木が気になったのでしょう。木を2本伐採し、足を滑らせて滑落してしまいました。亡くなってからは事あるごとに私もその場所に行き、『主人はどうしたかったのだろうか』と物思いに耽っておりました。そんなことを繰り返しているうちに『この場所が良いかも』と感じるようになったのです。本館1階は渓谷の下になるので人気がなく、正直なところ売れない客室でした。でもその1階という立地が露天風呂を作る際に最も作りやすくプライベート感も出せる。そして何より静かな場所でした」。

 「そこからはこの建物を40年前に建てた設計士の山本先生に思いの丈を伝え『渓谷の借景を一番のごちそうとした日本文化の香る宿をテーマに、ここに来る理由・醍醐味を訴求した客室を作りたい』とお願いしました。国内はもちろん、海外からのお客様にも日本の地方の魅力を存分に伝えていきたい」と、今後の目標を伝えてくれた。

【古沢 克昌】

小豆島観光戦略会議 ロケ相次ぎ活用へ 万博などで受入も拡大へ

2022年11月22日(火)配信

説明会のようす

 香川県・小豆島の官民で組織する小豆島観光戦略会議(会長=岡野能之・土庄町長)は10月25日、大阪市内のホテルで旅行会社や報道機関を集め、「小豆島観光説明会2022」を開いた。

 岡野会長は「小豆島は一つの考えのもと観光事業を進めている。高松駅周辺の再開発が進み、2025年には瀬戸内国際芸術祭、そして大阪・関西万博の開催が控える。小豆島として受入態勢の充実・拡大をはかっていかなければならない」とあいさつした。

 続いて、同会議の有本裕幸本部長(二十四の瞳映画村専務理事)が、「小豆島のポテンシャル」と題し、プレゼンテーションを行った。有本本部長は近年、島内で映画やドラマ、CMのロケが相次いでいることを挙げ、「コストを掛けてでも小豆島で撮影したい素晴らしい風景があるからだ」と強調した。そのうえで、「(観光動向の)分析をしっかりして、小豆島観光のポテンシャルがどこにあるのか。伸ばせるところを伸ばしていきたい」と話した。

 説明会では、俳優・野村宏伸さんを起用しワーケーションをテーマに島の風景を描いた動画など、4本の観光動画を放映した。

 説明会前には旅行会社との商談会が行われ、説明会後には来賓を招き、盛大に懇親会が行われた。

三陸鉄道の人気「こたつ列車」今年も運行 三陸グルメや「なもみ」登場など楽しめるメニュー盛りだくさん

2022年11月21日(月) 配信

(左から)「なもみ」扮する赤沼さん、田中さん、佐藤さん

 三陸鉄道(岩手県宮古市)は今年で17回目となる「こたつ列車」を、12月17日から2023年3月26日までの土・日・祝日の計35日運行する。

 久慈駅を午後12時7分発~宮古駅午後1時50分着と、宮古駅午後2時40分発~久慈駅午後4時40分着を予定。12月31日と、1月1~3日も運行する。

 お弁当は「大漁舟唄御膳」(3000円)に加え、「うに弁当」(1700円)、「あわび弁当」(1600円)、「ほたて弁当」(1200円)から選べる。乗車日2日前の午後1時までに要予約。

 アテンダントによる車内ガイドのほか、鬼の格好をした「なもみ」が車内に突然現れるイベントも大好評だ。また、久慈市銘菓「ぶすのこぶ」や記念乗車証、みかんもプレゼントされる。2~3月の土曜日には、「おぼろ昆布削り実演」も行われる。宮古駅から乗車するとイボンヌのシュークリーム(600円)の予約も可能。

「こたつ列車」と「洋風こたつ列車」今年も運行

 合わせて、今年で5回目を迎える「洋風こたつ列車」も12月10日から23年2月26日までの土・日・祝日に運行する。ハイカラさんガイドからマドレーヌ「恋し浜」のプレゼントや、地元の食材を使ったサンドイッチ「りあすサンドBOX」なども用意している。両プランとも運賃は、乗車区間の運賃+座席指定料金300円。

 11月21日には、三陸鉄道旅客営業部の赤沼喜典副部長と田中千理さん、岩手県東京事務所企業立地観光部の佐藤舞主事の3氏が本紙を訪れた。

 「なもみ」に扮する赤沼氏は、「新しい企画やメニューも用意しており、ぜひ全国の皆さんに『こたつ列車』を体験してほしい」と話す。

田中さんは「三陸のグルメも堪能でき、若い層や子供たちにも楽しめる内容になっていると思います」とアピールした。

HIS、初夢フェア実施へ テーマはリベンジ

2022年11月21日(月) 配信

成田空港を発着し、韓国・明洞に滞在する商品は2万7800円

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は11月25日(金)から、同社で年内最大のフェア「初夢フェア」を開催する。コロナ禍で一度は諦めた旅行に、今年こそ出掛けてもらおうと、テーマを「リベンジ初夢フェア2023」とする。

 第1弾は11月25日(金)~2022年12月20日(火)、第2弾は22年12月23日(金)~23年2月2日(木)に実施する。今回は22年12月19日(月)まで、国内旅行ツアーとダイナミックパッケージの対象商品を10%割り引くクーポンを配る。

 具体的に第1弾の海外旅行では、成田空港を発着し、韓国・明洞に滞在する商品が2万7800円。関西空港発着でタイ・バンコに4日間訪れるツアーは、4万9800円で販売する。いずれも燃油サーチャージ込み。

 国内旅行は、成田から出発し、2日間札幌と福岡、広島のいずれかを選択できるツアーが1万2000円。3日間、仙台駅から太平洋フェリーで伊勢神宮に初詣に行くプランは、2万9800円となる。

未来の観光まちづくり学科の構築へ 國學院大學が第3回観光まちづくりフォーラムを開く 

2022年11月21日(月) 配信

西村幸夫教授(左)と吉見俊也教授

 國學院大學(針本正行学長)は11月15日(火)、第3回観光まちづくりフォーラムを開いた。観光まちづくり学部観光まちづくり学科学部長の西村幸夫教授は学部開設の報告を行い、改めて同学部での学びを説明。「地域の夢にカタチを与えていく。そのための学部がようやくスタートした」と力を込めた。

 針本学長は、魅力的な観光まちづくりを実践している愛媛県・内子町と大分県由布市と包括連携協定を結び、学生・教員との交流や共同研究を開始する予定であることを報告。「基調講演や対談、パネルディスカッションなどを通じていただくご提言は、これからのまちづくり、地域づくりの道標となるとともに、未来の観光まちづくり学科の構築にもつながり、國學院大學の学び舎に知の財産として息づく」とあいさつした。

 来年度からか同学部の教授を務める予定の吉見俊哉東京大学大学院教授は、「まちするたび」と「たびするまち」と題し、基調講演を行った。各地の新しい観光まちづくりの事例を紹介し、「かつては新しい動きの多くは東京から起こったが、今は地方から様々なカタチで起こっている。この動きを強い力に変える媒介としいてこの学部が果たす役割は大きい」と持論を展開した。また同氏は西村幸夫学部長と東京の観光まちづくりなどについても対談を通じ、意見交換をはかった。

自治体関係者、制作者ら220人が参加 今年度4度目のロケツ-リズム協議会で11人の首長も先頭に立ちまちをPR

2022年11月21日(月) 配信

首長も先頭に立ちまちをPR

 ロケツーリズム協議会(藤崎慎一会長)は11月17日(木)、リーガロイヤルホテル東京(東京都新宿区)で今年度4度目の会合を開いた。

 自治体関係者、制作者ら220人が参加。今年度2回目となる地域と制作者をつなぐ商談会には、愛知県・幸田町や神奈川県・湯河原町など18地域・団体が参加。米本弥一郎旭市長や古塩政由綾瀬市長ら11人の首長も先頭に立ち、ロケの受入態勢やまちの魅力を発信、制作者が探している画が撮れる候補ロケ地への回答など、新たなロケ受け入れに向けた話し合いが行われた。

 湯河原町の冨田幸宏町長は、「ロケ弁を開発したことで、新しい切り口で町を売り込むことができたのがうれしかった。一方で、地域の方にロケツーリズムの目的や効果を認知していただくのはやはり時間がかかることなので、地域の盛り上がりをいかに生み出していくか、そういった課題にも改めて気が付かされた」と商談会を振り返った。

 一方、制作者として参加した映画監督の柴山健次氏は「参加して改めて、我われも地域が持っている魅力を一回知ってから企画を立ち上げたほうがいいと感じた。制作者も地域も、自分たちが手ごたえを感じながら作品を制作するために、『土地の魅力を見せるために作品が存在する』という意識も必要だということを、皆さんと話していくなかで再認識しました」と語った。

知識を深める受け入れ担当者

 また当日は前回に引き続き、ロケナビゲーターコース、ロケエディターコース、ロケツーリズム効果チームに分かれてのコース別ワーキングも行われた。ロケエディターコースでは、「ロケ地マップに使用するシーン写真の貸し出しの可否などを交渉する」場面を想定しての練習が行われるなど、各コースで実践を想定しながら参加者同士が経験を共有し合い、学びを深めた。