NAA、4月外客数19年の8割まで回復 水際対策の緩和などで

2023年5月29日(月) 配信

総旅客数は前年同月比148%増の239万8777人

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)が5月25日(木)に発表した2023年4月の総旅客数は、前年同月比148%増の239万8777人となった。このうち、国際線の外国人旅客数は同740%増の134万7518人。コロナ禍前の19年同月比では約8割まで回復した。水際対策の緩和などが主な要因。

 国際線の総旅客数は、前年同月比284%増の187万6584人。このうち、日本人旅客数は208%増の33万9216人。コロナ禍前の19年同月比では67%減だった。国内線旅客数は前年同月比9%増の52万2193人。

 総発着回数は同29%増の1万6386回。国際線は同46%増の1万2644回。国内線は同6%減の3742回だった。

 田村社長は国際線の旅客数と発着回数の増加率に差が開いたことについて「多くの航空会社は1便当たりの利用率を高めようとしており、これ以上旅客が増えれば便数を増やすだろう」と話した。

韓国コロナ前超え 施設使用料値上げ

 5月1(月)~20日(土)の国際線出国旅客数は前年同期比552%増の50万6800人。このうち、韓国線は同1421%増の10万2300人。19年同期比6%増だった。

 同社は9月1日(金)から、サービス施設使用料(PSFC)と旅客保安サービス料(PSSC)を値上げする。

 田村社長は「エネルギー価格や人件費の高騰で、企業努力だけでの対応は困難」と説明した。

 PSFCは出国旅客に330円、乗継に170円上乗せ。PSSCは出国と乗継それぞれ20円値上げする。

1泊2日で10食を堪能! セカイホテルの大阪・布施で食い倒れプラン

2023年5月29日(月) 配信

地元でおすすめの商店街10店を巡る

 SEKAI HOTEL(セカイホテル、矢野浩一社長、大阪府大阪市)はこのほど、運営する大阪・布施の「SEKAI HOTEL Fuse」で商店街事業者と協力し、地域ならではの魅力あるグルメが堪能できる「1泊10食付きプラン」を売り出した。食文化が豊かな大阪で、商人の町として栄えた布施は、布施ならではの「食文化」が成熟したともいわれている。プランは、同ホテル支配人がセレクトした地元店舗10軒で、10食の大阪のローカルグルメが楽しめる。
 
 SEKAI HOTELは地域に客室とホテルの機能を分散させた分散化ホテル“まちごとホテル”を運営。「旅先の日常に飛び込もう」をコンセプトに掲げ、有名観光地の周遊ではない、旅先の文化体験を楽しむ旅を提案している。

 今回は旅先のツウな体験として、地元住民のみぞ知る名店や裏メニュー、常連客ならではの食の楽しみ方を盛り込んだ。ウェルカムフードのたこ焼きから、お土産のあんぱんまで、10食を堪能する。

 同プランは7月31日(月)宿泊まで。料金例は2人1室で1人2万2000円から。

「観光ルネサンスの現場から~時代を先駆ける観光地づくり~(220)」 霊気満山 高尾山(東京都八王子市)

2023年5月28日(日) 配信

天狗さまが護る薬王院飯綱権現堂(御本社)

 「霊気満山」とは、生命の力=霊気が満ちあふれることを指す。東京八王子高尾山の中腹にある薬王院浄心門には、霊気満山と書かれた扁額がある。この山にはまさにそんな霊気を感じる。

 東京都心からわずか1時間という手軽さと、2007年に富士山とともにミシュランガイド最高ランクの星3つを獲得したことから、年間300万人が訪れる、世界一登山者が多い山としても知られる。

 一方、八王子は江戸時代から養蚕や織物が盛んで、「桑の都」と称された。戦国時代末期、関東に覇権を握る北条氏の名将・北条氏輝が城下町を拓き、都市基盤が整備された。その八王子は、2020(令和2)年、東京都唯一の日本遺産に認定されたが、そのタイトルが「霊気満山 高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都(そうと)物語~」である。

 日本遺産物語は、高尾山と桑都、それに北条氏輝の滝山城や八王子城跡などが核になっている。この3者の関係を読み解くのが、この物語の醍醐味となる。

 そのストーリーはこうだ。氏輝は高尾山に武運を祈願し、領地の寄進や竹木の伐採を禁じる制札の発給など、高尾山を篤く庇護した。一方、養蚕農家は、大切な蚕を鼠から守るために「蚕守」の護符を薬王院に求めた。

 そして、生糸や織物を扱った絹商人は、周辺の養蚕農家や機屋、江戸の問屋に薬王院の護摩札の配札を取次ぎ、高尾山の信仰圏を拡大させる一翼を担った。

 人々は薬王院にご利益を求め、諸願成就の返礼として杉の苗木を奉納してきた。山内に建てられた数多くの石碑や、参道に並ぶ奉納板には、高尾山信仰の大きな特色である「杉苗奉納」が掲げられている。

 つまり、高尾山(薬王院)は、氏輝や農民・商人たちの篤い信仰心のもとに古くから守られてきた山であり、それが今日、登山客を魅了する美しい霊気満山の山であり続けているということなのである。

 今年11月、八王子に全国の日本遺産認定地域の方々が集う「日本遺産フェスティバル」が開催される。

八王子城 御主殿への通路と虎口

 その視察も兼ねて、4月下旬に高尾山や八王子城を訪ねた。薬王院の佐藤秀仁貫首にもごあいさつさせていただき、護摩体験もさせていただいた。高尾山内に立ち込める靄は、古くから「翠靄」と表現されるが、訪ねたのが新緑の季節ではあったが、緑豊かで冷やりとした高尾山の雰囲気は誠に魅力的であった。

 桑都としての織物産業は、最盛期に比べれば衰退したが、今も八王子織物工業組合はとても元気である。大学との連携などを通じて、織物技術の革新やデザインなどに工夫を凝らしている。商人たちが庇護した八王子芸妓も、まちの魅力として大切に育てられている。

 八王子は、今でも江戸の粋を色濃く残す魅力的なまちである。

(日本観光振興協会総合研究所顧問 丁野 朗)

「提言!これからの日本観光」 消えた〝フルムーン〟(?)

2023年5月27日(土) 配信

 JRグループ各社は、1981(昭和56)年当時の「国鉄」が始めた〝フルムーンパス〟と命名された旅行商品の発売を昨年(令和4年)の秋から、休止している。

 一部に〝消えたフルムーン〟などという題で、この商品を惜しむ声も聞かれている。確かに、約半世紀に近いこの種の商品としては異例の長命だったその歩みを振り返り、当時の関係者の1人として感慨深いものがある。

 1981年当時の「国鉄」は経営収支の悪化で、経営の改革に迫られていた。そのための増収努力として、乗客(収入)増をはかるべく秋の観光シーズンに際して、国鉄全線のグリーン車フリーパスという当時としては、画期的な大型旅行商品を発売。乗客(収入)の増加を期待することとなった。

 グリーン車利用という高級感と全線フリーパスという新しい魅力を備えたこの商品は、話題を呼び、販売実績も好調に推移し、ヒット商品となった。夫婦の年齢合わせて88歳以上の、年配カップルを対象に全国鉄線グリーン車有効のフリーパスを発売するという画期的なものであっただけに、売上も好調。〝フルムーン旅行〟ブームを招来するほどの人気商品となった。

 「敬老の日」制定など敬老思想の普及が進んだ時代感覚にマッチしていたのも成功の一因であった。以後、毎年秋の恒例行事として、この〝フルムーンパス〟の発売は続き、大型高級旅行商品として半世紀近くの販売を続け、商品名の〝フルムーン〟(満月)が夫婦旅行の代名詞となるほどであった。

 しかし、最近この商品の売れ行きに陰りが見られ、商品の限界が見え始めていた。

 それは、敬老思想の普及。とくにお年寄りの夫婦旅行が、ひとつのブームにさえなったことを動機に、鉄道・旅行会社は競って春秋の旅行シーズンに、お年寄り向けのさまざまな旅行商品の設定や、敬老割引など季節限定のサービスの提供を始めた。〝フルムーン夫婦グリーンパス〟は、各種の敬老旅行商品との競争に晒されることとなり、売上にも陰りが見られるようになってきた。

 JR各社は〝フルムーン夫婦グリーンパス〟の発売を休止し、お年寄り向きの旅行商品の品ぞろえを見直すとともに、新しい年齢別の商品体系を再構築することにしたと聞く。

 一方、〝フルムーンパス〟を惜しむ声も多く寄せられているが、新しいお年寄り向けの旅行商品が造成されることへの期待も、依然大きいと感じられる。旅行という人の心を癒す(リフレッシュする)〝旅心〟に訴える商品ともいうべき〝フルムーンパス〟が、顧客のニーズの高度かつ多様化に対応する近代的な旅行商品として、脱皮すべき時代を迎えたのではなかろうか。

 同時にこの商品発売の動機であった新しい「年齢別」旅行商品の企画と整備がその後、あまり進んでいないので、その発展も期待したいところである。

 

 

須田 寛

 

日本商工会議所 観光専門委員会 委員

 
須田 寬 氏
 
 
 
 

NAA売上高58%増、営業損失は318億円に縮小 田村社長「23年度通期黒字化へ」

2023年5月26日(金) 配信

田村明比古社長

 成田国際空港(NAA、田村明比古社長)は5月25日(木)、2023年3月期の連結決算(22年4月1日~23年3月31日)を発表した。売上高は前年同期比58.4%増の1313億2500万円と2期連続の増収となった。これに伴い、営業損失は317億8800万円(前年同期は495億2600万円の損失)と177億3800万円改善したが、赤字は3期連続となった。

 田村社長は世界的に出入国制限緩和の動きが加速したことや、国内での行動制限の緩和などを主な要因に挙げ、「23年度通期は中国からの回復も想定し、黒字化を見込んでいる」とした。

 空港の安全と安定運用を大前提に運用効率化をはかるなど、継続して最大限のコスト削減に努めたが、空港拡張に関わる費用を営業外費用に計上したため、経常損失は482億9700万円(同504億1300万円の損失)、当期純損失は502億1800万円(同524億7600万円の損失)。

 事業別では空港運営事業の売上高が、同45.5%増の602億2200万円、営業損失は500億1700万円(同551億4800万円の損失)。免税店や直営の飲食店などのリテール事業は、売上高が318.3%増の377億2700万円、営業利益は44億7400万円(同92億3000万円の損失)と3期ぶりに黒字となった。旅客数の増加や円安が主な要因。駐車場などの施設貸付事業の売上高は同2.9%増の303億9800万円。営業利益は同7.2%減の130億3800万円。エネルギー価格の高騰が影響した。

 23年度通期では、前年度からの回復基調が続き、中国から日本への海外旅行制限措置の緩和で需要増加を想定。総旅客数は同72.8%増の3546万人。国際線は105.3%増の2783万人。国内線は同9.6%増の763万人と過去最高を見越している。総発着回数は国際線が同35.0増の19万回。国内線は同3.9%減の5万回とした。

 売上高は同52.7%増の2006億円、営業利益53億円、経常利益19億円、当期純利益6億円を見込む。

 事業別では、空港運営事業の売上高が同56.6%増の94億3000万円。営業損失は同284億円改善の216億円。リテール事業は、売上高が同94.8%増の735億円。営業利益が273.2%増の167億円。施設貸付事業の売上高は、同2.3%減の29億4000万円。営業利益は同27・9%減の94億円を予想している。水際対策に関わる貸付施設の面積が減少を想定した。

 田村社長は「国内線旅客数が最高となった19年度は過渡期だった。行動制限が緩和されているので、さらに伸びるだろう」と話した。

 また、インバウンドの本格的な回復は日本で個人の外国人旅行客の入国が解禁された10月以降となったことを振り返り、「ターミナル内の多く店舗は再開し、賑わいを取り戻しつつある」と話した。

ハワイの本質的な魅力を発信 6月から新広告CP「Beautiful Hawai’i」を展開

2023年5月26日(金) 配信

「旅は、世界を美しくできる。」

 ハワイ州観光局日本支局(ミツエ・ヴァーレイ局長、東京都千代田区)は5月26日(金)、新広告キャンペーン「Beautiful Hawai’i(ビューティフルハワイ)」を発表した。ハワイの島々の特徴や本質的な魅力を伝えるもので、6月からデジタル広告やデジタルサイネージを中心に展開する。

 新広告CPはハワイの自然や文化を守り、住民の生活と旅行者の体験をより多様で豊かなものにするレスポンシブルツーリズムの考え方を実践する「マラマハワイ」の一環。「旅は、世界を美しくできる。」というコンセプトのもと、ハワイの美しい自然や伝統文化を通してハワイの旅の魅力を発信する。

 ヴァーレイ局長は、「観光は環境にダメージを与えるものではなく、適切な管理を行うことで、その地域に良い影響を与えることができると考えている」とし、新広告CPで「人と自然、人と人との関係性を良くすることで観光地の環境を改善できるということ、旅は世界をより良く変えることができるということを伝えたい」と語る。

 ビューティフルハワイは、ハワイの主要4島編と総合編の計5本の動画。5月に各島で撮影した動画は、「人と自然」「人と人」をテーマに、その深い関係性を美しいビジュアルで表現している。ハワイへ旅することで、日常で忘れかけた自然の美しさや人々の優しさに出会い、その体験を大切な人にも伝えてほしいという想いを込めたという。

官民4者連携、釜石ワーケ事業 事業報告・成果発表会開く(釜石市・かまいしDMC・日鉄興和・オカムラ)

2023年5月26日(金) 配信

左からオカムラ中村雅行社長、かまいしDMC 河東英宜代表、野田市長、日鉄興和不動産吉澤恵一副社長

 岩手県釜石市(野田武則市長)、かまいしDMC(河東英宜代表)、日鉄興和不動産(三輪正浩社長)、オカムラ(中村雅行社長)の4者は5月25日(木)、官民連携のワーケーション事業の成果発表とシンポジウムを開いた。釜石市で行われた2年間の取り組みにおける成果と課題、今後の事業展開を説明した。また、事業に活用してもらう目的で企業版ふるさと納税が寄附されたことを受け、同市は感謝状贈呈式を行った。

 4者連携で行われている「ラーニング・ワーケーションin釜石」では、企業からの研修型ワーケーションの受け入れを中心に、東日本大震災を経験し復興を遂げた釜石ならではの研修・体験プログラムなどを提案している。企業のイノベーションに通じるような「新価値創造型」の新しいワーケーションを提供する考え。

 21年10月には、新たなワーケーション施設「ねまるポート」を開業した。

 同施設は、首都圏のワーカーの利用を想定したもの。自然体験や食文化、地域貢献、研修などの、釜石ならではの体験や、人と団体との関わりによって、ワーカーや企業の新たなイノベーションやビジネスチャンスを創出し、地方創生に寄与することを目的としている。

 実績として、24社175人がプログラムを体験した。創出宿泊数は393人泊で、実地元消費額は約900万円となった。プログラム満足度は、「大変満足」が84・8%、「満足」が14・3%と高評価を得た。

 今後の事業展開として、市全体を屋根のない博物館と見立てた「釜石市オープン・フィールド・ミュージアム」構想の実現に向けた取り組みを進めている。

 このほか、ねまるポートに続く第2弾のワーケーション施設の検討を行っているとし、25年の開設を予定している。

 同日に行われた発表会では、第2弾のワーケーション施設の開設に向けて、日鉄興和不動産とオカムラから、企業版ふるさと納税を活用し、総額2億円が寄附された。同市はこれに対し、2者へ感謝状を贈った。

 

ワーケが地方創生を実現 シンポジウムを開く

 第2部では「釜石から考える、ワーケーションが実現する地方創生とビジネス機会の創出」をテーマに、シンポジウムが行われた。

 基調講演では、「国のテレワーク、ワーケーション推進に係る方針」をテーマに、総務省情報流通行政局地域通信振興課課長補佐の佐藤浩行氏が登壇した。

 その後、マクロとミクロの2つの視点からワーケを考えるパネルディスカッションが行われた。ファシリテーターにはオカムラの働き方コンサルティング事業部の庵原悠氏が登場した。

 シンポジウム・マクロ編「関係人口は、どうしたら関係してくれるのか?まち、企業、行政の思惑をひもとく」の出席者は、野田市長、吉澤社長、佐藤課長補佐、日本商工会議所地域振興部副部長の大内博氏。

 シンポジウム・ミクロ編「持続可能な地方創生に向けた、まちと企業との協働の可能性」には、河東代表、関西大学社会学部教授の松下慶太氏が出席した。

地域の労働力不足に海外人材を 農協観光がウイルテックと業務提携

2023年5月26日(金) 配信

地域共創の構築を目指す

 農協観光(清水清男社長、東京都大田区)はこのほど、地域の不足する労働力に対し、外国人人材の紹介や派遣する事業を新たに開始した。これに伴い、労働者派遣事業などを手掛けるウイルテック(宮城力社長、大阪府大阪市)と業務提携を結んだ。両者は農業や宿泊業の海外人材の育成や支援を通じ、地域共創の構築を目指す。

 具体的には、育成事業としてウイルテックの現地法人が運営する日本語学校で特定技能教育、日本語教育を実施する。また両社の合同クラスを設立し、地域特性や習慣など来日後の生活に関する文化的教育も行う。

 支援事業は、労働者確保に課題を持つ地域の農業や宿泊事業者に対し、海外からの労働力でサポートする。また、海外からの「人財」に対しては、就職や居住まで生活基盤の確保と生活支援を行うことで、不安を解消していく。

「ホテルチロリン村」(福井県福井市)を経営 ホテル花山が破産(帝国データバンク調べ)

2023年5月26日(金) 配信

 ホテル花山(福井県福井市)は4月21日(金)、福井地裁に自己破産を申請し、26日に破産手続き開始決定を受けた。帝国データバンクによると、負債は約1億300万円。

 同社は1971(昭和46)年9月に設立されたホテル経営業者。福井市郊外の旧国道158号線沿いに「ホテルチロリン村」を経営していた。

 しかし、ホテル開設資金を銀行借り入れに依存していたほか、建物の老朽化で利用者が減少し、厳しい運営を余儀なくされていた。

 近年は、新型コロナの影響による外出自粛を背景に客足が激減。この間、「代表親族からの借り入れでしのいでいたものの業況は改善せず」(帝国データバンク)、先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念した。

韓国・忠清南道、百済文化 韓日交流典開く 大百済典前に旅行業界へ送客促す

2023年5月26日(金) 配信

日韓両国から約100人が集まった

 韓国・忠清南道は5月25日(木)、東京都内で旅行業の業界団体や旅行会社、メディアなどを対象に百済文化 韓日交流典を開いた。9月23日(土)~10月9日(月)に開催するイベント大百済典の一部の公演を披露し、同典への送客を促した。日韓両国から約100人が集まった。

 忠清南道の金泰欽知事は、大百済典で披露する味摩之のお面に日本人と韓国人の顔が表現されていることについて、約1600年前の百済時代に両国がコミュニケーションをとった証とした。そのうえで、「大百済典では日韓の結びつきが強かった当時のようすを再現する。百済文化を通じて、日本と韓国の友情を深めるため、ぜひ送客をお願いしたい」と呼び掛けた。

金泰欽知事

 来賓の全国旅行業協会(ANTA)の駒井輝男副会長は「1600年前ほどから交流した歴史があることに驚いた。ANTAの会員も多く来場しているので、これを機に日韓の絆を深めたい」と語った。

駒井輝男ANTA副会長

 大百済典は忠清南道の公州市と扶余郡で実施される。「大百済、世界と通じる」をテーマに、ドローンやレーザー、花火を用いるオープニングイベント「大百済典成功祈願」からスタート。期間中には、当時を再現したパレードのほか、日本やミャンマーなど百済と交流していた国と合同で公演を行う。

 百済文化 日韓交流典では、大百済典の一部となる日本東京雅楽舞踊団による当時の舞楽「味摩之」を披露。さらに、扶余郡忠南楽団が、百済時代に演奏を行っていたという五楽師を再現した。

日本東京雅楽舞踊団による味摩之

 その後、懇親会を行い、交流を深めた。