HIS、コンテナホテル展開するデベロップの株式20%取得 「地方の宿不足解決はかる」

2024年9月12日(木) 配信

 エイチ・アイ・エス(HIS、矢田素史社長)は8月30日(金)、デベロップ(岡村健史社長、千葉県市川市)の株式を取得し、持分法適用会社化することを決めた。岡村健史社長からデベロップの発行済株式のうち、議決権割合20.21%を取得した。

 訪日需要の急激な回復により観光地が賑わいを取り戻す一方、地方で宿泊施設が不足しているという。このようななか、「デベロップのコンテナホテルが地域観光の課題解決に資する」と判断。旅行業界における地域の課題解決をはかり、持続可能な観光地域づくりを目指す。
 
 デベロップは、可動式で柔軟な需要規模に対応できるコンテナ建築のホテル開発を通じた事業をメインとして25県に96施設を展開。コンテナホテルは、条件・用途に応じたカスタマイズすることができるほか、状況に応じた移動が可能な特性により、災害など有事の際に避難所として利用することができる。このため、デベロップは全国147の自治体などと災害協定を締結している。

訪日客が地域に寄付する「Donate&Go」、京都市から開始 ギフティ、JALなどがコンソーシアムも発足

2024年9月12日(木) 配信

(左から)大阪ガス・桑原千香京都地区統括支配人、ギフティ・森悟朗常務、松井孝治京都市長、倶知安観光協会・二川原康平会長、JAL・宮坂久美子西日本支社長

 電子ギフト事業などを手掛ける、ギフティ(太田睦・鈴木達哉社長、東京都品川区)はこのほど、京都府京都市(松井孝治市長)と北海道・倶知安観光協会(二川原康平会長)とともに、訪日外国人観光客が地域に寄付を行い、お礼に体験型ギフトを受け取る仕組み「Donate&Go」(ドネイトアンドゴー)を創案した。第1弾として、9月11日(水)から、京都市で同仕組みを利用した「Preserve Kyoto Gift」を開始。同日には趣旨に賛同する地域、民間企業が連携して地域課題の解決を目指す「Donate&Goコンソーシアム」を大阪ガス(藤原正隆社長、大阪府大阪市)、日本航空(JAL、鳥取三津子社長、東京都品川区)を加えた5者で発足した。

新たな地域財源となる「Donate&Go」

 訪日客が急増するなか、地域は魅力的な観光地として文化遺産や自然環境、景観を維持しながら、地域住民の生活を保護していくために大きな財源が必要になっている。宿泊税をはじめとする新たな手法の検討がされているが、今回ギフティなどは持続可能な観光、地域づくりの課題解決につながる仕組みとして、「Donate&Go」を創案した。ギフティが自治体と展開してきた、ふるさと納税で寄付を行い、返礼品として地域の電子商品券を発行する「旅先納税®」をヒントとした。

 寄付者に寄付金控除などはないが、訪日客に訪れた地域の歴史や文化、自然環境を発信し、知ってもらうことでファンになってもらい、地域の抱える課題に対して理解を求めていく。

 同日に京都市役所で開いた会見で、ギフティの森悟朗常務は「まずはサービスをしっかり周知し、この寄付がどう地域に役立つのかを知ってもらう。返礼品でさらに地域を知って理解や共感を深めてもらうことで、地域のファンを増やしていく。訪日客が関係人口になる世界をつくりたい」と狙いを語った。返礼品は地域を体験してもらえるものを想定するが、まずは電子ギフト券から始める。

 今までにない取り組みのため、寄付金額や人数は未知数としたが、「仲間を増やし、文化として醸成していきたい」と目標を語った。

「Preserve Kyoto」で訪日客と新たな関係性を

 京都市は海外に向けて、京都の価値や魅力を発信し、景観や文化をはじめとする京都の財産を守り受け継ぐための寄付を呼び掛けるサイトとして「Preserve Kyoto」を開設。「Donate&Go」の仕組みを利用して、楽しみながら寄付を行うスキームを実現する。寄付者は「景観保全」「伝統産業支援」「文化財保護」から応援したいプロジェクトを選んで寄付ができる。返礼品は寄付額の50%を電子ギフト券「Preserve Kyoto Gift」として贈呈。伝統的建造物の飲食店や伝統産業ミュージアムなど市内約380店舗で利用できる。

 京都市の松井市長は「昨年は700万人の訪日客にお越しいただいた。一過性、一部集中ではなく、より幅広い地域や京都人の生活文化を体験するような観光も楽しんでほしい。今回の取り組みはより地域にコミットし、行動変革を促すプロジェクトだ」とし、多くの京都ファンとの「新たな関係性づくり」に期待を寄せた。

「Donate&Goコンソーシアム」

 同日立ち上げた「Donate&Goコンソーシアム」は、「Donate&Go」の趣旨に賛同する地域や民間企業が連携していくための団体。発起人の京都市と倶知安観光協会は各地域の事業主体、大阪ガスは発行事務局として加盟店の管理・清算業務、JALはプロモーション、ギフティはシステムサービスの提供を担う。

 今後、地域の拡大や地域間での電子ギフトの相互利用や共通化、連携したプロモーションを展開していく。「Donate&Go」の展開を予定する地域や民間企業など、メンバーも幅広く募集する。

 「Donate&Go」の第2弾として倶知安観光協会が12月下旬から、ニセコエリアで取り組みを開始する見込み。スキーシーズンに合わせて展開する。京都市と電子ギフトの相互利用も行い、「Preserve Kyoto Gift」がニセコエリアでも使えるようになる。今後、他の地域が参画した際もすべてのギフト券が共通利用できる想定だ。ギフティの森常務は「相互利用で訪日客の国内周遊を促したい」と意気込んだ。なお、ギフト券の名称については共通化に伴い検討を行うという。

ザ・ホテル大亀(福島市)、自己破産申請へ(帝国データバンク調べ)

2024年9月12日(木) 配信

 「ザ・ホテル大亀」(渡辺裕代表、福島県福島市)は9月3日(火)までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は約4億8400万円。

 同社は2002(平成14)年12月に設立されたホテルの運営業者。JR福島駅東口至近の場所で、宿泊施設「ザ・ホテル大亀」を運営してレストランを併設。仕出し料理の製造販売も行い、ピーク時には年間収入高3億円以上を計上していた。

 しかし、新型コロナの影響などもあり、23年12月期の年間収入高は約1億500万円にとどまっていた。さらに、「食材価格の高騰により飲食部門の採算性が低下していたため、今年6月からレストランを休止」(帝国データバンク)していた。地元飲食店と連携した宴会場貸し出しサービスを打ち出すなど、収益改善に向けた取り組みも行っていたという。

クラブツーリズム、訪日客向けサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」公開

2024年9月12日(木) 配信

「YOKOSO JAPAN TOUR」トップイメージ

 クラブツーリズム(酒井博社長、東京都江東区)は9月11日(水)、自社ウェブサイトを中国語(繁体字)と英語に対応させた訪日客向けグローバルサイト「YOKOSO JAPAN TOUR」を公開した。サイトの多言語化により、海外から直接ツアーを申し込めるようになった。

 同社はこれまで、訪日外国人旅行(インバウンド)客向けに、外国語対応のオンライン旅行代理店などを通じてツアー販売を行っていた。近年のインバウンド需要の高まりを受け、自社サイトを多言語化することで、従来のツアー掲載本数100本から、年間1万超のコースを紹介することを可能にしたという。

 海外に人気の高い「白川郷(岐阜県)」や「立山黒部アルペンルート(富山県)」に限らず、クラブツーリズムが得意とするテーマのある旅や秘境・絶景の旅など、全国各地の多種多様なツアーを掲載していく。

 申し込みフォームの入力やツアーの問い合わせも、英語・中国語(繁体字)に対応。添乗員やドライバーも翻訳アプリを活用し、行程や集合時間・場所などを伝えるため、ツアー当日も安心して参加できるとした。

 今後はグローバルサイトに合わせた台湾・香港の利用者へプロモーションも実施する。さらに韓国・中国・東南アジア・欧米豪へ、インバウンド誘致の拡大を予定。四季折々の全国各地の観光地、日本の歴史や文化を感じられるテーマ性のある旅など、世界中の利用者にクラブツーリズムの旅を楽しめるよう商品展開していく計画だ。

ダイブ、フィリピンでビザ取得に向けた日本語教育開始 紹介人材増やし宿の人手不足解消へ

2024年9月12日(木) 配信

日本語を教育しているようす

 宿泊施設へ人材派遣・紹介事業を行うダイブ(庄子潔社長、東京都新宿区)はこのほど、フィリピンで特定技能制度の「宿泊」分野でのビザ取得と日本の宿泊施設への就業を目指す観光系学部の学卒者に対し、日本語教育プログラムを始めた。

 特定技能1号の宿泊分野では、国際交流基金日本語基礎テストのA2以上または日本語能力試験N4以上に合格していることが求められ、日本語レベルの要件が特定技能ビザ取得のハードルとなるなか、日本語を学ぶ場を設け、試験の合格をサポート。同社で紹介する外国人人材の増加につなげ、日本の宿泊業における人手不足解消に貢献したい考え。

 今回の日本語教育プログラムでは、同社と協力覚書を締結しているミンダナオ大学とセブ工科大学の卒業生40人が受講。年内に特定技能宿泊分野の試験を受験し、試験に合格した外国人人材はダイブを通じて日本国内の宿泊施設で採用面接を受ける。内定を得た場合は、必要な手続きを経て、2025年春ごろに入国する。

 また同プログラムは今回限りではなく、受講希望者が一定数集まり次第、随時実施される。

熱海温泉「古屋旅館」が社員寮拡充 20年に女子寮開設以降、新卒離職率8・3%に低減

2024年9月12日(木) 配信

新たに開設した社員寮「観月堂寮」の一室

 創業1806年と、静岡県・熱海温泉で最も老舗とされる温泉宿「古屋旅館」(内田宗一郎社長)はこのほど、熱海市中心部に新たに2カ所の社員寮を開設した。

 働きやすい環境づくりによる「従業員満足度向上」の取り組みの一環で、新卒採用の強化と、離職率の低減が狙い。

 2020年7月に25平方㍍のワンルームを13部屋備えたデザイナーズ女子寮「蔵アパートメント熱海」を開設。

 そして今回は、古屋旅館の目の前にある自社ビルを改装した「坂の上アパートメント」は、家具や家電を備え付けた明るくスタイリッシュな室内が特徴で、4月から新卒社員が入寮している。

「坂の上アパートメント」家具や家電は備え付け

 もう一つは、熱海駅から徒歩3分、古屋旅館から徒歩7分にある自社ビルを改装した「観月堂寮」は、40平方㍍に白を基調としたシンプルで明るい室内。先行して4月に新卒男性1人が入寮しており、8月に新たに2部屋が完成し、本格的に開設した。

 同館によると、「20年に女子寮開設以降の新卒離職率は8・3%(12人入社、1人退職)」と、厚生労働省が発表する「3年以内離職率」の新規高卒者37・0%、新規大卒者32・3%と比較しても実績を上げている。今後も社員寮の整備や生活環境の改善、デジタルツールの導入などを通して、働きやすい環境づくりを推進していく考えだ。

1806年創業の老舗温泉宿「古屋旅館」

 内田社長は、「私たちは『世界に誇れる日本の老舗旅館』でありたいと願います。そのために伝統的かつ時代に即した旅館サービスを常に追い求め、お客様の最大満足、従業員の幸福、地域経済の発展を実現します。熱海の地で200年以上商売を営み、今後もずっと存在する会社だからこそ、歴史と伝統を大切にしながらも新しい時代に合わせ、お客様にとっても従業員いとってもかけがえのない存在であり続けます」とメッセージを発信している。

「蒲生氏郷企画展 会津宰相と文化」 福島県・鶴ヶ城天守閣で9月14日(土)から

2024年9月11日(水) 配信

鶴ヶ城

 会津若松観光ビューロー(福島県会津若松市)は9月14日(土)~11月4日(月)まで、会津若松の戦国武将「蒲生氏郷企画展 会津宰相と文化」を鶴ヶ城天守閣郷土博物館で開催する。

 戦国武将の蒲生氏郷は、織田信長の家臣であり娘婿で、信長の没後、豊臣秀吉に仕えた。武将でありながら茶人や歌人としても優れた才能を持っていた。企画展では、氏郷ゆかりの茶器などの文化財を通して、多彩な氏郷の文化人としての一面を垣間見ることができる。

 「蒲生氏郷企画展 会津宰相と文化」は、9月14日(土)~11月4日(月)の期間で開催。午前8時30分~午後5時まで。最終入場は午後4時30分。

 鶴ヶ城までのアクセスは、JR磐越西線会津若松駅から、会津まちなか周遊バス鶴ヶ城入り口下車徒歩5分。

 料金は、大人410円。子供150円。

 鶴ヶ城本丸内には、氏郷が千利休切腹後にかくまった利休の子・小庵ゆかりの茶室が復元されている。入場料は大人210円。小中学生無料。企画展と茶室麟閣共通券は大人520円。

よし田川別館(山形県東根市)、自己破産申請へ(帝国データバンク調べ)

2024年9月11日(水) 配信

 よし田川別館(坪沼宏代表、山形県東根市)は8月30日(金)までに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。帝国データバンクによると、負債は6月期末時点で約5億1700万円。

 同社は1950(昭和25)年創業、78(昭和53)年1月に法人改組され、さくらんぼ東根温泉内で温泉旅館「よし田川別館」を運営していた。

 庭園が付随した大広間で将棋の名人戦が開催されるなど、格式が高い旅館として知られ、宴会や結婚式、会議の会場としても利用されていた。

 99年には山形新幹線の新庄延伸による旅行客の増加を見込み、本館を改装した。その後は3億円台の年間収入高を計上していた。

 しかし、リーマン・ショックや東日本大震災などで宿泊客や宴会利用者が次第に減少。新型コロナの影響もあり、22年6月期の年間収入高は約2900万円に落ち込んだ。23年6月期には年間収入高約5200万円に対して、当期純損失約1600万円を計上していた。

しいたけが食べ放題の「しいたけ祭り」 上野村で9月28、29日に開催

2024年9月11日(水) 配信

上野村のしいたけ

 群馬県・上野村で、特産品の「しいたけ」をアピールする食べ放題イベント「第7回しいたけ祭り」が9月28日(土)、29日(日)に開かれる。会場は同村の観光スポット、まほーばの森。

 思う存分、上野村のしいたけを味わってもらおうと毎年行っているもので、好評のイベントという。90分間しいたけが食べ放題で、料金は大人1000円、小学生は500円、未就学児は無料。例年、しいたけの炭火焼のほか、焼きそばなどの料理も提供される。

 営業時間は午前10時~午後5時まで。最終受付は午後3:30。問い合わせは上野振興公社(0274―59―2585)へ。

11月2・3日に「人間将棋 姫路の陣」開催へ つるの剛士さんがゲスト対局

2024年9月11日(水) 配信

5年ぶりの姫路の陣

 兵庫県姫路市(清元秀泰市長)は11月2日(土)、3日(日)に姫路城三の丸広場で「人間将棋 姫路の陣」を開く。プロ棋士が甲冑や陣羽織など、戦国衣装をまとった人間の駒を指揮し、勝敗を争うユニークな催し。日本将棋連盟が協力し、2日には同連盟任命の将棋親善大使・つるの剛士さんがゲスト対局を行う。

 人間将棋は、将棋駒の生産量日本一の山形県天童市で1956(昭和31)年から行われている伝統行事。豊臣秀吉が関白・秀次を相手に、伏見城(京都府京都市)で小姓や腰元たちを将棋の駒として、将棋の野試合を楽しんだという故事にならい、野外に設置した将棋盤を戦いの場と見立て実施する。

 姫路城での開催は2019年以来5年ぶり。姫路市は「将棋は、相手から取った駒を自らの駒として使うことができ、姫路ゆかりの戦国武将、黒田官兵衛の『人は殺さずに活かすべき』という哲学に相通じるものがある」とし、人間将棋のイベントを通じて、黒田官兵衛や世界遺産・姫路城、日本の伝統文化の将棋などをPRして国内外からの観光誘客につなげたい考え。

 イベントには12棋士が参加。人間将棋は、長谷川優貴女流二段・大島綾華女流二段らが対局を行う。トークショーや自由対局、将棋クイズ、甲冑体験などのイベントも企画するほか、事前申込で参加できる指導対局、子供向け将棋教室、子供将棋大会もある。参加者の受付はイベント特設サイトで10月11日(金)まで行っている。応募者多数の場合は抽選となる。