【札幌発・日帰りツアー】ヴィンヤードで収穫体験&バーベキューでよいちワインを知る旅 10月29、30日、11月5日実施

2022年10月7日(金)配信

ヴィンヤードでの収穫作業とテイスティングでよいちワインを楽しむ(イメージ)

 札幌観光バス(福村泰司社長、札幌市)はこのほど、北海道余市町でブドウ生産者との語らいやヴィンヤードでの収穫体験、地元の食とワインとのマリアージュを楽しめる札幌発着の日帰りツアー「ヴィンヤードで収穫体験&バーベキューでよいちワインを知る旅」を企画した。現在、参加者を募集している。

 目玉は余市のぶどう・ベリー農家「ソウマファーム」での収穫体験。代表社員・相馬慎吾氏のレクチャーを受けながら、ワインブドウを収穫する貴重な機会だ。ブドウの生育環境や生産における工夫、今後のヴィンヤードの展望など、相馬氏と語らいながら、余市のワインのストーリーを知ることができる。

 収穫体験後は、ブドウ畑がレストランに。貴重な鹿肉やブランド豚肉など地元食材を味わいながら、市場に出回っていない貴重なワインのテイスティングを楽しめる。

 ツアー出発日は10月29日(土)、10月30日(日)、11月5日(土)の3日間。ツアー代金は2万6000円で、参加条件は20歳以上。各日とも8人定員で、最少催行人数は2人。移動はジャンボタクシーを利用する。ツアーの詳細・申込はコチラ(外部サイトへのリンクです)。

 札幌観光バスでは本ツアーを皮切りに、ワインツーリズムの開発に取り組む。ファン向けに希少ワインの優先購入権や会員限定の体験ツアーなどの会員サービスを提供し、ファンと余市町との継続的な関わりを創出する。

〈旬刊旅行新聞10月1・11日合併号コラム〉安定して利益を出す持続可能な宿へ――対応できない大きなピークを作らない

2022年10月7日(金) 配信

 路地を歩いていると、金木犀の香りが漂う季節になってきた。以前は少し香りが強すぎると思っていたが、今年はその刺激がとても心地よく感じる。外出時にマスクを外して歩く機会が増え、五感が求めているからかもしれない。

 

 今夏、息子を連れて沖縄県北部のオクマビーチで過ごした。夕日が沈むまで人気の少ないビーチのデッキで海を眺めていた。涼しい風が吹き抜けるなか、私が気づき、「ここはマスクいらんやろ」と指摘するまで、息子はマスクをしていた。3年に及ぶマスク生活が日常化していることを感じてしまった。

 

 

 9月22~25日には東京ビッグサイトでツーリズムEXPOジャパン2022が開催され、期間中に12万4074人が来場した。私も数年ぶりに取材で訪れ、旅行博の活気あふれる雰囲気を味わった。

 

 国際交流にはまだまだ制限があるため、海外からのブース出展には若干の寂しさを覚えたが、まさに今回のEXPOのテーマである、「リスタート」の瞬間を感じた。

 

 EXPOには日本の観光政策を牽引してきた実力者の1人、菅義偉前首相も訪れた。円安基調にあるなか、失われた5兆円規模の訪日外国人旅行者による消費拡大へ、大きな期待を熱く語っていた。

 

 インバウンドについては、1日5万人と制限されていた入国者数の上限が撤廃され、海外からの個人客も飛躍的に増えていくだろう。インバウンド需要を見据えたホテル・旅館や、観光施設が開業に向けて再び動き始めた鼓動が聞こえてくる。

 

 

 観光業界も「サステイナブル(持続可能であるさま)」について語られる機会が多くなった。一方で、インバウンドの大幅な水際緩和に加え、10月11日から全国旅行支援がスタートする。観光業にとっては待ちに待った追い風となるため、「地獄のような緊急事態宣言下に比べたら断然いい」という声になるのだが、「サステイナブル」の観点からみれば、最も好ましくない状況が続くことになる。

 

 未曾有のコロナ禍とはいえ、国の政策が観光業の「繁閑差」を極限まで拡げているように思える。全国旅行支援に併せて、旅行需要の平日への分散を推進する目的で「平日にもう1泊」キャンペーンも展開するが、観光業界の本音は「太く短い」支援よりも「細く長い」支援だ。

 

 約3年間に及ぶコロナ禍で、現場の人材を最小限に削って凌いできた観光施設がほとんどである。基礎体力が落ちているなかで、突然トップギアに入る状況になる。それだけでない。現場には、割引制度に対する事務作業の煩雑さも加わる。

 

 

 全国的な旅行支援策に対応するために人材を集めようとしても、「飲食や観光産業の不安定さ」を目の当たりにしたため、募集しても、とりわけ若い世代の補充は容易ではない。

 

 国の柱として観光産業をしっかりと育てていくのであれば、爆発的な需要を生み出す支援策でいいのかと疑問も生じるが、理想的な細やかな支援を望むべくもない。

 

 それであれば、宿泊施設自ら制限をかけてピークを抑える努力が必要だろう。目の前に大きな需要があるのに制限することはとても難しい。しかし、対応不可能な大きなピークを作らないことも、安定して利益を出す持続可能な宿経営には大切なことだ。

(編集長・増田 剛)

【特集No.620】ツーリズムEXPOジャパン2022 新しい時代へリスタート切る

2022年10月7日(金) 配信 

 

 日本観光振興協会(山西健一郎会長)と、日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)、日本政府観光局(JNTO、清野智理事長)は9月22(木)~25日(日)の4日間、東京ビッグサイトで「ツーリズムEXPOジャパン2022」を開いた。4年ぶりの東京開催となった今大会は、国際交流再開の象徴的な総合観光イベントとして「新しい時代へのチャレンジ~ReStart~」のもと、47都道府県と78カ国・地域が参加した。また、フォーラムテーマを「観光による気候変動への挑戦」とし、基調講演と第5回TEJ観光大臣会合を開いた。

【馬場 遥】

 

来場者は12万4000人 需要回復の狼煙を上げる

 ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)は、展示商談会やフォーラム&セミナー、交流事業、顕彰事業で構成される。今大会の展示出展は、国内47都道府県、海外78カ国・地域。参加企業・団体は、トラベルソリューションも含め1018、出展小間数は1215となった。商談会はバイヤーとセラー併せて約1180人、商談セッション数は5114件となった。

 4日間の来場者数は12万4074人だった。

 9月22日(木)の業界日に行われた開会式では、山西健一郎組織委員長(日本観光振興協会会長)が、「コロナ禍によって東京・大阪での開催が中止または延期を余儀なくされ、東京での開催は4年ぶりとなる」と、国内外の業界関係者が一堂に会したことを喜んだ。…

【全文は、本紙0000号または10月14日(金)以降日経テレコン21でお読みいただけます。】

「全国旅行支援」準備状況 10月6日(木)現在で24道県(トラベルズー・ジャパン調べ)

2022年10月6日(木) 配信

トラベルズー・ジャパンはこのほど、全国旅行支援の準備状況を調べた

 トラベルズー・ジャパン(鈴木創社長、東京都新宿区)は47都道府県の「全国旅行支援」準備状況や、旅行会社、宿泊施設各社の販売予定を調べた。これによると、適用条件・利用方法を公表している都道府県は24道県(10月6日午前9時時点)だった。宿泊予約サイトや旅行会社各社の販売予定は現在未定となっている。

 全国旅行支援は、「全国を対象とした観光需要喚起策」として旅行代金一律40%の割引と、地域クーポン券を付与するキャンペーン。公共交通機関を利用する旅行商品は助成額が上限8000円、このほかは5000円となる。地域クーポンは平日が3000円、休日が1000円分付与される。期間は10月11日(火)~12月下旬まで。

 同事業では、「県民割」と同じく、各都道府県が対象期間や予約適用日などの旅行条件と、クーポン券の利用方法やワクチン接種証明書の確認方法などをそれぞれ決定できる。

 残りの23都府県のうち東京都以外は10月11日(火)開始を目指しているが詳細は未公表。

 宿泊予約サイトや旅行会社各社の販売予定は未定。同社は、「販売する旅行商品のエリアが多岐に渡り、各県ごとのルールに対応する必要があるため、準備には時間を要す見解だ」とした。

 また、適用条件や利用方法を公表している県の宿泊施設では、自社サイトで対象プランの予約受付を始めているところも見られる。

 既に予約している10月11日(火)以降の旅行は、CPの適用にならない場合がある。

 適用条件として、①旅行先の県が定める既存予約への適用条件に当てはまるか②予約した事業者がその予約したプランを全国旅行支援の対象にするか──の2つを満たす場合に限られる。

 宿泊予約サイトや旅行会社各社は、既存予約も全国旅行支援を適用すると公表しているものの、対象となる旅行の具体的条件はまだ発表していない(10月6日時点)。

訪日個人客の予約受付中 観光体験EC「Wabunka」英語版リリース

2022年10月6日(木) 配信 

英語版「Wabunka」では10月5日(水)から、訪日個人旅行者の予約受付を始めた

 日本の伝統文化・芸術、観光をテクノロジーで支援するジャパンカルチャー&テクノロジー(J-CAT、飯倉竜代表、東京都中央区)はこのほど、観光体験ECサイト「Wabunka」の英語版をリリースし、10月5日(水)から訪日個人旅行者による予約受付を始めた。

 「Wabunka」では、職人や芸術家とともに由緒ある寺社や老舗の工房などを貸し切り、非日常な空間で特別な「コト体験」を予約できる。

 日本の伝統文化や芸術分野がIT化やグローバル化に取り残されてしまい、「観光体験について訪日客と観光事業者の双方が『知らない、探せない、伝わらない』という課題」(同社)が顕在化してきた。

 同社では、双方の課題解決に向けて、訪日客の需要が高いジャンルを拡大するとともに英語版をオープン。多言語に対応したプランを提供する。

 プランの内容は、美麗な写真とライター・翻訳家による分かりやすいテキストで体験内容を詳しく紹介する。

 体験中は専門の資格を持つ通訳案内士が付くことにより、独自の技術や精神性に基づいて発展してきた日本の文化を解説する職人・事業者の言葉を、外国人旅行者が理解でき、魅力を余すことなく堪能できる。

 体験プランの例として、和尚と談話もできる京都「大徳寺大慈院」での座禅体験や、創業360年の組紐処「道明」上野の非公開工房ツアー&アクセサリー制作などを用意している。

サービス連合、雇用守る政策を要望 「明るい兆し見えるが、離職増加」

2022年10月6日(木) 配信

櫻田あすか副会長

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(後藤常康会長)は今年4月~来年3月まで、政府の経済財政運営に反映してもらうための重点政策要請書を立憲民主党や国民民主党のほか、観光庁や厚生労働省などの官公庁に手渡す。観光産業の事業と雇用を守り、経済活動を回復させたい考えだ。

 9月22日(木)に開いた会見で櫻田あすか副会長は「(業績回復への)明るい兆しが見えてきたが、若手を中心に離職が続いている。全国旅行支援の開始で人手不足も懸念されている」と現状を語った。

 観光に関わる重点政策は3項目を作成した。1つ目の外国人観光客の円滑な受け入れに向けては、6月10日(金)から外国人観光客の観光目的での入国が認められた一方で、「現在も日本からの帰国時に陰性証明書が必要な国がある。検査を行う機関の数は都道府県によって差が開いている」という。地方も外国人から選ばれるために、地域格差の是正や情報発信の強化を求めている。

 地方創生は、国が観光を地域経済の活性化の切り札に位置付けていることを受け、さらなる多様化が見込まれる需要への対応力を強化する目的で盛り込んだ。国が地方創生の基本方針として策定する「まち・ひと・しごと創生基本方針」で、人材育成の推進を盛り込むよう要求する。 

 また、観光産業が将来も持続的に発展するために「地球環境問題への対応」では、脱炭素化が欠かせないという。高効率設備の導入は多額の費用が必要であるため、国による補助を要望している。

ピンクリボンのお宿ネットワーク 23年度版冊子を発行

2022年10月6日(木)配信

23年度版冊子の表紙

 ピンクリボンのお宿ネットワーク(畠ひで子会長)は10月1日、会員施設の情報をまとめた2023年度版「ピンクリボンのお宿」冊子(A5判、76㌻)を発行した。

 巻頭では加盟宿それぞれの露天風呂付き客室、バリアフリー客室、貸切風呂や大浴場の間仕切り、入浴着の着用、食事対応、禁煙客室、宿泊プラン、クーポンなどの有無を一覧表で表示したほか、本文では98の加盟宿を北から順に1ページに3軒掲載。宿の特徴やお風呂情報、日帰りや宿泊プラン、アクセスなどを文章とアイコンで細かく紹介している。

 また、観光協会や旅館組合などの団体会員のページではそれぞれの温泉地や観光のみどころを文章と写真で説明している。さらに企業会員や賛助会員、そして協力会員である医療機関なども掲載。

 このほか巻頭部分ではイラストを使用して旅行や温泉を楽しむコラムを、巻末には加盟宿が提供する特典クーポンも付く。

 冊子は10万部発行し、会員施設のほか、全国約800カ所の病院で無料配布している。

10月11日からの水際緩和、各国・機関へアピール G20観光大臣会合

2022年10月5日(水) 配信 

日本からは水島国交審議官などが出席した(観光庁HPから)

 G20観光大臣会合が9月26日(月)、インドネシア・バリ島で開かれた。日本からは、水島智国土交通審議官と星野光明観光庁国際観光部長などが出席した。日本からは10月11日(火)からの水際緩和について各国に周知するとともに、食と文化を活用する「ガストロノミーツーリズム」を持続可能な観光マネジメントの推進のカタチとして紹介した。

 会合には各国大臣のほか、国際労働機関(ILO)、世界観光機関(UNWTO)、世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)などの団体が参加した。

 会合では、「ひと中心の回復」というテーマのもと、包括的・持続可能な回復を促すための具体的な行動や、観光産業の強靭性を高め、コロナ禍を乗り越えるために取り組むべき課題について議論が交わされた。

 また、新型コロナによる危機で最も影響を受けている中小企業や、女性・若者への支援に焦点を当てたほか、観光産業とクリエイティブ産業との連携による相乗効果を通じた観光変革についても、意見交換が行われた。

 日本からは、地域がそれぞれの観光資源を生かしながら持続可能な観光マネジメントを推進することの重要性について強調。これに加え、日本にとって貴重な観光資源である「食と文化」を、時宜にかなった旅のあり方だとして「ガストロノミーツーリズム」として紹介した。

 日本の水際措置緩和についても会合の場やプレスカンファレンスで各国に周知し、10月11日(火)からさらに多くの観光客を迎え入れる旨を強調した。観光庁は、「質疑応答では日本への渡航に関する質問が多くあがり、訪日旅行に向けた期待と、日本の水際緩和を待ち望んでいた声が多く寄せられた」と報告した。

 議長総括と、この付属文書として、アフターコロナにおける強靭で持続可能な観光コミュニティづくりに貢献するなどの主要政策の指針となる「バリ・ガイドライン」が発出される見込みだ。

 バイ会談(2国間会談)では、インドネシア・アメリカ・サウジアラビア・カナダ・韓国、UNWTO・WTTCなどの国・団体と会談を行った。

プレスカンファレンスでは訪日旅行に向けた期待の高さが感じられた(観光庁HPから)

日観振、持続可能シンポ開く 修旅で学ぶ意義を説明

2022年10月5日(水) 配信

久保田穣氏

 日本観光振興協会は9月23日(金)、ツーリズムEXPOジャパン2022で「持続可能な観光推進シンポジウム」~SDGsを踏まえた新しい教育旅行の今後に向けて~を開いた。社会で持続可能性についての意識が高まるなか、修学旅行でSDGsを学ぶ意義を説明した。

 久保田穣理事長は主催者あいさつで「SDGsを課外活動で学ぶこと学校が増えている。このなかで教育旅行に盛り込むことも求めらてきている。事例など知って知見を深めてほしい」と語った。

 基調講演「持続可能な観光に向けた取組と教育旅行への活用」には東洋大学国際観光学部教授の古屋秀樹氏が登壇した。

古屋秀樹氏

 学習指導要領を引用したうえで、「教育旅行の使命は、社会と自己との関りを見出し、課題を解決することだ。このため、教育旅行のテーマには社会課題を扱うSDGsが最適だ」と述べた。また、学校での事前学習を行うことで、「より理解を深めることができる」とした。

 基調発表には日本修学旅行協会常務理事兼事務局長の高野満博氏が「今後の教育旅行の方向性とSDGsについて」をテーマに講演した。

高野満博氏

 20~22年に改訂される小・中・高校の新学習指導要領で、SDGsの17の目標を含めた持続可能な開発力を身に付けるための教育「ESD」の実施が盛り込まれていることを説明。背景として、「将来、SDGsだけでは解決できない新たな課題が生じる可能性がある。柔軟な対応力を養うため」と説明した。

 さらに「教育旅行は学校を離れることで、社会とその課題に触れることができ、ESD教育につながる」と述べた。

 次に福井県観光連盟専務理事の坪田昭夫氏が事例発表「教育旅行SDGsを学ぶ体験プログラム」と題して、県内で用意している教育旅行用のプログラムを紹介した。

坪田昭夫氏

 具体的には、芦原温泉旅館協同組合女将の会などが廃棄する越前ガニのカニがらを肥料にして、育てたトマトを食事の際に提供する「あわら蟹ガラプロジェクト」を紹介。坪田氏は「ゴミの減量や食べ物の大切さを学べる」とアピールした。

 ツリーピクニックアドベンチャーいけだ(池田町)では、全長約1㌔㍍のワイヤーで森の中を滑空するメガシップラインを設置。自然に興味を持ってもらい、適度な伐採が生き物にとっても住みやすい環境を整え、土砂災害の危険性低下につながる学習内容としていることをアピールした。

 近畿日本ツーリストチームリーダーの中島ゆか氏は、旅ナカで排出する温室効果ガスの減少を目指すカーボンスタディツアーを紹介した。

中島ゆか氏

 ツアーでは各生徒が旅マエに、宿泊施設の客室で使わない電気の消灯や、残飯の減少、移動時の自転車の利用などが省エネにつながることを学び、各生徒が旅行中に行う活動をビンゴ方式で記入する。実行できたことに印を付けることで「ゲームとして楽しみながら、持続可能性を学習できる」とアピールした。

 最後にはクロストークを実施。高野氏と坪田氏、中島氏が登壇した。モデレーターは古屋氏が務めた。

クロストークのようす。(左から)古屋秀樹氏、高野満博氏、坪田昭夫氏、中島ゆか氏

 古屋氏は冒頭、中島氏に実施に当たって苦労した点を聞いた。

 中島氏は旅費支出が地域によって差があることを挙げ、地域の助成金の活用や、価格を見直したい考えを示した。

 また、「(カーボンオフセットで)手厚いサービスを省略することが、消費者に商品の質の低下だと思われる」と指摘。「業界全体で消費者に理解してもらう取り組みが必要だ」と語った。

 坪田氏は深い学習のための仕掛けについて問われ、「紙漉き体験では、職人の話も聞いてもらことで、深い理解につなげている」と話した。

 本来の業務を止めて学生を受け入れることについては、「後継者の獲得につながる」と主張した。

 コロナ禍での教育旅行の必要性を問われた高野氏は、修学旅行が過去のさまざま事故で、社会から不要とされたことを振り返った。そのうえで、「コロナ禍では、延期したうえで催行し、不要とした学校は少数だった。日本では文化として根付いた。多くの子供は楽しみにしており、人生の大きな思い出となる」と話した。

 古屋氏は「教育旅行はプログラムが魅力的であれば、遠くからの集客が見込めるため、競争相手が多い。持続可能性について学べるコンテンツにさらなる特徴を持たせることが次の課題だ」とまとめた。

JTB、海外旅行市場を展望 「海外旅行レポート」発刊へ

2022年10月5日(水)配信

JTB海外旅行レポート2022の表紙

 JTB(山北栄二郎社長)はこのほど、「JTB海外旅行レポート2022 日本市場における海外旅行のすべて」を発行した。コロナ禍における日本人の海外旅行意向と需要回復局面における海外旅行市場の展望をまとめた。1988年以来、今年で35回目の発行。

 同レポートは、独自のアンケート調査や各関係機関の統計資料に基づき、JTB総合研究所(風間欣人社長)が海外旅行マーケットの動向、構造を分析、編集・発行し、同社ホームページで売り出している。なお、これまで「JTB REPORT 日本人海外旅行のすべて」の名称で発行してきたが、今年度から名称を変更した。

 内容としては、「東アジアでの国際航空座席供給数の回復が、海外旅行市場復活への鍵」との考えを示唆。需要回復局面における海外旅行市場のキーワードは、「旅行コストの上昇に見合う価値の提供」と挙げている。また、海外旅行の最大の心理的なハードルは「感染症や病気などにかかるリスク」という調査結果をまとめている。

 定価1万3200円。